Sightsong

自縄自縛日記

テオ・ヒル『Live at Smalls』

2015-02-21 09:07:44 | アヴァンギャルド・ジャズ

テオ・ヒルの初リーダー作『Live at Smalls』(Smalls Live、2014年)。

昨年(2014年)の7月に、ニューヨークのこの「Smalls」で、フランク・レイシーのグループで演奏するヒルも観た。本盤の録音はその2か月少し前だった。

Theo Hill (p)
Dayna Stephens (ts, EWI)
Myron Walden (as)
Joe Sanders (b)
Rodney Green (ds)

そのときにも嬉しくてならなかったことだが、この音楽は、Smallsというハード・バップ系のハコにおいて現代に生きるハード・バップなのだ。熱く、ノリノリで、われもわれもとアッチの方向へ突き進む。もちろん旧態依然としたものではない。「現代の」、である。演奏する者も聴く者もみんなこういうのが大好きなんだろうね。

サウンド全体と同じく、ヒルのピアノも、伝統を受け継いでいるようでいて現代的でもあり、聴いていて快感そのものだ。エネルギッシュでモーダル、気持ちよく転調しまくり、時にマッコイ・タイナーを思わせ、時にハービー・ハンコックを思わせる・・・よく見たら、両者の曲も演奏している。(マッコイやハービーがハード・バップなのかというツッコミは置いておくとして)

ヒルも、アルトのマイロン・ウォルデンも良いが、このセッションにおける白眉はむしろテナーのデイナ・スティーブンスだろう。乾いた音色で軽く、自在に吹きこなしている感じ。なにを今どきと思うのだが、EWIもこのサウンドのなかでカッチョ良く入り込んでいる。

テオ・ヒル(2014年7月、Smalls)

●参照
フランク・レイシー@Smalls(2014年7月)
フランク・レイシー『Live at Smalls』


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