長年付き添っていた夫から離婚を迫られた女性がふとしたことから高校生にタイムスリップ。なーんて、大林伸彦そのものじゃないか、これを見ないで済まされようか、と映画館へ、、。
ということで今や懐かしハイティーンに戻るわけだが、若き日の夫も出現し、、。不思議とこのお二人は容姿が現代のままスリップしていて、別にその設定は構わないけど、いわゆる世にいうフレッシュなカップルじゃなく(言いづらいが)、そのためだ . . . 本文を読む
全般に抑制の効いた作品だと思う。底辺にうごめく人権侵害も、戦争犯罪も、大仰でなく淡々と切実に訴えている。名画を介して、ある一つの家族の没落と再生を奏でている。実に見事である。
実際に自分がそこに入り込む回想シーンが実に素晴らしい。そこには少女時代の思い入れや家族の肖像がふんだんに満ち溢れている。今は亡き親のことなどを思うとき、僕もそういう郷愁の思いも分かる年代となってきた、、。
裁判光景も実に . . . 本文を読む
冒頭のメキシコシティのカーニバルの盛り上がり。続く長いカメラワークからボンド登場で、あのアクションシーン。やはり度肝を抜きます。娯楽大作はこうでなきゃね。その意気込みが十分観客に伝わります。
少々お年を召したレイフ・ファインズも最後は元気を取り戻すし、今だ美貌を維持するモニカ・ベルッチの妖艶さもなかなかのもの。彼女の発するセリフも素敵でございました。なかなか顔を出さないスペクターことクリストフ・ . . . 本文を読む
大好きなシリーズ。それにしても随分大森署長の在籍が長いなあと竜崎を心配しつつ、今回も一気読み。それだけダントツに面白い小説である。
短編集なのだが、竜崎の魅力は健在、そして魅力満載である。何がいいのかって、今は僕も仕事をしていないが、サラリーマン生活をしていたとき、とても人生の励みになった記憶がある。竜崎のぶれない仕事ぶりが理想的過ぎるとはいえ、素敵だ。身震いするほどだ。
今回は、でもちょっと . . . 本文を読む
パリ、マレ地区。最近テロのあった地区でもある。今年春にたまたまここに10日間居留した。そしてこの映画。何となく僕には因縁のようなものも感じます。
映像に出てくる街並みはまさにマレである。つい最近のことなのに懐かしい。あの、決してきれいではないセーヌ川を何度訪れたことか、、。映画に戻ります。
ここでは聞き慣れないヴィアジェという不動産取引用語が前半の中心話題となる。何億という遺産を期待した初老の . . . 本文を読む
東京での友人たちとの、いわば少し早い忘年会を二夜続けて(相手は違うが)行った。毎年行っているもので、そう珍しくはないのだが、今年は春に仕事を終えているので、心情的にまた少し違った感触を伴うものとなった。
全く気を使うことなく服装も普段着。というか、いつもスーツ姿だったのだが、今回は私服なので逆にどんな格好で行こうか、急に寒くなったこともあり、考えてしまったのだ。ある程度買い込んではいたのだが、結 . . . 本文を読む
若い青年4人のコメディである。題材は卑近なものである。電車で座っている若者二人にガキが悪さをする。母親はまあ普通の母親である。子供の悪さはエスカレートし、とうとう裁判沙汰になる、、。
もう一つの話はその裁判後の逸話であるが、映画「セッション」からのパロディである。これが見事。奔放に、彼らのエネルギーを爆発させる。床たる土台を二人で持ち上げられても、なお且つ、斜めになった舞台で男二人は激しく太鼓を . . . 本文を読む
舞台が始まり5分もすると、この劇が一流の研ぎ澄まされた純度の高いものであることが分かる。出演者は女一人男二人の三人劇。ふとしたことで3人が高校卒業以来に出会う。その時彼らは女精神科医、フリーライター、おかまとそれぞれ大人の歳月を重ねて来た。
フリーライターが自分以外の自分がいることを感じ始める。そして女医に相談する、、。
実に面白い。膨大なセリフ。後半になるとまさに芥川龍之介の要するに藪の中。 . . . 本文を読む
芸達者な面々が10人ほど。そして彼らはだいたい一人3人程度の役を受け持つ。戦争を体験し、かれこれ50年。2時間の長尺。
ナンセンスコメディなんだけど、でもこれもやはり人生なり。そんな重みもあります。みんな若く躍動感もある。観客席も若く、一体感も生まれている。
演劇っていいなあ。彼らが、僕らが、何かもがいている。頑張っている。それを見る。確かめている。その時間の共有。至福、、。 . . . 本文を読む
孤島における殺人事件、という触れ込みではあるが、肝心の殺人が中盤近くまで発生せず、その間アニメおたくのイベント話に費やされる。はっきり言って珍しく途中でやめようかと思ったぐらい。でも、ま、どうにか事件は起こり謎は膨らむが、、。
従来の石持からするとやはり全体に軽い気はする。題材がというのではなく、登場人物の掘り下げ方、謎解きの軽薄さ、殺人動機の曖昧さなど、かなりファンとして追いていけない部分も多 . . . 本文を読む