洋食おがた
京都市中京区柳馬場押小路上ル等持寺町32-1
TEL 075-223-2230
定休日 火曜日、月1回不定休
https://youshoku-ogata.com/

初めて当店を知ったのは2019年3月11日。
BS朝日番組の「土井善晴の美食探訪」という番組であった。
この時のゲストは年間60日も京都に通い「京都を知り尽くした名優 角野卓造さん」。
彼が著した本がこちら。



「予約一名、角野卓造でございます。(京都編)
角野さん、おいら完敗ですわ!」です。

実はこの日の夢心地のディナーをいただくには
スミダマンなりの涙ぐましい努力の結果でありました。
この番組を見て角野さんの本を買ってきては京都に行く機会がある度に予約のTELを入れました。
記憶ではおそらく5~6回は浦和から、あるいは京都からTELをした。
忘れられないのは京都・松尾神社の境内からTELを入れた時は、
当店には何かルートがないと駄目だナと諦めの境地まで達しました。
ところが今回、半分冗談でTEL入れたところ電話がつながり、予約の話まで進みました。
話ながらもこれ本当かよ?という心境でTELを切った時は
やり続ければこんなことが起きるのだ!という感動を覚えてしまいました。
ということで今回の旅の目玉はいくつかあるが、
スミダマン的には洋食おがたの来訪は外せません!!



洋食おがたさんは京都市役所駅前より460m。
一方通行の道が多くちょっとわかりづらいところ。
店内の席構成は基本カウンター。
カウンター席は11席、テーブル席は3卓で12席。
合計23席のオーナーシェフが充分目が通る大きさの、とても雰囲気のある大人のお店だ。
オープン日は2015年10月30日で、ここではまだ7年弱の歴史だ。


洋食おがたさんは完全なオープンキッチンスタイル。
厨房の壁には洋食用の各種フライパンが掛けられ、
名工大工の大工道具命みたいな気持ちがフライパン命として伝わってくるようだ。
2枚目の写真、カウンターに背を向いている方がオーナーシェフの緒方博行さん。
「洋食屋は日本料理屋である」という根本を考え煮詰めた方である。
肉料理が人気の「ビストロ セブト」で料理長として活躍していたオーナーシェフは
フレンチの技でつくり上げた絶品洋食で味に厳しい京都の食通たちを魅了し、
洋食発祥の地ともいわれる京都で予約1ヶ月待ちは当たり前の人気ぶりだ。

店内の飾り物はシンプル。
1ヶ所テーブル席の上にスミダマンが好きな
ベルナール・ビュッフェの絵があったのが気になった。
他には入口のところに祇をん、先斗町、上七軒の舞妓芸妓と、
主人・川久野間の訳のわからない団扇が飾ってあったのは京都らしい。

このメニューが本日のおすすめメニューだ。
まずはものすごい数のラインアップ。
これを見るだけで胸が高鳴る。
主なものをスミダマン流にチョイスしてみます。
数を勘定したら66メニューもある。
また、素材の産地別に書かれている。
すべて価格は書かれていない。




生姜焼きセット5,620円、しゃぶしゃぶセット8860円、
特製フレンチ、和風、生姜焼きのたれなどのドレッシングも各1,300円で売っている。
冷前菜5種、温前菜3種。
スープは野菜スープ830円、クラムチャウダー1,520円、オニオングラタンスープ1,850円。
魚はジャンボ海老フライ2,370円、本日の魚ピカタ2,480円。
肉は売りの洋食おがた特製ハンバーグ(100g)2,180円、他4種。
それに、おまかせディナーコースは16,500円で用意できるグラタンパスタ4種、
〆ごはん5種、デザートは6種ある。
改めて内容、種類の多彩さに驚かされた。

これが洋食おがたのスタイル。
お箸とフォークとナイフのカジュアルさ。

これはお通しのキャベツ和風サラダ。


これが洋食屋のポテトサラダ。



京都伏見、山田ファーム春サラダ。



唐津・佐々木さん、じねんじょ いそべ巻。


とれたて桜エビフリット。



静岡サスエ前田さんより 活アジフライレア心揚げ 塩とからし。


京都・丹波、平井牛ヒレ フリット。

熊本阿蘇あか牛とサドルバー豚ハンバーグ100g。


〆のごはんとしてミニカレー。
ごはん茶碗はお好みで大中小、好きなものが選べる。

デザートとして季節のシャーベット「すいか」720円。
おすそ分けをスプーン1杯もらったが、今まで食べたことのないすいかベースで
色々な味が口の中で複雑に広がっていくすごく絶品シャーベットであった。
スミダマンとしては来る前からベースのオーダーは決めてきた。
まずはハンバーグ、そしてその日の仕入れがあればアジフライ。
そして〆にカレーライスの3つ。
その中で圧倒的にすごかったのが活アジフライレア心揚げだ。
ご覧のように揚げたては心がレア色。
しかし徐々に余熱で変わってくる。
これもあえて言えばアジフライなのですネ。
全く別物といった調理法のすごさを体験した。
さらにビックリしたのが牛ヒレ肉のフリット。
そもそもフリットがこんなに素材を引き立てて旨味を出すのか。
これは絶品中の絶品だった。
逆に期待をほんの少し裏切られたのがハンバーグかな。(緒方さんごめんなさい。)
いずれにしてもカウンター内でのオーナーシェフをはじめ、
2名のシェフの真剣勝負の姿、集中力がカウンター越しにヒシヒシと伝わってきて
こちらの肌がヒリヒリするようなすごみを感じた。
オープンキッチンの臨場感のすごさだ。
さらに3名の女性のそれぞれの個性、経験の差はあれ、皆ハートのある対応で、
ディナーに単なる料理の素晴らしさだけでなくプラスアルファの豊かさを加えていただき
満足な時を過ごすことができました。
最後に緒方オーナーシェフさんがカウンターから出てきて、
あたたかい会話ができ感激です。




帰りがけに壁に貼られたチラシを発見。
食材のこだわりがここにも表示され、「おがた」さんの食に対する姿勢を
このチラシでもしっかりと知ることができました。
①からだに優しいおいしい油 こめ油を使用
②お米は京都府綾部市の丹州河北農園のお米を使用
③鹿児島県鹿屋市の「ふくどめ小牧場」の「サドルバック」と「幸福豚」を使用。