2021-8-23付の常寂光寺のブログの最後に
「秋の紅葉シーズンに是非もう一度訪れたいお寺だ」と記していたが、
今回最高の時期に常寂光寺に来ることができました。
江戸後期に作り変えられた山門。
一年中で最も華やかな季節を迎えたことあってご覧のように大変な賑わいだ。
インバウンドの外国の人々大勢秋の京都を満喫していたのも印象的だ。
前回も紹介したが、優しいイラスト付きの境内の案内図。
何となくホンワカした案内でとても味のある図になっている。
反面QRコードを付けて時代の先端を行く案内図の仕上げにもなっている。
山門のところには丁寧にも紅葉のポイントの仁王門、本堂前、庫裡前の紅葉写真が展示されており、
最低ここだけはしっかり見てくださいヨと言っているようだ。
山門を入ると皆一斉に「なんて綺麗なんでしょう!」と
呟いてシャッターを切っている、まさにそんな1枚だ。
山門から仁王門へ向かう参道の紅葉光景。
とりわけ当寺のもみじは太陽の日を受けて素晴らしい。
こちらが仁王門。
もと本図寺客殿の南門として貞和年間(1345~49)に建立されたものを
元和2年(1616)に当山に移築されたものだ。
仁王門から本堂に向かう石段の参道も素晴らしい紅葉が広がり、
足を止めてうっとりと見上げてしまいます。
また本堂から仁王門に迂回する下り坂の紅葉も赤くなったトンネルになっていました。
石段をさらに登っていくと紅葉と竹林のコラボ。
このグラデーションがいいですネ。
やはり竹林は京都が一番似合っている。
詩仙祠あたりから見た多宝塔。
その先に京都市街の風景が急に開けてきました。
この多宝塔は総高約12メートルあまりで均整のとれた美しい姿を示している。
元和6年(1620)8月に第2世通明院日韶上人代に建立されたとされている。
多宝塔は平安時代に密教とともに登場した新しい形式で、
内部には釈迦如来と多宝仏が安置されている。
真っ赤になった敷き紅葉があれば、真っ黄色の敷き紅葉もある。
それぞれ風情があって夢心地の世界へ誘う。
鐘楼の鐘をやさしく取り囲むように美しく色づいたもみじ。
もみじの下でゆっくり休む人も優雅に見えてきます。
庫裡の前の階段のところで立ち止まり何度も紅葉を見上げていた外国人女性がとても印象的でした。
庫裡のところの階段を下りてさらに末吉を下りたところの斜面に
見事な苔と枯れ落ちたもみじの葉のグラデーションの美しさは息を呑むようでした。
再度山門の陽に輝いた紅葉をアップしました。
常寂光寺の紅葉は噂には聞いていたけど実際に見るとはやりすごかったです。
最後になってしまいましたが、常寂光寺の歴史について記してみます。
当寺は右京区嵯峨小倉山にある日蓮宗の寺院。
山号は小倉山。
本尊は十界大曼荼羅。
平安時代に藤原定家の小倉山壮「時雨亭」があったと伝わる地です。
安土桃山時代末の文禄5年(1596年)に小笠原秀政の母で日野輝資の養女である
延寿院が開基となり、日蓮宗大本山本図寺第16世日禎の隠棲の地として当山を開いた。
その常寂光寺土のような風情から常寂光寺の寺号が付けられたとされる。