Sightsong

自縄自縛日記

松丸契+片倉真由子@小岩コチ

2020-02-23 09:38:14 | アヴァンギャルド・ジャズ

小岩のコチ(2020/2/22)。

Kei Matsumaru 松丸契 (as)
Mayuko Katakura 片倉真由子 (p)

これまでに共演はあるがデュオははじめてだとのこと。

スタンダード曲では意外にもスタイルが多様でおもしろい。最初の「Stella by Starlight」では強めのタッチで入るピアノも、エアが多めで擦れて入り、主旋律をなかなかみせないアルトも新鮮。松丸さんのアルトはアプローチを曲によってかなり変えているのかなという印象があった。「East of the Sun」では少し緩めに遅らせて中間音を目立たせたり、「My Shining Hour」ではちょっとアウトさせつつ擦れた音で攻めたり、「Body and Soul」では色っぽいトーンで入り、敢えて細い線を強調したり。「Without A Song」は半分は挑発だからジャズサックスとしてオーソドックスな感もあったり。

一方の片倉さんもさまざまな表現。「I Hear A Rhopsody」でのスインギーな入り方も、主旋律を巧みに取り込んだ構成もみごとだったし、「Body and Soul」での力強さも、自身のオリジナル「A Dancer's Melancholy」でのモチーフの発展のさせ方もとても良かった。

この日の松丸さんについては、ふたりのどちらかのオリジナル曲において、スタンダードでのアプローチの試行とはちがいより確信的なものに聴こえた。最近作って井上銘、曽根麻央といった面々とデュオで演奏したというオリジナル曲では、アルトの音色が芯からふくよかで、微妙な変化や装飾音も入れていて、かなり耳が吸い寄せられる。片倉さんの「A Dancer's Melancholy」ではエアが多く裏声のごとき音。「Parsley Sparsely」ではピアノと同時に始めて手馴れた感じがあった。

最後は素晴らしい「All The Things You Are」。

●松丸契
細井徳太郎+松丸契@東北沢OTOOTO(2019年)
松丸契『THINKKAISM』(2019年)
纐纈雅代+松丸契+落合康介+林頼我@荻窪ベルベットサン(2019年)
m°Fe-y@中野Sweet Rain(2019年)
SMTK@下北沢Apollo(2019年)

●片倉真由子
片倉真由子『Ruby, My Dear』(2019年)
片倉真由子@Body & Soul(2019年)
レイモンド・マクモーリン@六本木Satin Doll(2019年)
ジーン・ジャクソン@御茶ノ水NARU(2019年)
レイモンド・マクモーリン@御茶ノ水NARU(2019年)
レイモンド・マクモーリン『All of A Sudden』(2018年)
レイモンド・マクモーリン+片倉真由子@小岩COCHI(2018年)
ジーン・ジャクソン・トリオ@Body & Soul(2018年)
北川潔『Turning Point』(2017年)


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