松濤美術館の「アイヌの装いとハレの日の着物」展では眼が悦んだ。アットゥシは樹皮衣であり織り目が粗い。ここに外来の木綿衣が入ってくると、見るだけで、木綿の布に包まれて柔らかい肌触りを感じるように思えたのが新鮮だった。つまり布とは生活の中の手仕事でもあり、それに接する身体感覚とのコラボレーションでもある。そしてアットゥシがなにも劣っているわけではなく、木綿のパッチワークとの組み合わせで敢えて粗く織られてもいるというのだった。こうなると異なる布によるコラボレーションか。
反芻していて沖縄の芭蕉布を思い出した。アットゥシの樹皮と違い、芭蕉布は多年草のバショウから作られているけれど、固い原皮を剥いで重労働により布にしていくことは共通している。澤地久枝『琉球布紀行』はとても良い本で、大宜味村喜如嘉の平良敏子さんの丁寧な仕事のことも書かれている。いちど喜如嘉の芭蕉布会館を訪ねたときも、平良さんは座って糸を取っていた。声を掛けることはできなかった。今年満100歳を迎えたというからあのときは80歳くらいだったのかな。
ところで松濤美術館の展示には、ロシアの硬貨を装飾に使ったものもあった。かつてアイヌはモンゴルともロシアとも交易していたわけだけれど、その証しが思いがけず目の前にあらわれるのはとても愉快。(このあたりについては、姫田光義編『北・東北アジア地域交流史』や杉山正明『クビライの挑戦』がおもしろい。)
●アイヌ
アイヌの美しき手仕事、アイヌモシリ
アニメ『ゴールデンカムイ』
『アマミアイヌ』、マレウレウ『mikemike nociw』(-2019年)
マレウレウ『cikapuni』、『もっといて、ひっそりね。』(2016年)
MAREWREW, IKABE & OKI@錦糸公園(2015年)
OKI DUB AINU BAND『UTARHYTHM』(2016年)
OKI meets 大城美佐子『北と南』(2012年)
安東ウメ子『Ihunke』(2001年)
『今よみがえるアイヌの言霊~100枚のレコードに込められた思い~」』
新谷行『アイヌ民族抵抗史』
瀬川拓郎『アイヌ学入門』
植民地文化学会・フォーラム「内なる植民地(再び)」
新大久保のアイヌ料理店「ハルコロ」
上原善広『被差別のグルメ』
モンゴルの口琴
アイヌの美しき手仕事、アイヌモシリ
アニメ『ゴールデンカムイ』
『アマミアイヌ』、マレウレウ『mikemike nociw』(-2019年)
マレウレウ『cikapuni』、『もっといて、ひっそりね。』(2016年)
MAREWREW, IKABE & OKI@錦糸公園(2015年)
OKI DUB AINU BAND『UTARHYTHM』(2016年)
OKI meets 大城美佐子『北と南』(2012年)
安東ウメ子『Ihunke』(2001年)
『今よみがえるアイヌの言霊~100枚のレコードに込められた思い~」』
新谷行『アイヌ民族抵抗史』
瀬川拓郎『アイヌ学入門』
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