最近青山の作品は見ていなかったので、気になり拝見。随分と我々市井の現実からは遊離した世界のお話でございます。
感覚的には今の若い方の脳裏にはこんな心象風景が漂っているのでしょう。40階の高層住宅に住むということに空(くう)を捉えること、人気俳優との自然な成り行き恋愛で生身の生を感じようともがくこと、人が、ペットが死ぬということでのふとした人生空虚感、、これらが淡くごく自然体に語られる。
でもすべてうわっぺらだけのお話。現代人のふとした夢想を漂わせた映像が続く、、。
反対に言えば、これだけのつまらないお話を2時間しっかり見せてくれた青山の演出力はやはり大したものだと思う。断片を散りばめただけのお話かもしれないが、人生ってそういうものの上に築かれているのも事実。馬鹿にはできないのだ。
いわば純文学的なお話と採って、僕は随分と魅せられました。叔父夫婦の主人公との掛け合いが興味深く、それが恐怖と化してゆくところはとても興味深かった。俳優は主人公と対角的に芯となる岩田剛典が魅力薄でこの作品が空回りする原因となす。
個人的には2時間じっくり見せてくれた持続性からも加点します。まだまだ青山やれるねえ。
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