Sightsong

自縄自縛日記

磯部涼『ルポ川崎』

2018-01-02 21:04:11 | 関東

磯部涼『ルポ川崎』(CYZO、2017年)を読む。

本書を手に取ったのは、川崎という街が好きであることや話題になっていたことが理由だが、なんとなく裏面を露悪的に見せてくれるのではないかと無意識に期待していたのかもしれない。しかし、そのようなものではなく、意外にもかなり真面目なルポであり、とても面白い。

川崎には色街があり、貧困があり、不良文化があり、やくざの構造があった(ある)。かれらがその生活から脱出する手段のひとつが、ラップだった(である)。

また、在日コリアンだけでなくさまざまなルーツを持つ人たちが多く集まっている。必然的に、個々のアイデンティティを、自問自答の形でも社会的にも問いなおさざるを得ない。ヘイトデモへのカウンターも、ラップも、そういった違いの数々を吸収し、人々の連帯のツールとして機能したというのである。

ああ、なるほどなあと不意をつかれた。コミュニティの変遷史としても秀逸。


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (24wacky)
2018-01-03 10:09:34
書籍化されていたんですね。Webでいくつかの記事を読んだことがありますが、それ以外の原稿も含まれているのでしょうか?
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Re:Unknown (齊藤)
2018-01-03 10:32:17
大幅に加筆とあります。こんどは川崎で飲みましょうか、、、。
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Unknown (24wacky)
2018-01-03 10:40:32
本を買わないといけないようですね。川崎で飲みましょう。
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Re:Unknown (齊藤)
2018-01-03 11:10:59
1軒目は丸大ホールにしましょう(単に好きなだけ)。土曜日は休みですが。
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