Sightsong

自縄自縛日記

キース・ティペット『The Nine Dances Of Patrick O'Gonogon』

2018-05-03 10:45:40 | アヴァンギャルド・ジャズ

キース・ティペット『The Nine Dances Of Patrick O'Gonogon』(Diucus Music、2014年)を聴く。

Fulvio Sigurta (tp, flh)
Sam Mayne (as, ss, cl, fl)
James Gardiner-Bateman (as, fl)
Kieran Mcleod (tb)
Rob Harvey (tb)
Tom McCredie (b)
Peter Fairclough (ds, perc)
Keith Tippett (p)
Julie Tippetts (voice, lyrics)

どうやらキース・ティペットが心臓発作と肺炎とで苦しんでおり、本盤の売却収益がすべて本人のもとにいくとある。それもあるし、もとよりティペットは特別なピアニストでもあるから、bandcampでデジタルアルバムを購入した。

あらためて現在のかれの演奏を聴いてみると、プリペアドピアノを駆使し、執拗な低音と轟音の繰り返しによって独自の世界を構築したときのサウンドとは違う。作曲とアンサンブルを重視し、その中で本人のソロも聴かせる形である。かつて、とは言え、1997年に法政大学で、また2003年に新宿ピットインで観たときのそのような姿はあくまでソロなのであり、そんなに昔のことではない(そのあとにも再来日したはずだ)。

むしろ別のティペットの魅力に触れられるというべきか。それに予見をもって聴いたからティペットらしさの記憶との違いが気になるのであって、それなしに接してみれば、曲の中で浮上してくるティペットのピアノはやはり良い。キースと同い年のジュリーも1曲で歌っており嬉しい。

●キース・ティペット
キース・ティペット@新宿ピットイン(2013年)
キース・ティペット+アンディ・シェパード『66 Shades of Lipstick』(1990年)
ルイス・モホロ+ラリー・スタビンス+キース・ティペット『TERN』(1982年)
キース・ティペットのソロピアノ(1981-94年)
キース・ティペット『Ovary Lodge』
(1973年)


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