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ウォーロード 男たちの誓い (2007/中国=香港)(ピーター・チャン) 65点

2009-05-22 10:36:05 | 映画遍歴
通常の戦記ものでも随分時代性を感じるなあと思っていたら、明治維新直前ぐらいの時代背景であり、『レッドクリフ』などとは較べることが出来ないぐらいむしろ現代に近い時代の話である。

アヘン戦争以来の清国の内乱を描いているわけだが、思想的理由で体制側についているわけではない賊軍が体制の中枢に成長(?)する過程を描いたエンターテイメントである。

この初動説明がいまいち明瞭でない。何故彼らは闘っているのか。何故体制側一将軍が賊軍を引率しているのか、何故彼らと義兄弟の投名状なるものを誓ったのか映像からはこちらに伝わってこない。

大義名分のない戦争ほど空しいものはない。一応敵となる太平軍はキリスト思想を土台に身分上の自由を唱え上げた集団であった。この説明部分を完全に抹消しているから映画自体は架空の戦場絵巻にしか見えない。

まあ、いろいろ言いたいことはあるが、面白かったのは戦争で一番必要なのは作戦でも闘将でもなく、まず食料と武器の安定的供給だと言っていることである。映画では食料がないからという理由で約束を反故にしてまで、4千人の捕虜となるべき兵士を虐殺する。

ある意味これは正しい。太平洋戦争末期でも日本軍の敗退は食糧補給の断絶と疫病だという人もいるぐらいである。(勿論それが充当されていても勝利できたとは思わないが、、) 数ある戦争映画でも食料の補給を重要視した映画はあまり見なかった。その視点はいい。

でも、見所はその辺りぐらいで他は平凡かな。不義密通のハナシが色を添えるがくらくらするほどでもないし、、。俳優的には3人とも秀逸な演技で見ごたえはある。

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