四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

紫陽花の詩

2024年06月02日 12時37分43秒 | 四季の花

   ゆるぎなく未来をみつめ
  しゃんと笑顔さえみせる
  しんの強い乙女のようで
  その花が好きだ
  小さな小さな花が
  たくさん肩をよせあい
  一生懸命咲くから・・・
     比留川美津子詩集「紫陽花」より

 遠い青春の日、紫陽花に寄せた友の詩を東京九段会館の
朗読会で聴いた記憶が蘇ります。
自らの誕生のドラマを、その父の戦死の報の中で演じなければ
ならなかった友。
私達の上の世代の、少なからぬ人々を襲ったであろう悲惨な
ドラマの一つでもありましたが・・・。「戦争さえなかったら」の
母の言葉を子守唄のように聞きながら育った友の、紫陽花に
寄せた思いを改めて思い返しています。

ガザで、さらにウクライナで依然として続く戦闘と惨状の中で、
死と隣り合わせの日々を強いられる人々。その存在を私たちは
決して忘れてはならないと思っています。そして、一日も早い
戦禍の終決に向けて「小さな声」でも上げ続けること。この
大切さを心に刻んでいきたいと思います。

 雨に打たれて萎れていく春の花々の中で、その雨をまとい
冴え冴えと咲く紫陽花。それは梅雨に閉ざされた人々の心に射す
一筋の光明にも似た輝きを放っています。

この「紫陽花の詩」は、かつて、このブログでも少し触れさせて
頂きましたが、この季節になると必ず思い出されます。
その紫陽花が、そこかしこに咲き初めていますが、そなん花の
幾つかをデジイチ・スケッチさせて頂きましたので掲載致します。


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短歌投稿 (knsw0805)
2024-06-05 01:46:53
24年6月5日分
Shouさん、おはようございます。
浅間山明鏡止水です。
短歌投稿します。

「詞書」源氏物語や紫式部日記・紫式部集には和歌(巻名歌等)が沢山ありますが、その和歌の返歌を口語短歌で提出します。返歌は源氏物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や自然・地名からヒントをもらい詠みます。今週は源氏物語巻名歌から2首、紫式部集より1首の計3首提出しますのでご指導よろしくお願いします。

源氏物語巻名歌・21藤袴(ふじばかま)
歌の背景
光源氏三十七歳。源氏の使者として、宮仕えの件で玉鬘を訪ねた夕霧は、玉鬘が実姉でないことを知り、夕霧らしい不器用さで口説き、蘭の花を御簾の中へ差し入れる。(藤袴は蘭の異名)

「同じ野の 露にやつるる 藤袴 あはれはかけよ かことばかりも」 夕霧

「尋ぬるに はるけき野辺の 露ならば 薄紫や かことならまし」 玉鬘

返歌
「フジバカマ 御簾の中に 差仕入し 歌を詠みかけ 思いやりこそ」

「縁薄き 薄紫の フジバカマ 思いも懸けぬ ことよせなくも」 

紫式部集・21
磯がくれ おなじ心に たづぞ鳴く なが思ひ出づる 人やたれぞも

返歌
「空曇り 岩陰隠れ 水際に 恋しい人を 想って泣くも」
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