Sightsong

自縄自縛日記

『アマミアイヌ』、マレウレウ『mikemike nociw』

2020-04-05 13:51:19 | 北海道

『アマミアイヌ』(Chikar Studio/Tuff Beats、-2019年)はなかなか驚きのメンバーである。何しろ奄美の朝崎郁恵、アイヌ音楽からはRekpo(マレウレウのリーダー)、KapiwとApappoの姉妹、トンコリのOKI。さらに2004年に亡くなった安東ウメ子の声のサンプリング。

ヴィブラートなどというものを一万倍も逸脱した朝崎郁恵の外れた声を聴くたびに、脳を揺さぶられるような動揺を覚えるのだが、これがアイヌの曲に入り込み、何人もの独立しつつ手をつなぎつつ立ち上がる声と重なり干渉する。ときにトンコリの音が聴こえると、それはまた別次元のものとして驚く。

沖縄とアイヌということであれば、長く続く中野のチャランケ祭もあるし、OKI meets 大城美佐子『北と南』という素晴らしい成果もあった。だがチャネルはそれにとどまらない。奄美の歌声を、朝崎さんのみならず他の唱者の参加にも拡張したらどうなるだろう。

改めて、同時期にリリースされたマレウレウ『mikemike nociw』(Chikar Studio/Tuff Beats、-2019年)も聴いてみると、常に声と声とのずれを生じさせながら、静寂の中からぬっとおもしろくも奇妙でも懐かしくもある貌をみせるコーラスのおもしろさが、なおさら感じられる。

朝崎郁恵 (vo)
Rekpo (vo)
Kapiw & Apappo (vo)
OKI (tonkori)
安東ウメ子 (vo)
etc.

rekpo, hisae, mayunkiki, rimrim (vo)

●アイヌ
マレウレウ『cikapuni』、『もっといて、ひっそりね。』(2016年)
MAREWREW, IKABE & OKI@錦糸公園(2015年)
OKI DUB AINU BAND『UTARHYTHM』(2016年)
OKI meets 大城美佐子『北と南』(2012年)
安東ウメ子『Ihunke』(2001年)
『今よみがえるアイヌの言霊~100枚のレコードに込められた思い~」』
新谷行『アイヌ民族抵抗史』
瀬川拓郎『アイヌ学入門』
植民地文化学会・フォーラム「内なる植民地(再び)」
新大久保のアイヌ料理店「ハルコロ」
上原善広『被差別のグルメ』
モンゴルの口琴 

●参照
朝崎郁恵@錦糸公園(2015年)
西沢善介『エラブの海』 沖永良部島の映像と朝崎郁恵の唄


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