「染まずただよふ」

・・・塾講師スミレの日記・・・

精進してくださりませ

2017年02月04日 |   中2 
中2国語では「敬語」も定期テスト範囲になっています。

生徒たちには、3年間の国語学習の中で
社会に出ていちばん役に立つ単元だと言っているのですが
反応は今ひとつ。

そして、この単元は一般的に成績がよい生徒が
必ずしも正解率が高い、とは言えないところが面白いです。
家庭環境なのか、性格なのか
違和感なく敬語が使える生徒と、全く使えない生徒と
差が激しいです。

ある程度は知識で補えるのですが
使い慣れない生徒はすぐボロが出るんですよね。

たとえば、今日のテキストの問題より。↓↓↓
下線部を正しい敬語表現に書き改めなさい。
「1)お配りした資料を拝見してください。」

「拝見する」は謙譲語。相手の動作には使いません。
代わりに「ご覧になる」を使うのですが
敬語は苦手と言いつつ自分の答えを発表せずにいられない少年が
「『ご覧してください』でしょ?」と周りに同意を求めて失笑をかっていました。
「ご覧する」という言い方はありません。
正解は「お配りした資料をご覧になってください。」です。

問題をもう1つ。
「2)校長先生が記念品をくれた。」

これは「くれる」を尊敬語「くださる」にかえて
「校長先生が記念品をくださった。」が正解。
「~くださいました。」とした生徒もかなりいたようで
もちろんそれも正解です。

ただ、上記の少年は
「『~くださりました。』でもいいですよね?」と
しつこく食い下がってきました。
「くださりました」は、なくはない表現だけど
古い言い方だと思うんだよね。
「敬語」という観点で考えると
相手が受け入れがたい表現は避けるべきと思うし
この文脈だと明らかに不自然なので
私だったらマルはあげられません。

この少年、成績はわりと上位の生徒なので
周りの生徒から再三オカシイと指摘され
本気でショックを受けていたようです。
この機会に正しい敬語を身につけてくれるといいんだけど。