語る、シェフ

小さなレストランのオーナーが、日々の出来事を語ります。

  井川ダム

2011-08-30 00:19:37 | Weblog
長島ダム駅を出て、列車はトコトコと、本当にゆっくり走って行きます。
車だと、すぐ着いてしまう距離を、1時間近くかけて走って行きます。
終点に近くなると、ますますトンネルが増えていき、
ところどころにある橋から、もう細くなっている大井川を覗くと、吸い込まれそうです。

それにしても、いくらダムを作る為とはいえ、
こんな険しい山奥に鉄道を引くなんて、まったく人間とはすごいです。

   

    橋の下を覗く・・・写真だと伝わらないなぁ~・・・たぶん。


そんなことを考え、雄大な景色に見とれながら、トコトコと列車に乗っていると、
「閑蔵」という、終点の一つ前の駅で団体さんが降りていきました。
とても何かありそうな駅には思えなかったので、井川駅の着いた時、
駅員さんに聞いてみると、「閑蔵」には何も無いけれど、そこまで大型バスが入れるとの事。
団体さんは、そこからバスで帰るのだろうと・・・言っていました。
 
とは言っても、井川駅の周辺もダムと井川展示館というダムの資料館ぐらいしかない。
駅に、おばさんとおじさんでやっている土産物屋があるのだけれど、
ダムに行くには、絶対前を通らなければならない。だけど・・・すご~く怪しい。
たぶん江戸時代ぐらいからやってるんじゃないかという、怪しさだ。
キーホルダーは、錆びているし、ほとんどのものは、たぶん・・・江戸時代のものだろう。
もちろん冗談だが、それほどすごい。(笑)
お茶をご馳走してくれたのだけれど、「ごちそうさま」だけで、通過させてもらった。

とにかく僕たちは、ダムまで行ってみることにしたのだが・・・ダムだった。
なんか、メチャクチャ大きいという訳でもなく、
素人からすると、「これでも発電できるんだ。」って感じでした。

とりあえず、井川湖の見渡せる、椅子とテーブルがある場所を見つけ、
来る時にコンビニで買ってきた、パンを食べる事にした。
あいにく台風の影響で、湖の色は灰色だ。グリーンだったらさぞかしキレイだったろうに・・・。
そうそう、湖には渡し舟が運行していて、湖の中腹の井川村まで行ける。
もちろんバスもあるのだが、1日に何本しかなかった。
まあ、船も同じ様なものだったと思ったが・・・。
しかし、なんと、船は無料なんです。
僕たちが船着場に行った時、ちょうど出たばかりで、
もし、お茶なんて飲んでいなかったら、乗って井川村まで行ったのに・・・。
残念でした。

しかし、後で展示館に行って、ダム建設で井川村の一部が水没した事を知って、
ダムが出来る前から、村があったって事は、いったいどうやって生活していたんでしょう?
建設前には、もちろん鉄道も無かっただろうし、車だってそうは無かっただろうし、
今みたいに、道だって整備されてなかった訳でしょう?
すごい!!今だってじゅうぶんすごい山奥なのに、信じられない。
再び、人間てすごいな・・・と。

まあ、井川ダムでは、お昼ご飯を食べて展示館を見学するくらいしかやる事も無く、
帰りの列車の時刻まで、ちょっと、手持ち無沙汰でした。

つまり、長島ダムで予定通りの列車に乗っていたら、
時間を持て余しちゃったかも・・・って事です。
 
  
帰りの列車も、相変わらずコトコトと山の間を縫って走って行きます。
いつまで見ていても飽きる事の無い、素晴らしい景色です。
ずっと見ていると、自分が景色の中の一部になってしまったような錯覚にとらわれます。
そして、列車はまたいくつものトンネルをくぐり抜け、だんだん下へと降りていきました。

   それでは、また。