Sightsong

自縄自縛日記

ハン・ベニンク+ウィレム・ブロイカー『New Acoustic Swing Duo』

2020-04-05 16:27:04 | アヴァンギャルド・ジャズ

ハン・ベニンク+ウィレム・ブロイカー『New Acoustic Swing Duo』(Corbett vs. Dempsey、1967、68年)を聴く。

Han Bennink (ds, perc, voice)
Willem Breuker (reeds)

超愉楽の2枚組。1枚目が同タイトルのオリジナル盤、2枚目が発掘録音。このタイトルとか、たぶんげらげら笑いながら付けただろう。

2回通して聴いた限りだが、どちらかと言えば2枚目のライヴ録音の方が好みだ。2曲目の「とにかく糸を切らさずに吹き続ける」ところはコレクティーフのキャラ相似形(大矢内愛史さんはブロイカーのような祝祭型ではないが、意識したことはあったのだろうか)。5曲目のバスクラを使って東洋のダブルリード楽器のような裏声を出し、小節もなんも無視して自分に時間進行を引き寄せた世界を展開する時間なんておもしろくて悶える。

かように、ブロイカーは如何に変な音を真面目な顔で出し続けるのかに挑戦する超人である。しばしば喉を開いて下品な音を出してみせるが、それが表現として祝祭要素にもつながっている。そしてどうしてもヨーロッパ的な印象がある。

一方のハン・ベニンクもやはり超人的に継続する(=継続そのものが超人的だ)。ひとつひとつのパルスが笑いと活力に満ちていて、その全体が大いなるうねりを創り出している。

脳内再生しただけで笑える偉大な音楽。聴いてよかった。

●ウィレム・ブロイカー
ウィレム・ブロイカーの映像『Willem Breuker 1944-2010』
ハン・ベニンク『Hazentijd』(2009年)
ウィレム・ブロイカーの『Misery』と未発表音源集(1966-94、2002年)
ウィレム・ブロイカーが亡くなったので、デレク・ベイリー『Playing for Friends on 5th Street』を観る(2001年)
レオ・キュイパーズ『Heavy Days Are Here Again』(1981年)
ウィレム・ブロイカーとレオ・キュイパースとのデュオ『・・・スーパースターズ』(1978年)
ウィレム・ブロイカー・コレクティーフ『The European Scene』(1975年)
ギュンター・ハンペルとジーン・リーの共演盤(1968、69、75年)

●ハン・ベニンク
ICP+Waterlandse Harmonie@アムステルダムBimhuis(2019年)
ハン・ベニンク『Adelante』(2016年)
ハン・ベニンク@ディスクユニオン Jazz Tokyo(2014年)
ペーター・ブロッツマンの映像『Soldier of the Road』(2011年)
ハン・ベニンク『Parken』(2009年)
ハン・ベニンク『Hazentijd』(2009年)
イレーネ・シュヴァイツァーの映像(2006年)
ハン・ベニンク キヤノン50mm/f1.8(2002年)
ハン・ベニンク+ユージン・チャドボーン『21 Years Later』(2000年)
エリック・ドルフィーの映像『Last Date』(1991年)
ICPオーケストラ『Bospaadje Konijnehol』の2枚(1986-91年)
レオ・キュイパーズ『Heavy Days Are Here Again』(1981年)
レオ・キュイパーズ『Corners』(1981年)
ペーター・コヴァルトのソロ、デュオ(1981、91、98年)
デレク・ベイリー+ハン・ベニンク+エヴァン・パーカー『Topographie Parisienne』(1981年)
アネット・ピーコック+ポール・ブレイ『Dual Unity』(1970年)
ウェス・モンゴメリーの1965年の映像(1965年)
ミシャ・メンゲルベルク『Driekusman Total Loss』(1964、66年)


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