ノーランって最初の頃「メメント」で売り出した人ですよね。「インセプション」といい、時間軸迷宮が好きなんだ。するとどうしても「2001年宇宙の旅」「未知との遭遇」「フィールドオブドリーム」が気になってくる。やりたくて仕方なくなってくる。
でも肝心の宇宙ものにしては映像では「ゼロ・グラビティ」の足元にも及ばない。テーマとしては「2001年~」に全然近づけない。3時間も映画を見させておいて、ロケットに乗る目的は家族のために、人類のためにか、なーんて、えらく卑近な命題を持たせてつまらない、なんて思っちゃう。
ノーランは今僕の一番のお気に入りだ。何ていうか、とてつもなくすごいことを映像で表現する映画作家だ。映画という最新の武器を使って娯楽を哲学化したり宇宙観を広げている。ずっと躍動してた。楽しみだった。何かいつも見ていて僕をわくわくさせた。
それがこの映画には欠けている。ノーランの映画だと言えるものがない。やはり冒頭で挙げた先人は気にせんでいいのではないか。才能有り余る人なんだからもっと豊饒なノーラン独特の世界を構築してくれ。それが唯一の僕の希望です。
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