デイナ・スティーブンス『That Nepenthetic Place』(Sunnyside、2010年)を聴く。
Dayna Stephens (ts, EWI)
Taylor Eigsti (p)
Joe Sanders (b)
Justin Brown (ds)
Ambrose Akinmusire (tp)
Jeleel Shaw (as)
Gretchen Parlato (vo)
スティーブンスのテナーは「江川の剛速球」、余裕すぎてあまりにもスムース。もう少し周辺世界との摩擦や軋轢を生じてくれたほうが好みではあるけれど、凄いものは凄い。ジャリール・ショウのアルトの影がまったく薄くなってしまっている。
実は本盤を入手したのは、アンブローズ・アキンムシーレのトランペットと、かれのリーダー作に参加しているジャスティン・ブラウンのドラムスを聴きたいからでもあった。アキンムシーレの理知的なソロはもちろん良いが、全曲で叩いているブラウンの異次元ぶり。重力をまったく感じさせず同時に無数の方向から音が飛んでくるという点で、『はじめの一歩』の板垣である。ぜひ一度はナマのプレイを観てみたい。
●参照
デイナ・スティーブンス『I'll Take My Chances』
デイナ・スティーブンス『Peace』
ジョン・エイベア@The Cornelia Street Cafe(デイナ・スティーブンス参加)
テオ・ヒル『Live at Smalls』(デイナ・スティーブンス参加)
トム・ハレル@Village Vanguard(アキンムシーレ参加)
アンブローズ・アキンムシーレ『The Imagined Savior is Far Easier to Paint』
アンブローズ・アキンムシーレ『Prelude』
ヴィジェイ・アイヤー『In What Language?』(アキンムシーレ参加)