パトリック・シロイシ『Eye for an Eye』(Armageddon Nova、2019年)を聴く。
Patrick Shiroishi (sopranino sax)
奇才パトリック・シロイシ初の日本盤。まずはめでたい。
本盤はエフェクターを使ったものでも轟音系のものでもなく、ソプラニーノ1本でのソロ演奏である。たたみかけるように音で攻めるわけではない。どちらかと言えば内省的な演奏であり、間がかなり活かされている。さまざまな周波数の複合的な音を試行しては、その音を自身に取り込み、次の音に反映させるプロセスが体感できるように思える。そして内省的でありながら、外への音響のありようも試行されており、精神的にも物理的にも響きが内と外との両方に向けられている。
さて、COVID-19流行の中でかれの来日はどうなるか。
●パトリック・シロイシ
パトリック・シロイシ『Descension』(2019年)
パトリック・シロイシ『Bokanovsky’s Process』、『Tulean Dispatch』、『Kage Cometa』(JazzTokyo)(2018年)
「JazzTokyo」のNY特集(2018/4/1)