天壇は明・清二代の皇帝が天を祀り豊穣を祈った祭祀のための建設群で、
総面積が故宮の約4倍の約270万㎡。
天壇は祈年殿、圜丘壇、皇穹宇などを合わせた総称で、1998年に世界遺産に登録された。
天壇公園の案内図の横には当然中国語そして英語、韓国語、
そしてしっかり日本語の説明文が書かれてあった。
やはりなんだかんだと言って日中韓は簡単には切り離せないことがこの看板でも示している。
切符売場をはじめ、入口エリアはとても綺麗で整備されていて、
しかも電動掲示化されて中国のインフラ整備は思っていたよりずっと進んでいた。
それはここだけではなく、これから観光したあらゆる所にも言えた。
確か高齢者は入園が無料の為か、祈念殿につながる回廊の欄干には隙間がない程、
トランプと中国の将棋らしきものに興じる年配者で一杯になっていた。
やる人、見る人、互々善良な市民という感じで微笑ましい光景だ。
この回廊と天井と特に梁に施された文様、デザインと色の配色が素晴らしい。
この下をゆっくり歩んで行くと遠い昔の王朝時代にタイムスリップしたような錯覚に陥る。
天は中国人にとって昔から至上のもの。
万物を支配する最高権威を意味する。
皇帝はその天命を受けた天子であり、天を祀る特権を持っていた。
日壇、月壇、地壇など北京にある「壇(祈祷場)」の中でここ天壇は最も重要とされ、
明・清時代の皇帝はここで五穀豊穣を祈った。
この天壇は明の永楽18年(1420年)、永楽帝が建立したとされる。
天壇でもっとも有名とされる建造物がこの祈念殿。
天安門や紫禁城とともに北京のシンボル的存在だ。
祈念殿は直径32m、高さ38mで釘を使わず
25本の柱のみで支えられた祭壇で、現存する中国最大の祭壇。
中国建築史上重要な建造物とされている。
木造で宝頂は金メッキがなされ、屋根は瑠璃瓦葺きの三層になっていて、
明の時代は上から青・黄・緑となっていたが、1751年にすべて青色に変えられた。
現在の建物は1896年に再建されたもの。
中国の人はスマホで記念写真を撮ろうとすると、かならずといっていい程、
ちょっと大げさなポーズを取ることを知った。
その姿がおもしろいので写真に撮ってしまった。
祈念殿の近くにある博物館。ここの天井の配色も良い感じだ。
漢字の国、中国の展示物はわかりやすい。
この表は明朝皇帝と清朝皇帝の一覧表。
もう一つの博物館内部と皇帝の肖像画。