尖閣諸島で海上保安庁はどんな警備をしているか。中国の監視船が領海を航行する状態が日常化しているが、領海を無害に航行しているだけでは領海侵犯にならない。退去は要求できる。海上保安庁による防衛網は2段構えになっている。尖閣沖22キロの領海線に沿って、大型巡視船を多数配備している。小型の高速巡視艇が間を埋めている。中国船が領海に入ってきたら1対1でマークして退去を呼び掛け並走する。海保には約450隻の船があり、外洋向けは約120隻で、尖閣諸島警備に約50隻をさし向けた。しかし、中国漁船が多数押し掛けると対応できない。1978年には100隻以上の中国漁船が押し寄せてきた。1996年9月には香港の活動家の船が領海に入った。10月には香港、台湾の抗議船約40隻が押し寄せ、4人が上陸した。2004年にも7名が上陸した。2010年9月には、巡視船が中国漁船に体当たりされた。2012年9月の尖閣国有化以後は漁船ではなく中国の監視船が領海に入ってくる。監視船は巡視船と同じぐらいの大きさで、ヘリコプターを搭載する4000トンクラスの船もある。中国海軍も出動していて、2013年1月には海上自衛隊のヘリコプターや護衛艦をレーダー照射し、攻撃姿勢を示した。軍艦には護衛艦で対応する。巡視船は機関銃しか装備していないので、回避する。軍艦には立ち入り検査できない。いろいろな制限の中で尖閣諸島を警備しなければならない。