四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その53)

2022年09月21日 05時28分51秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その53)   短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。 ☆☆☆
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。☆☆☆


 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の詠まれた
 短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に短歌を
 投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見等をお寄せ頂ければ幸いです。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。


     「咲き初める コスモス」


「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】私たちはBSNHK「岩合光昭の世界ネコ歩き」(毎週木曜夜8時)を
    楽しんでいます。
    二人とも犬派ですが岩合さんの猫目線というかカメラアングルに
    魅せられています。そこで3首詠んで見ました。
☆ねこ歩き 岩合さんの 世界観 猫目線での カメラアングル
☆喜ばす テクニックこそは 世界一 愛猫家(あいびょうか)にも 通じる愛情
☆撮影で 世界を股に 撮る苦労 猫には分かる 愛する気持ち

                      浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん

【解説】
 BSNHK「岩合光昭の世界ネコ歩き」は私も時々視聴しておりますが、岩合光昭氏の
 カメラ目線の優しさと、猫に寄せる愛情は半端でないものを感じます。
 被写体とここまで融合できるカメラマンは、いないとさえ思います。
 三首の歌はいずれも、岩合光昭氏の世界観に対するKenさんの尊敬とフアン心理が
 濃厚に表れた歌になっていて、良く解る歌と思っています。
 三首目を語句を整理し少し添削させて頂きましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★「ネコ歩き」追いて世界駆けめぐる 岩合さんの温き眼差し


【詞書】先日の満月は見事でした。ベッドから丁度満月が見ることが出来ました。
    和室の畳を新しくしました。藺草の匂いが部屋内に匂い思わず大の字に寝転んだ
    時、ああ~いい言葉が湧いてきてほしいと天井を見上げた時のことです。
    なお、断捨離をはじめる年齢になりました。昔の写真は思い切って鋏を
    入れましたが、空白の期間が淋しく感じられました。
☆ 十方の月のひかりを身にあびて地球の隅にしっかり生きてる
☆ 新しき畳の藺草匂い立ち詩(うた)も生(あ)れよと大の字に寝る
☆ 断捨離に写真を刻む雨の日は半透明になるわが生き様も
      
                       紬さん

【解説】
 三首の歌はいずれも凛とした作者の想いが滲み、すっきりとした詠歌になっていると
 考えます。
 特に一首目は、中秋の名月かも知れませんが、その月光を浴びて水惑星・地球号の
 乗組員として大地に足を踏ん張りしっかりと生きている。そんな矜持と覚悟が滲む
 良い歌と思います。
 また、二首目の歌は「大の字に寝る」の表現に、きっぱりとした小気味よさもあります。
 サロンの皆さんからも好感が寄せられる、作者のご健詠を期待しております。


     「薄紅に染まりつつある 酔芙蓉」

【詞書】ボディ・ガード Whitney Houston - I Will Always Love Youを聴いて
☆私だけを守って!それがただ一つの願い!!
     でも。。。叶はぬ夢?

                    自閑 (jikan314)さん
【短歌説明】自閑 (jikan314)さんご自身の説明です。
 ボディガードは、1992年製作のアメリカ映画で、ケビン・コスナーとホイットニー・
 ヒューストン共演で、主題歌のオールウェイズ・ラヴ・ユーは、全米シングルチャートで
 14週連続1位と言う記録も樹立し、その年のグラミー賞を始めとする音楽賞を総嘗めにして、
 日本でもレコード180万枚売り上げ、大ヒットしました。
 ホイットニー・ヒューストンは、2012年残念ながら、突然死去しました。その時、彼女は
 映画の中の歌手の様に本当は孤独だったのでは?と思った次第です。
 下記URLに、映画のシーンと歌を貼り付けていますので、御覧になって下さい。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/af8405379a6e9422cd5a568a08fa206a
【投稿外コメント】自閑 (jikan314)さんご自身のコメントです。
 今週は、漏れていた新古今の歌を紹介します。古今から新古今まで300年間、7つの
 勅撰集が編まれて来ましたが、有名な歌なのに撰ばれず、初めて新古今に撰ばれた歌です。
  よそにのみ見てややみなむ葛城や高間の山のみねのしら雲(恋歌一 よみ人知らず)
 高嶺の花の恋の歌。源順の和漢朗詠集にも撰ばれております。
  末の露もとの雫や世の中のおくれさきだつためしなるらむ(哀傷歌 僧正遍昭)
 諸行無常の歌として有名で、和漢朗詠集、公任三十六歌仙にも撰ばれ、源氏物語にも
 引歌として多数使われております。9月17日に拙blogに関係部分をアップしました。
  その原やふせやに生ふる帚木のありとは見えて逢はぬ君かな(恋歌一 坂上是則)
 源氏物語 帚木の巻名の歌の元歌です。
  照りもせず曇りもはてぬ春の夜の朧月夜にしくものぞなき(春歌上 大江千里)
 源氏物語花宴で朧月夜が、真夜中この歌を唄い、源氏と出逢うと言う朧月夜の
 命名にの元になった歌です。
  飛鳥川もみぢ葉ながる葛城の山の秋かぜ吹きぞしくらし(秋歌下 柿本人麻呂)
  もののふの八十うぢ川の網代木にいさよふ波の行方知らずも(雑歌中 柿本人麻呂)
 柿本人麻呂を代表する両歌で、三十六歌仙にも撰ばれております。
  さを鹿の朝立つ野辺の秋萩に玉と見るまで置けるしらつゆ(秋歌上 大伴家持)
 大伴家持の歌で、三十六歌仙、和漢朗詠集にも撰ばれた名歌だと思います。

【解説】
 上の句の「私だけを守って!それがただ一つの願い!!」は、共演者ホイットニー・
 ヒューストンの心の叫びであったのかも知れませんね。
 ホイットニー・ヒューストンはグラミー賞の授賞式を翌日に控え、滞在していた
 ホテルで、不慮の事故により48年の生涯を閉じました。グラミー賞の授賞と言う
 人生の頂点で身罷るという劇的な生涯は未だ謎を含んでいるとも言われています。
 これらを背景に、下の句「でも。。。叶はぬ夢?」を味合うとまた違った情景が
 浮かびますね。
 ホイットニー・ヒューストンがカバーした『I Will Always Love You』の曲の最後は、
 次の詞で結ばれていました。
  「あなたは 愛しい人 愛してる いつでも いつだってあなたを愛してる」
 なお、「初めて新古今に撰ばれた歌」の紹介を頂きありがとうございます。
 これも、「水曜サロン」に集う皆さんの学びになりますので、順次
 (右京大夫集の次に)【短歌入門・質問・提案コーナー】に紹介させて頂ければと
 考えますが、ご了解頂けましたら幸いです。


☆たのしみは 半年ぶりの四人会 尽きぬ話に和むひととき
☆たのしみは 待ってたのよと招き入れ 喋って笑ってお茶するひととき
☆たのしみは 見えた見えたと大はしゃぎ 天体ショーを仰ぎ見るとき

                         shima-千恵子さん

【解説】
 今回も独樂吟の描きだす詩的空間を、十分に味合わせて頂きました。
 先頭二首は、久しぶりに催した千恵子奥様の女子会の様子が、ワクワク感と共に
 伝わる楽しい詠歌と思います。状況を素直に詠みながら、その友とのなんとも
 表現しがたい絆すらも浮かび上がる味のある歌になっています。
 特に「喋って笑ってお茶するひととき」の調べが心地よく感じます。
 三首目も童心に帰ってのはしゃぎようが素直に詠まれていて好感が持てます。
 改めて、独樂吟が表現する世界の、和やかさと奥深さを感じました。


☆蝉しぐれ 止みし刹那に虫の音が 後追い響く森の夕映え
                      ポエット・M

【解説】
 晩夏の夕映えが森を染めるころ、森のあちこちから響いていた蝉時雨れがぴたりと
 止む場面に遭遇しました。その刹那虫の音が足元をはじめ木々からも聞こえて
 きました。蝉たちも、また虫たちも自らが演奏する楽章が決められているのだと
 感じ入った次第です。
 そんな場面をスケッチ風に詠んでみましたが、「ただごと歌」となりました。


     「芙蓉」

「五行詩」「痛みの変奏曲」鑑賞 (54)
 13.悪夢のアウシュヴィッツ(5)


   ああ! 我れは深き淵より
           (『詩篇』)

   愛されて
     人はいったい
        何になり
      人はいったい
         何になる

     愛されて
       人ははじめて
          風になり
         人ははじめて
            雲になる

       愛されて
         人ははじめて
            花になり
          人ははじめて
             星になる

      憎まれて
        人はいったい
           何になり
          人はいったい
             何になる

    憎まれて
      人はいつしか
         蛇になり
       人はいつしか
          龍になる



     「白花 曼殊沙華」

   
【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでの
 ヒント、質問、諸々の疑問点、さらにご意見等について触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せ頂ければ
 幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、
 反論、ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しい限りです。

【サロン参加者からの小野小町等の歌の紹介】
 自閑 (jikan314)さんからの詠歌の紹介ですが、学びとして掲載します。

 何気にテレビチャンネルを回して?いると、NHK教育でいきなり小町が出て来ました。
 ★思ひつつぬればや人の見えつらむ 夢と知りせばさめざらましを(古今集 小野小町)
 NHK「究極の短歌・俳句100選ベストセレクション」の恋と言う番組の再放送で、
 選者が短歌50首、俳句50首を選ぶと言う嗜好。

 選者の一人、栗木京子さんは、新古今和歌集をよく読んでらっしゃるらしく、
 式子内親王の百人一首と、
 ★ながめつつ思ふも寂し ひさかたの月の都の明け方の空(新古今和歌集 藤原家隆)
 を選ばれておりました。家隆は、定家ほど有名ではありませんが、後鳥羽院歌壇の
 双璧で、定家ほど性格が悪く無いです。
 ★花をのみ待つらむ人に山里の雪間の草の春をみせばや(六百番歌合)
 この歌は、茶人千利休が座右の銘にしていたそうです。貴方の知らない新しい美を
 見せようと言う意味ですね。
 ★下紅葉かつ散る山の夕時雨 濡れてやひとり鹿の鳴くらむ(新古今 秋歌下)
 巻頭歌(一番最初に掲載される歌)の栄誉を受けたもので、俳句の季語
 「紅葉かつ散る」の元になった歌です。
 ★志賀の浦や遠ざかりゆく波間より氷りて出づるありあけの月
 私は幽玄の歌だと思っています。
 ★露時雨もる山かげのした紅葉濡るとも折らむ秋のかたみに(秋歌下)
 私の好きな歌で、歌のイメージが、晩秋の映像となって、入って来る気がします。
 ★契りあれば難波の里に宿りきて波の入り日を拝みつるかな
 最後は、大阪市天王寺区に夕陽ヶ丘と言う地名、四天王寺前夕陽ヶ丘駅と言う駅が
 有りますが、由来はこの歌によります。


     「曼殊沙華」

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
 (8) 最近心無い「スパムメール」等がコメント欄に届いています。
    誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。
 (9) 投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
    ニックネームのみでIDのない方、あるいは匿名の投稿は内容により掲載
    できない場合もありますのでご了承願います。
                     了

     「未だ咲く 宗旦むくげ」
コメント (13)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする