Sightsong

自縄自縛日記

齋藤直子トリオ@壱岐坂ボンクラージュ

2020-09-08 22:54:54 | アヴァンギャルド・ジャズ

壱岐坂ボンクラージュ(2020/9/8)。はじめて来た。出来てからまだひと月である。

Naoko Saito 齋藤直子 (as)
Hiraku Amemiya 雨宮拓 (p)
Tetsuko Kato 加藤哲子 (ds)

齋藤直子さんのプレイを観るのは実に3年ぶりのことだ。本人は音も変わったし楽器も変わったと言う(師匠の松風鉱一さんが使っていたクランポン、1975年の『At the Room 427』、1978年の『Earth Mother』、1981年の『Good Nature』で使ったもの)。確かに目の前で聴くと印象がかなり異なっている。昨年吹き込まれた『点字呼吸の領域』の印象ともちがう。

ユニークな点は楽器との関係ではないかと思える。一方で曲を演奏するために楽器を操る人がいて、他方では楽器の操作自体を前面に押し出す人がいる。これはジャズの曲を演ろうが即興であろうがあまり関係はない。直子さんはどちらでもなく、楽器の操作自体が物語性を孕んでいる。それも持続力が強化され、顎の角度も息の出し方もかなり大きく変化させていて、おもしろい。

雨宮さんはさすがの貫禄で、その時点の音を起点に四方へ音を強く飛散させる。セカンドセットでは左手だけで、ダラー・ブランド『African Piano』を思わせる奇妙な繰り返しの世界を作り、雰囲気を作り出した。加藤さんは音楽の強い足腰としてバスドラムを多用し、上方からはそれに負けないパルスを石礫のように放ち続けた。

この三者の音は不思議にも衝突せず、ときに対話にもなった。

Fuji X-E2、7Artisans 12mmF2.8、XF60mmF.24

●齋藤直子
『点字呼吸の領域』(2019年)
毒食@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2017年)

●雨宮拓
松風M.A.S.H. その3@なってるハウス(2018年)
松風M.A.S.H. その2@なってるハウス(2017年)
松風M.A.S.H.@なってるハウス(2017年)
M.A.S.H.@七針(2016年)
M.A.S.H.@七針(2015年)


さがゆき+高田ひろ子@本八幡cooljojo

2020-09-08 07:40:18 | アヴァンギャルド・ジャズ

本八幡のcooljojo(2020/9/6)。

Peaceful Dreams:
Yuki Saga さがゆき (vo)
Hiroko Takada 高田ひろ子 (p)

いつの間にか「Peaceful Dreams」という名前が付いているこのデュオ、観るのは3度目。空間は狭くても広くても音楽は親密。

冒頭のさがさんのスキャットからピアノが入ってくるところから、既に呼吸が合っていて愉しい。「Early Autumn」を経て「All the Things You Are」では声世界を激しく冒険、驚かされる。「Child Is Born」では高田さんが和音を積み重ね、ときにさがさんは上を向いて「産まれる」という感情を表出する。「Honeysuckle Rose」なんて花の散弾銃である。

「Estate」ではしっとりとして、「Rain, Rain (Don't Go Away)」でのゆっくり歩を進めるピアノと、いろいろな転機のことを思い出すようなヴォイス。

オリジナル「ゆびきり」や「森の生活」での夢見るような世界は、まちがって子供部屋に入ってしまったような感覚。最後の「The Nearness of You」では抱きしめるのはyouではなくme、これもまた独自の世界にぐっと引き寄せるようで良かった。

Fuji X-E2、7artisans 12mmF2.8、XF60mmF2.4

●さがゆき
さがゆき+登敬三@日暮里Porto(2020年)
Fado-mo-two@in F(2020年)
さがゆき+高田ひろ子@中野Sweet Rain(2019年)
広瀬淳二+さがゆき@なってるハウス(2019年)
さがゆき+高田ひろ子@川崎ぴあにしも(2018年)
さがゆき+アニル・エラスラン『Shadows』(2018年)
ファドも計画@in F
(2018年)

●高田ひろ子
さがゆき+高田ひろ子@中野Sweet Rain(2019年)
さがゆき+高田ひろ子@川崎ぴあにしも(2019年)
高田ひろ子+安ヵ川大樹『Be Still My Soul』(JazzTokyo)(2018年)
高田ひろ子+安ヵ川大樹@川崎ぴあにしも(2018年)
有明のぶ子+高田ひろ子+桜井郁雄@本八幡cooljojo(2018年)
高田ひろ子+廣木光一@本八幡cooljojo(2017年)
安ヵ川大樹+高田ひろ子@本八幡Cooljojo(2016年)
高田ひろ子+津村和彦『Blue in Green』(2008年)