石田幹雄『時景』(GAIA Records、2017年)を聴く。ようやくライヴ会場で入手した。
Mikio Ishida 石田幹雄 (p)
石田幹雄はいつもそのたびに、新たな言語を生み出す。ドゥルーズ=ガタリふうに言えば新たな数列を創出する。和音のchord、言説やルールの論理が依って立つcodeのいずれのコードをもその場で作りだす。
その状況証拠がライヴでの苦悶し苦闘しながらの演奏だ。この珠玉の、あまりにも美しく、文字通り独自のピアノの音は、それなくしてはこの世で形にならなかった。本盤でも石田さんの声が背後に聴こえてくる。定さんが「彼がどれほど苦しげに音を絞り出しているか、一つの音を生み出すためにどれほど全身全霊を傾けているか、その目で確かめてほしい。」と書く通りである(>> JazzTokyoにおけるレビュー)。
どの一部分、どの断面も何にも似ていない。
●石田幹雄
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2018年)
齋藤徹 plays JAZZ@横濱エアジン(JazzTokyo)(2017年)
後藤篤『Free Size』(2016年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2016年)
田村夏樹+3人のピアニスト@なってるハウス(2016年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2015年)
5年ぶりの松風鉱一トリオ@Lindenbaum(2013年)
纐纈雅代 Band of Eden @新宿ピットイン(2013年)
松風鉱一カルテット@新宿ピットイン(2012年)
寺田町の映像『風が吹いてて光があって』(2011-12年)
吉田隆一+石田幹雄『霞』(2009年)
石田幹雄トリオ『ターキッシュ・マンボ』(2008年)