スミダマンのほのぼの奮戦記

~グルメ・旅・仕事・自然・地域~あらゆる出来事をフラッシュバック。

評論家 石平氏

2014-08-04 07:40:17 | レポ

数多くのテレビに出演するなど幅広い評論活動を行っている元中国人

石平氏の非常に論理的で明解な講演を聞いて来た

氏は1962年(昭和37年)中国、四川省成都市生まれ

84年、北京大学哲学部卒業、四川大学講師を経て、88年日本留学

翌年、天安門事件に衝撃を受け、中国と「精神的訣別」をする。

95年神戸大学大学院文化学研究科博士課程を修了。

民間シンクタンクに勤務後の2002年、日中関係や中国問題をテーマに評論活動に入る

07年日本国籍を取得し、帰化した。

演題は「中国の政治経済情勢と今後の行方」

中国の実像と野望について赤裸々に語った。

その内容をレポートします。

・中国の経済情勢は2009年成長率12.9%でピーク。今年の1月~6月期は7.4%まで下がった

・中国経済は「二台の馬車」と言われている。

一台は輸出、2009年は20%以上の成長。そして二台目は投資。

特に政府の公共投資は年25%~30%この二つが原動力となっている。

・中国経済で欠けている、足りないのは消費

GDPに対して日本が60%アメリカが70%を占めているのに中国は37.5%(2013)

・消費不足の理由は貧富の格差による、内需の不足。

中国経済は対外依存症が非常に高い

・温家宝前首相は10年間、財政出動(公共事業拡大)と金融緩和政策を切り札としてきた

・特に2008年のリーマンショックの時は64兆円という信じられない財政出動をした

・又、新規融資をGDP33.5兆元の中国経済で総額9.6兆元(約30%)

という前代未聞の金融バブル政策を実行した。

その為世界で唯一景気回復ができた。

・企業は70%増の不動産投資を行い不動産バブルが起きた

・親戚が2013年秋、北京より1時間の所で60㎡の中古マンションを

5000万円で買った。日本と比較して所得が1/7~1/8の中国で起きている現実

ものすごい過剰流動性だ。

・そこで政府は金融引き締め政策をとり金利をアップさせた。

・景気は減速し中小企業が経営難になる等、いろいろな問題が生まれてきた。

・輸出という馬車は完全に止まった。

経済成長戦略はもう無理だ

・中小企業は金を借りたいが為に闇金融に走った。

・中国は流行言葉を作るのが上手で、このことを

そのものズバリ「高利貸」と言うそうだ。

・国有企業も高利貸に新規参入し、とうとう国有銀行まで闇金に参入、前代未聞だ。

これが今騒がれているシャドーバンキングだ。

・今や闇金はGDPの40%まで占めていると言われ構造的に危険だ

・中小企業には担保能力があまり無い為、返せなくなると夜逃げ。

これを「失連」(連絡を失うという意)といい社会現象に成っている。

・中国の金融システムは崩壊する可能性が出てきた。

・政府は金融政策に慎重になり、2013年末個人の不動産貸出しを停止した。

・生き残る為、不動産のバッタ売り(ひどいのは半値)が2014から始まった

・2014、秋には不動産業は崩壊するだろう。

・中国政府は崩壊を止められず容認せざるを得ないだろう。

・又、社会は暴動、デモ、事件が多発(現在18万件起きている)し、社会不安が進んでいる。

・どうしてそう成ったのか?

背後に貧富の格差がある。金持ちは共産党幹部が多い。

・氏はすごい事例を話した。以前は警察パトカーが来ると逃げたが、

今は逃げずに警官を引きづり出し、半殺しにしてパトカーに火をつける

それを写真に撮ってネットに流す。すると国民はそれに拍手を送る。

・今「仇富仇宮」という新語が流行っている。

金持ちと共産党は皆悪い、目の仇にしているといった意味だそうだ

・2012、11月に就任した習近平政権は

「腐敗撲滅運動」と節約運動」を強烈に実施している。

・党幹部は腐敗のメリットの為に幹部に成ったのに楽しみは何一つ無くなって

仕事をしない事で抵抗しているのが現状

習近平にとってもこれが長く続くと困る、いずれ妥協せざるを得ないだろう。

・そして最後、習近平の政策理念に危うさを感じると言った。それはすごい話だ

・習近平は「民族の偉大な復興を遂げ、中華秩序を作る」

・日本は中国が弱体の時代に、生意気になって中国を苛めだした。これは屈辱だ

・ではどのようにしてこれを達成するか?

「強軍」2014、3月の人民解放軍との座談会の15分間スピーチの中で

33回もこの言葉を使った

・胡錦濤は平和的台頭といった穏健的政策だったが

習近平は覇権主義的で危険な考え方だ。

・そして日中関係の話題に入った

尖閣諸島に対する反日デモは政府が手配した。

・駐日大使館へ投げた玉子は政府が配った

・このデモが市民にオープンに成って「仇富仇宮」がベースに

反政府デモに変わったのは政府の誤算だった

・氏は領土問題は長期的に緊張関係が継続すると言う。

・中国は日中経済関係は悪くしたくない

今年11月の中国がホストになるAPECは成功させたい、どうするか?

・日中首脳会談はしなくてもよいのでは

・では今後中国とどう付き合ったらよいか?

付き合わないのは無理。個人的意見としてはリスクを考えるとあまり

深入りしないホドホドの付き合い

歴史的には深入りするとよくないことが起きている。

・最後にこれからの中国の見通しとして下からの反乱は無理

内部分裂で中国共産党は崩壊する。

・中国人も習政権が10年続くとは思っていない。

 

 

中国といい韓国といいやっかいな近所の国と上手につきあうのは

難しいものだとつくづく思った次第です。

 


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