セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 74本、 演劇 45本

永遠の0 (2013/日)(山崎貴) 75点

2014-01-06 13:05:50 | 映画遍歴

原作を読んでいない。ただ膨大な人が読んだというベストセラーだということは知っていた。内容がゼロ戦といっても終戦時ののカミカゼ特攻の話なのに、なぜあれほど売れたのかそれが僕には不思議だった。

映画の方も結構硬派のシーンが多く、意外と(山崎にしては)家族そろってという感じじゃないなあと思っていた。この予感はラストまで続くのだが、最後の最後に来てあっと驚く仕掛けが施してあった。なるほど、これかあ、でもなあこのトリックだけで300万部は行かないだろう、て、、。

そして映画を見終わってもこの本が売れた理由は最大の謎であった。実に地味な話なのである。敢えて現代と通じるものがあるとすれば、主人公が「家族のため」自死することなのだが、でもどうも小説的過ぎるかなあとも思った。

この作品はミステリーで言うところの「謎出し、その解答」といういわば定番のスタイルを採っている。岡田はなぜ特高に志願したのか、そしてそこに何を画したのか、というテーゼである。

確かにミステリー好きの僕にもあっと驚かせるいわばこれは完全などんでん返しのスタイルでもある。だからベストセラーになったのかなあ、、。

いや、いかん、映画のことにほとんど触れていないじゃないか。

思ったよりCGとか立派でした。日本映画にしては戦闘シーンなんかもチープな感じはしなかった。技術とそしてやはり金かなあ。戦争ものはやはり金をかけないとなあ。

作品内容に戻ると、井上真央がヤクザに脅かされているという話に実感が感じられなかった。軍人の妻がなんで? けれど、これを簡単な説明だけで処理しちゃうなんて、と思ったら、考えたらこの映画、他にもこういう説明だけで片づけているのが多いんですね。

一つだけ俳優の序列を感じたのが、 山本学平幹二朗。何故逆じゃないんだろう。平幹二朗 のあの役柄はもったいない過ぎる。うーん、考えちゃう。

もう一つ、文句出し。

冒頭の祖母の葬式で初めて祖父と血がつながっていないと知る三浦。でもそれはどう考えてもおかしい。20数年、一緒に生きて来てそんなことを家族が知らないはずがない、と思う。

でも、なんだかんだ行っても2時間強、この映画、退屈しなかったのも事実です。この地味な戦争話で、それは立派です。水準を行っている映画だと思います。夏八木勲最後の作品だしね。娯楽作品としては十分な出来だと思うよ。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« リカーシブル(米澤 穂信 新... | トップ | 清須会議 (2013/日)(三谷幸... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画遍歴」カテゴリの最新記事