Sightsong

自縄自縛日記

アイヌの美しき手仕事、アイヌモシリ

2020-11-21 19:09:20 | 北海道

日本民藝館の展示『アイヌの美しき手仕事』を観てきた。

刀や煙草入れなんかの造形もそうだけど、幾何学模様のアップリケが施された衣装にすごく惹かれる。角をちょっと鋭角にした迷路のような形も、渦のような丸い形もある。ちょっと立体的。木綿と染色の自然の力もあるのだろうね。アボリジニのエミリー・ウングワレーを思わせるところもあったりして、つまり、生活とか強く内的なところからくる表現はびっくりするほど突き抜けている(って、柳宗悦にしてやられている)。

明後日の23日まで。割と混んでいるので朝早めにどうぞ。

そのまま渋谷のユーロスペースまで歩いて、映画『アイヌモシリ』(福永荘志監督)。

阿寒湖の集落に住むアイヌの少年が自分のルーツを受け入れていく物語。妙にドラマチックだったらイヤだなと思ってもいたのだけど、そんなこともなかった。

アイヌの儀礼イオマンテでは、クマを殺して魂を神々の国に返す。このとき「殺す」とも「屠る」とも言わず「送る」と言う。民族儀礼とは言え復活させなければならない類のもので、これを地域の人たちが話し合いながら自分たちのものとして獲得していくありようが面白かった。そこには無理も不自然も生じる(だから、少年は「ありえないし!」と普通に反発する)。「送る」という意識の共有もまた自分たちにとっての再定義ということ。たとえば沖縄久高島の祭祀イザイホーだって再獲得・再定義というプロセスなしには実現しないよね。

●アイヌ
アニメ『ゴールデンカムイ』
『アマミアイヌ』、マレウレウ『mikemike nociw』(-2019年)
マレウレウ『cikapuni』、『もっといて、ひっそりね。』(2016年)
MAREWREW, IKABE & OKI@錦糸公園(2015年)
OKI DUB AINU BAND『UTARHYTHM』(2016年)
OKI meets 大城美佐子『北と南』(2012年)
安東ウメ子『Ihunke』(2001年)
『今よみがえるアイヌの言霊~100枚のレコードに込められた思い~」』
新谷行『アイヌ民族抵抗史』
瀬川拓郎『アイヌ学入門』
植民地文化学会・フォーラム「内なる植民地(再び)」
新大久保のアイヌ料理店「ハルコロ」
上原善広『被差別のグルメ』
モンゴルの口琴 


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