マレウレウ『cikapuni』(Chikar Studio、2016年)を聴く。
MAREWREW:
Rekpo
Kawamura Hisae
Mayun Kiki
Rim Rim
マレウレウは、アイヌの伝統歌ウポポを歌う女性コーラスグループ。このアルバムは、2010年に出したアルバムの曲を中心に再録したものだということだ。わたしは去年マレウレウの存在を知ったばかりなので、こうして聴くチャンスが増えるのはとても嬉しい。
彼女たちは、自ら同じリズムでの手拍子を取りながら、シンプルでいて複雑なコーラスを聴かせてくれる。ひとりが基底音となりながら、別の者が他の文脈を持ち込んできて、その複層的な歌を展開する。歌詞はまったく解らないながら、朦朧とする。
『もっといて、ひっそりね。』(Chikar Studio、2012年)は、この4人に加え、OKIがトンコリやムックリの演奏も行い、よりカラフルな音楽だった。歌は、舟漕ぎとか、再会とか、雪解けとか、鯨やシャチとか、物語性が具体的で、聴いていると想像が膨らんでいく。
プリミティヴで聴いているとどこかに連れていかれる『cikapuni』と、親しみやすい『もっといて、ひっそりね。』のどちらも好きである。
●参照
MAREWREW, IKABE & OKI@錦糸公園(2015年)
OKI DUB AINU BAND『UTARHYTHM』(2016年)
OKI meets 大城美佐子『北と南』(2012年)
新大久保のアイヌ料理店「ハルコロ」
上原善広『被差別のグルメ』
モンゴルの口琴