下北沢のNo Room for Squares(2020/9/19)。
Junichiro Okuchi 大口純一郎 (p)
Mao Sone 曽根麻央 (tp)
Marty Holoubek (b)
Hiro Kimura 木村紘 (ds)
大評判の曽根麻央を観たくて出かけた。しかも相方は大ヴェテランの大口純一郎。
冒頭の「Prelude」(大口)における和音の寄せては返す波に感嘆させられる。続く「Kyte Flying」(曽根)はピアノのデイヴィッド・ブライアントがカヴァーしていたりもして、確かに本人のトランペットに向いた曲のように思える。コード進行も美しくて複雑で、曲名の通り凧がひらりひらりと角度を変えるように繰り返される。「Minor Coral」(大口)では次第に強度が高まり、マーティ・ホロベックの駆動するベース、木村紘のツボに来るブラシとともに音世界が出来てゆく。ビル・エヴァンスが同じようなイントロを弾いたということで曽根さんが工夫してくっつけた「Some Other Time」~「Flamenco Sketches」も良かった。
セカンドセット冒頭の「Drunk At The Reception」(曽根)のオリエンタルな感じのコードはおもしろい。最初からそうなのだけれど、大口さんのピアノソロになるとさまざまな感情が込められていて聴きいってしまう(休憩時間に店主の仲田さんと「大口さんヤバい!」と叫んでいた)。もともとフュージョン風のアレンジだったという「Safari」(曽根)はピアノトリオがコードを厚めに積み上げ、マーティのハッピーなベースソロ、最後の大口さんの残響まで愉快だった。「New Moon」(大口)は作曲した大口さんご自身が難しい曲だというように複雑、しかしそのことがピアノの微妙な色合いを強調することになっている。
ここで、最近結婚したマーティへのお祝い演奏をはさんで、にんにくのスープという意味の「Sopa de Ajo」(大口)。ラテンのリズムが愉しい。アンコールは「Peace」(Silver)。
それにしても曽根さんのトランペットは滑らかで見事だった。
飲み友達がピアノの練習の励みにしたいというので曽根さんの笑顔をスマホで撮って送った(笑)。
Fuji X-E2、7Artisans 12mmF2.8
●大口純一郎
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年)
高橋知己『Another Soil』(1980年)
●マーティ・ホロベック
デイヴィッド・ブライアント@Body & Soul(2020年)
『Voyage』vol.7 令和の「和」ジャズ(2020年)
松丸契+永武幹子+マーティ・ホロベック@なってるハウス(JazzTokyo)(2020年)
マーティ・ホロベック「Trio I」@蔵前Nui Hostel(2020年)
渡辺翔太+マーティ・ホロベック@下北沢Apollo(2020年)
SMTK@下北沢Apollo(2019年)