名探偵の証明 （2013）（市川哲也・東京創元社） 75点

名探偵となるとこちとら気になって仕方ないんだよねえ、、。結構日本でもいろんな人が名探偵シリーズを書いているが、意外と駄作が少ないんですよ。名探偵というからにはかなり労力をかけているんでしょうなあ。

この作品、まあ展開そのものは変わっている。次から次へと事件が起こる。まるで短編集の集まりみたいだ。ところがベースの事件には最後にあっと驚く仕掛けが用意してあった、、。

と、こう書けば一気読みのミステリーなんだが、如何せん読み物として書けていないんだよなあ。ミステリ－といっても人間が書けていないと小説にはなりません。一字ずつ活字を追い続けるのが正直途中で面倒くさくなる時もありました。でも頑張った。

まあ、著者の読者を面白さで釘付けにしようとするその熱意は買う。でも、トリックも読んでいてちょっといくら何でもだよなあ、、。鮎川哲也賞も変わってきたのだろうか。

でも読んでいて退屈ではない。何せ処女作なんだからまだまだ見捨てられない。才能がないではない。