Sightsong

自縄自縛日記

森山威男3Days@新宿ピットイン

2017-01-04 22:49:01 | アヴァンギャルド・ジャズ

年始の休みをいいことに、新宿ピットインに3日連続で足を運び、森山威男3デイズ(2017/1/2-4)。

日によってピアニストだけが交代するという趣向である(板橋文夫、山下洋輔、田中信正)。まるで、1977年に(旧)新宿ピットインで「日野元彦と三人のピアニスト」と題された三夜連続のセッションがあり(佐藤允彦、山本剛、板橋文夫)、後日佐藤允彦が参加する形でライヴ録音(日野元彦『Flash』)がなされたというエピソードのようだ。初日、森山さんは「この3日間の結果で、今年お付き合いするピアニストが決まる」と冗談を飛ばしていた。もちろん、もはやそんなことはあり得ないのだけれど。

■ 2017年1月2日

Takeo Moriyama 森山威男 (ds)
Shinpei Ruike 類家心平 (tp)
Tetsuro Kawashima 川嶋哲郎 (ts) 
Fumio Itabashi 板橋文夫 (p)
Hiroaki Mizutani 水谷浩章 (b) 

ファーストセット。森山・板橋デュオで、童謡を吹き込んだ新譜『おぼろ月夜』から、「赤い靴」、「ふるさと」、そして「海」に続き、板橋文夫の名曲「わたらせ」が始まると、拍手が起きる(なお、わたしは曲が始まったところでの拍手は「知っているぞ」的な周囲へのアピールとしか思えず、好きではない)。クインテットとなり、「花嫁人形」。

セカンドセット。「Exchange」、「Alligator Dance」、「Rising Sun」と板橋曲、「Hush A Bye」、デュオになって、またも板橋文夫の名曲「Good Bye」。

川嶋哲郎のテナーは久しぶりに聴いたが、低音をこけおどしかというくらいに活かして淀みなくソロを吹き切るスタイルだった。類家心平のソロは変化球を堂々と投げ込む感覚で好きだ。そして板橋文夫の常軌を逸した愉悦は健在。個人的にはこの日のMVPは水谷浩章のウッドベース。普段のエレキでも同じだが、水谷さん独特のグルーヴがあって嬉しくなってしまうのだ。

それで森山威男御大はというと、直前に腰を痛めたらしく、そのせいか、全身でジャンプするような叩きっぷりが影を潜めていた。まるで上半身のみに頼っているようだった。もちろんそれでも十分に素晴らしいのではあるけれど、真の森山威男ではなかった。

ここまで板橋さんの曲と、板橋さんとのデュオで吹き込んだ童謡ばかりを演奏したということは、翌日以降はまた別の選曲になるはずだ。

■ 2017年1月3日

Takeo Moriyama 森山威男 (ds)
Shinpei Ruike 類家心平 (tp)
Tetsuro Kawashima 川嶋哲郎 (ts) 
Yosuke Yamashita 山下洋輔 (p)
Hiroaki Mizutani 水谷浩章 (b) 

ファーストセット。森山・山下デュオで「ボレロ」と「シャボン玉」。てっきり、腰を痛めたばかりの森山さんにとって負担の少ないドラミングなのかなと思っていたのだが、続く「キアズマ」ではクインテット編成となり、乗ってきた。類家さんが「キアズマ」を吹いているということが妙に不思議。 

セカンドセット。やはり山下トリオ時代の曲「ミナのセカンド・テーマ」、続く「Hush A Bye」では水谷さんのベースソロが良かった。そして「Sun Rise」での類家心平の素晴らしい、素晴らしいソロ。アイデアも勢いも抜群である。

うなると山下さんも暴れまくり、やはり聴きにきて良かったと思うのだった。最後は「Good Bye」。この板橋文夫の曲を山下洋輔が演奏することは珍しいようで、さすがの分解再構築を見せた。

森山さんは依然として腰がつらそうだが、演奏では前日よりも調子が戻ってきたようにも見えた。

■ 2017年1月4日

 

Takeo Moriyama 森山威男 (ds)
Shinpei Ruike 類家心平 (tp)
Tetsuro Kawashima 川嶋哲郎 (ts) 
Nobumasa Tanaka 田中信正 (p)
Hiroaki Mizutani 水谷浩章 (b) 

ファーストセット。森山・田中デュオで「Danny Boy」。森山さんは腰が痛そうで、すぐに他のメンバーを呼んでクインテットとなった。もっとデュオで演奏するつもりだったのではなかろうか。「Forest Mode」「Your Son」と佐藤芳明の曲を2曲、特に前者では類家さんのソロがいきなり熱い。そして「My Favorite Things」、川嶋さんのソロはまるっきりトレーンである。 

セカンドセット。「Alligator Dance」では類家心平の独創的なソロがあり、それを受け継ぐように、田中信正が切れたように激しいソロを弾いた(それでも品があるので不思議なものだ)。「Gratitude」を経て、いつもの「Sun Rise」、「Hush A Bye」。アンコールに応えての「Good Bye」では、イントロの田中さんのピアノがエキセントリックでも美的でもあって、この曲では聴いたことがないようなもので、素晴らしかった。そして、類家さんのトランペットは抑えた音色で、この人ならではのものだと思うのだが、この3日間ではさほど目立たなかったような気がする。それだけテンションが高い状態だったということか。

水谷さんのグルーヴはこの日も個性的で目立ちまくっていた。森山さんは3日間身体が辛そうで、最後まで、跳躍しなかった。次回の爆発に期待。 

●森山威男
森山威男@新宿ピットイン(2016年)
ペーター・ブロッツマン+佐藤允彦+森山威男@新宿ピットイン(2014年)
森山・板橋クインテット『STRAIGHTEDGE』(2014年)
ペーター・ブロッツマン+佐藤允彦+森山威男『YATAGARASU』(2011年)
『森山威男ミーツ市川修』(2000年)
森山威男『SMILE』、『Live at LOVELY』(1980、90年)
松風鉱一『Good Nature』(1981年)
内田修ジャズコレクション『宮沢昭』(1976-87年)
宮沢昭『木曽』(1970年)
見上げてごらん夜の星を
渚ようこ『あなたにあげる歌謡曲』、若松孝二『天使の恍惚』

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