思考の部屋

日々、思考の世界を追求して思うところを綴る小部屋

備え

2005年07月01日 | 風景
 昨日から東海地方は雨である。今日は更に強い降りとなった。場所によっては大雨警報が出ている。
 東名高速道路も大型トラックの後につく雨露が霧のように舞い上がり視界が悪くなりそのたびに車線変更をした。安全第一である。

 東名も御殿場までで大月経由で帰路に着いたが、伊豆半島が近くなり、太平洋を見ると思い出す人物がいる。幕末前半に生きた萩藩の吉田松陰である。

 安政元年正月14日アメリカ艦隊は2度目の日本である。3月3日には日米和親条約が締結され、下田と函館を開港することになった。
 幕府の弱腰に悲憤慷慨したのが、攘夷派の者たちである。日米開戦を予想していただけにこの幕府の弱腰は、倒幕への草莽の志士の結集を早めた。その中で特筆なのが松陰である。
 当初親友の宮部鼎蔵とアメリカ政府の使者ペリーを切り捨てようとの計画を立てたが条約の締結という状況から、幕府の鎖国解除も間もなくあると考え、それまでに国内の防備体制の充実を図らなければ、アヘン戦争の清国のようになる。まず敵を知ることが先決とアメリカへの渡航を考えるのである。
 鎖国の状況下の渡航は、御禁制破りの大罪である。

 気概だけで敵を倒すことは、愚かである。対策という備がなければ簡単に倒れてしまう。

 災害対策、経済的な危機に対する対策、犯罪対策等の国としての備えも当然だが、己の人として生きるための備えも当然必要である。