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平穏 (1976/ポーランド)(クシシュトフ・キエシロフスキー) 75点

2010-06-30 15:04:24 | 映画遍歴
まだ連帯のような政治を意識した思想映画でもある。ショットの一つ一つに【キェシロフスキ】の魔法がすでに見えている。

平穏とは無事平和、これこそが人間の一番の幸せだあると言っている。けれども人間は今そこにあるこの平穏さを幸せとも感じない。退屈だと思う人もいる。何もないということの溢れるような幸せを亡くして初めて人は幸福を想う。

政治性を追求しているテーマなので【キェシロフスキ】としてはまだ堅いが、人物の造形、モノローグ等の演出にはすでに別格の感がするほどすべらかで人間洞察に深い彼の野心が見えている。特に冒頭の刑務所シーンは短いけれど秀逸。

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