テレビで「夜と霧」という本を紹介していた。第二次大戦中のナチスのアウシュビッツ収容所での日々をフランクルが書き残した。ユダヤ人が街から追い出されて集められ、収容所に鉄道で送りこまれる。ユダヤ人を行列させて、ナチスの将校が強制労働に使える人とガス室で殺す人を選りわける。選別する将校の手の指が右をさすか左をさすかでその人の運命が決まる。生かされた人も強制労働で疲れ果てて、無気力、無感動になる。自殺しようと考える人も増える。フランクルは希望を持てと言って、自殺しようとする人を止める。収容所を出れば待っている子供がいたり、書かねばならない論文があると思うと生きる意欲がわいてくるという。会社で強制労働させられている人や、仮設住宅で不安な日々を送る人の助けになる本かもしれない。