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四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その178 ネット歌会)

2025年04月30日 06時37分08秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その178 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「ネット歌会」の「返歌」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中で自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。飛び入り歓迎です。

 ☆☆☆「水曜サロン」の「はてなブログ」移動について
    (1)「水曜サロン」はgoo blog推薦の一つ「はてなブログ」へ移動し、
      従来通り継続します。したがって、投稿はコメント欄へ従来通り
      行って頂き、作品解説等の掲載も「はてなブログ」で行います。
      なお、このblogの広告少な目のスッキリ感を是としました。
    (2)今、goo blogは混雑しているためデータのダウンロードが中々
      できませんので、「はてなブログ」での「水曜サロン」開始は
      6月初め頃をめどに実施しそれまでは、goo blogで行います。
    (3)開始時期は、皆さんの移行状況を確認し、改めてご連絡致します。

 ☆☆☆ 「はてなブログ始め方公式解説」(保存してください)
     https://blog.hatenablog.com/entry/2020/08/21/180000
     以上を読んで、その文中の「はてなユーザー登録」ボタンを押す→
     「はてなユーザー登録画面」が出たら
      〇はてなID決める(独自のものを決めて下さい)
      〇パスワード決める(忘れないようにメモして下さい)
      〇メールアドレスを決める(ご自分で今使っているもの)
     これで登録が出来ます。


     「咲き初める 藤の花」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆遅咲きの桜が庭で満開に 次は山谷(さんこく)藤の花かな
                         西BOOさん
★藤房はまだ短くて届かない ベンチに座り撮る日数える 
                         夕庵さん
★山谷(さんこく)は紫色(ししょく)がまだらに見えるとも
                                           まだ藤蕾 木々に隠れて
                         西BOOさん

☆もう買わぬ思えど買ったGマスター 孫の写真を頭に浮かべ
                         西BOOさん
★ハイチーズ 撮られる孫も慣れたもの 上手に笑顔で応えてくれる
                         夕庵さん
★花の写真 奥深きもの感じるも 孫の笑顔に勝るものなし
                         西BOOさん
★一歩二歩無断侵入して撮りぬ 街中散歩にはじめての花
                         夕庵さん

☆茶柱の立ちてひとりの家長閑 狭庭の青き鳥と語らむ
                         みっちっちさん
★欠かせない食後の後の一服は 嬉野深蒸し温きがよろし
                         夕庵さん
★朝食の後の焙煎 珈琲よ 今日の試合の作戦練れり
                         みっちっちさん
★眠れない理由(わけ)は一杯の珈琲と 後悔すれど楽しき会話 
                         夕庵さん
★幾たびも寝返りすれど眠れぬ夜 ついに起き出し歳時記を繰る
                         みっちっちさん
☆眠れぬは貴女のせいと欠点をつらつら上げてまた眠れない
                         夕庵さん
★人間は欠点あれば長所あり なるべく長所見て付き合はむ
                         みっちっちさん

     「咲き初める なにわ茨」

☆どことなく主(ぬし)に似る犬 次々と 連れられ春の公園長閑
                         みっちっちさん
★トコトコと横断歩道をゆく子犬 靴下履いているではないか
                         夕庵さん
★夕暮れの横断歩道に仕事する 盲導犬の凛々しき姿
                         みっちっちさん
★横断歩道の白線くっきり表示され 1年生が喜々としてゆく
                         夕庵さん
★元気よくランドセルらが走り抜く朝の光の横断歩道
                         みっちっちさん
★背中より大きいランドセル跳ねてゆく 給食好きな一年生は
                         夕庵さん
★給食に満腹すれば春昼の 日差し浴びつつ夢の世界へ
                         みっちっちさん
★四歳児 目を輝かせ手振りよく 消防士への夢を話しぬ 
                         夕庵さん
★じゃがいもを収穫したる四歳児 土まみれなる笑顔弾けて
                         みっちっちさん
★ラガーマン 泥にまみれてひたすらに ゴールを目指し命を燃やす
                         夕庵さん

☆うぐいすに 誘われ森に分け入れば 八重の山吹 木漏れ日に咲く
                         ポエット・M
★昨年は気付かなかった鶯よ 家の前の木で響きける
                         西BOOさん
★うぐいすの遅き初音に ただならぬ 気象変化を みるは哀しく
                         ポエット・M

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き盛る ツツジ」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

コメント (29)
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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その177)

2025年04月23日 05時49分36秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その177) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致して
     いますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 ☆☆☆ goo blogからの移動に付き、試みに以下の2件のblogを試作しました。
     可否も含めて、感想等をそれぞれのblogのコメント欄に記入願います。
       「はてなblog」四季の彩り「アメーバblog」四季の彩り
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き満ちる 山桜」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】4月9日松本城の桜祭りに行って来ました。少し早かったかも
  知れませんが本丸庭園の桜はほぼ満開でした。そこで今週は
  再び源氏物語贈答歌の返歌はお休みします。今、私のブログ
  では松本城の桜特集をやっていますが、短歌を投稿します。
☆国宝の 天守閣との 調和こそ 美の象徴は 桜の魅力 
☆烏城 ソメイヨシノが 咲き誇り その美しさ 人々魅了も
註)烏城は松本城の別名
☆黒門の 先に広がる 桜並木 見る人たちの 心を奪う
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 桜前線は一気に北上を続けていますが、長野県の松本城本丸庭園の桜は
 ほぼ満開とのこと。黒塗りの壁を持つことから別名「烏城」とも呼ばれる
 松本城と、薄紅に霞む桜のコントラストを詩情をこめて詠んで頂きました。
 一首目の歌、黒壁の天守閣を背景に咲き満ちる桜は、まさに美の極致を
 表現していますが、詠まれているように「美の象徴」とも言えます。
 二首目の歌、淡い紅色の染井吉野が烏城を包むように咲く様は、詠まれて
 いるように「人々を魅了」しますが、それをもう一歩深掘りして見ましょう。
【ご参考】
★烏城 おおう薄紅さくら花 妖し揺らぎに 酔いの心地も
 三首目の歌、意味の良く分かる簡潔な歌ですが「広がる」「見る人たち」
 などの散文的表現が少し気になります。視点を変えて、桜並木から黒門を
 眺めて詠んでみましたが・・・。
【ご参考】
★咲き満ちる桜並木よ 黒門を 向いてなびいて風をも誘い

【詞書】満開の桜を詠ませて頂きました。
☆古(いにしえ)に歌に詠まれし龍田川 川辺の桜風情極まる
【詞書】スーパーのお米を詠ませて頂きました
☆スーパーで外国産とのブレンド米 値札を確認 少し安堵す
【詞書】テレビで世界遺産 の番組を見て詠ませて頂きました。
☆輝けるドナウの真珠ブダペスト 世界遺産の夜景 圧巻
                         西BOOさん
【解説】
 今回は、「龍田川」「スーパーのお米」「ドナウの真珠」とテーマの
 異なる三首の歌を、時事詠も含めて詠んで頂きました。
 一首目の歌、「古今集」に「ちはやぶる神代もきかず龍田川…」の
 在原業平の歌があります。この歌は龍田川一面に紅葉が浮いて紅色に、
 染めあげる様子を詠っていますが、今回の作者の歌はその川辺に
 咲き満ちる桜が、紅葉とは異なる風情を醸し出している様子を詠い
 あげています。「風情極まる」の結句が決まっています。
 二首目の歌、最近スーパーではカリフォルニア産のジャポニカ米を8割、
 国産米を2割配合したブレンド米を通常より大分安く販売しているとの
 ニュースがありました。作者はその状況を前に「安堵す」と率直な
 思いを詠っていますが、備蓄米放出後も依然として続く、米価高騰に
 対する静かな怒りも滲んでいると感じました。
 三首目の歌は、ブダペストの夜景の美しさを端的、かつ鮮やかに描き
 出し、その感動を力強く伝える作品と感じました。短い言葉の中に、
 場所の魅力、歴史的な背景、そして映像からの感動が凝縮されており、
 心に強く響く力を持っています。なお、「輝けるドナウの真珠」と
 いう比喩が特に印象的で、ブダペストの夜景のイメージを豊かに
 広げてくれます。「圧巻」の締めも効いています。

【詞書】春の様子を三首、出詠いたします。
☆六甲のこのもかのもに木の芽風 色鮮やかにいのちの息吹
☆ふるさとの山河は寂と鐘霞み 神話の国に立つごとく春
☆万博に知らぬ名の国 地球儀を回し春夜の旅を遊ばむ
                         みっちっちさん
【解説】
 春の訪れを詩情豊かに三首の歌にまとめて頂きました。
 一首目の歌は、春の到来を力強く、そして喜びに満ちて歌い上げています。
 作者の自然に対する深い愛情と、それを鮮やかな言葉で表現する豊かな
 感性が光っています。
 上の句では、六甲山のあちらこちらに春の風が吹き渡る様子を巧みに
 表現し「木の芽風」という季語が、春の訪れを感じさせるとともに、
 生命の息吹を象徴しています。下の句では、春の希望に満ちた生命力と、
 自然の美しさを改めて感じさせてくれます。
 なお、自然の描写と季節感が調和しており、詩情豊かな歌と思います。
 二首目の歌は、故郷の春の風景を、寂寥感と神秘的な美しさをもって描き
 出した情感豊かな歌です。霞んだ山河と、そこに響く鐘の音が、まるで
 かつての神話の国にいるような幻想的な雰囲気を醸し出しています。
 また、この歌は作者の故郷への深い思いと、自然に対する繊細な感受性が
 織りなす、物語性に満ちた作品と言えます。春の風景の中に時間と空間を
 超えた神秘的な世界を見出す、作者の豊かな想像力に心惹かれます。
 三首目の「春夜の旅を遊ばむ」の表現がいいですね。心の旅を思い切り
 楽しみたいですね。

     「咲き初める 花水木」

【詞書】しだれ桃 さくらの三首です。
☆初孫の記念樹なりしはなももは 月の雫に濡れて垂るる
☆水ぬるむ池に万朶のさくら花 影の揺らげば鴨の寄り来る
☆散りしきる終のさくらの儚しよ この道ピンクの絨毯を敷く
                         夕庵さん
【解説】
 「しだれ桃」「さくら」をテーマに、情感豊かに三首の歌を詠んで
 頂きました。
 特に三首目の歌は、移ろいゆく季節への感慨や、人生の流れを
 象徴する桜の美しさがしみじみと伝わってきます。余韻と奥行き
 があり、私達の心にそっと染み入る作品です。
 上の句では、「散りしきる」という勢いのある言葉が、桜の潔い
 散り際を鮮やかに描写しています。「終のさくら」という表現には、
 散っていく桜に対する惜しみない愛情と、それが人生の終わりに
 重なるような、深い感慨が込められているように感じられます。
 「儚しよ」という詠嘆が、その美しさの中に潜む命の短さを
 際立たせています。
 下の句では、散った桜の花びらが道一面に広がり、まるで淡紅色の
 絨毯を敷き詰めたような光景が目に浮かびます。直接的な表現で
 ありながら、その色彩と質感が豊かに伝わってきます。「絨毯」
 という言葉を選ぶことで、散った桜の美しさを愛でる気持ちと、
 花の散り敷く道への希望のようなものが感じられます。
 一首目の下の句、「月の雫に濡れて垂るる」の表現が秀逸です。

【詞書】嘘でしょ?!と言いたくなりました。
  いきなり…いや、予兆はありました。「教えて!goo」っていう、
  質問(「お題」と言いたくなる時も有りますが)にコメント(答え)を
  返すのが、終了するという告知がありましたから、その時に
  ポエットMさん達のgoo blogの方が終わったりせえへん
  やろうなあ…?😥っていう漠然とした不安はよぎったん
  ですよね…。うわあ~…。…一番最初に出詠したのっていつ
  やったんかなあ…。サービス終了になったら見返すことが出来
  なくなるんで、もう一度見ておきたい…。(書いて控えてなかった
  と思うんで、“その何番”かを覚えてないんです。ISSを歌った
  ものだと記憶はしているんですが…😰)「みんなの花図鑑」が
  無くなった時からうっすらと感じていた…拭いきれなかった
  嫌~な予感が現実になってしまいました…。ううう…悲しい…
  残念です…。
☆何ですと?!11月でgoo blog
       サービス終了 Oh my god!!
【詞書】4/18のもうとっぷり暗くなった夕刻の事でした。その日、夕方
  近くになって姉から「昨日行ったJAでトマトを多目に買った
  からちょっとあげるわ」と電話があり、自転車で取りに行って
  姉夫婦の家を辞してからスーパーに行こうと宇治川沿いを走り、
  平等院が見える分かれ道のところの坂を上っていて、ふと「響け!
  ユーフォニアム」ファンが(アニメの中で主人公の久美子ちゃんが
  よく座るんで)“久美子ベンチ”と呼んでいる、ベンチに若い男の
  人がベンチを撮ってて「あー、暗くなってからの“聖地巡礼”
  お疲れ様~」と思いつつ自転車を押しながら何気なく見たら、
  その男の子と目が合ったんで、軽く会釈して「こんばんは~。
  聖地巡礼ですか?」と声を掛けたんです。男の子は肯定したのち
  「大阪なんでよく来てるんですが」と言って、「あのー、花の名前とか
  判ります?」と聞いてきたので、「ベンチら辺にある草花の名前でも
  聞きたいんかな?」とか思いながら「いいですよ判るやつなら」など
  と言ってベンチのところに降り「これですけど判ります?」って
  言われてベンチの上を見ると、オレンジ色の紙等に青いリボンが
  付けられた小振りの花束💐!「え゙?!」…とりあえず、黄色(山吹色に
  近かったですが)のガーベラ3、4本と白のかすみ草だったんで、
  名前を教えてあげると、「あーそんな名前なんですか~」と感心と
  感謝。「けど何で?!…誰か声優さんが亡くなった?!」「それはない
  です。亡くなってたらXとかで絶対上がるし。昼1回来た時あった
  けどまだあったんやと思ったんですけど…」「キャラクターの
  誕生日とか…」「いや今日(のキャラ)はいないと…」
  「ほな何で?」「いや、いま(Xとかを見てて)誰か言うてへんか
  見てるんですけど上がってないんですよ。これ置いたまま写真
  撮ってた人居たんですけど」(Xかで聞いてたみたいですがその件の
  「応答が無い」とのこと)…ざっくり思い出してこんな感じの
  やり取りをした後「まあ忘れ物でしょ。皆、取りに来る人居るかも
  思ってここに置いたままにしてたんやろね、たぶん」で取りあえず
  納得(?)して別れましたが後から思うと、月は違えど“18日”
  やったしなあ…でしたが真相は闇の中です。(私も帰ってからXとか
  見ましたが…見当たらなかったです)ちなみに、翌日気になって
  通って見ると、ベンチの後ろの石垣の下にそのままの姿(?)で
  置いてありました。
  ほんとに何やったんやろ…?…花束って“置かれていたら”、
  “何らかの意味”がある?とか思うんですが……やっぱ忘れ物
  かな?しかし兄さんよ。花屋さんで売ってる花の名前を少し覚えて
  おいて損はないと思うぞ…。😁
☆ガーベラとかすみ草との花束が
        置かれてたは何故?“久美子ベンチ”に
【詞書】…最早説明不要なくらいで…。4月やというのに熱中症の
  心配をせんとあかんとは…。6、7、8、9月が思い遣られます。
  まだ身体が夏仕様になっていないから特にしんどいんですよね。
  …まだ、まだ家の中とかに居たら多少は涼しいですし、朝晩も
  まだひんやりしています。「春は何処行った?!」って言う人も
  居ますが…多少短かった感はありますね。桜🌸は今は東北や
  北海道ですか。近畿はもしかしたら「梅雨」の心配せんと
  あかんかも……。
☆早々と30度越え相次いで
       4月やのになあ…夏日!真夏日!
                         ちがやねこさん
【解説】
 一首目の歌の詞書に記されているように、goo blogの11月サービス
 終了は
思わず「嘘でしょ?!」と叫びたくなるような衝撃的な出来事
 ですね。運営会社は営利企業ですから、その決断は受け止めていくしか
 ありません。
しかし、彼らの「社会貢献」の姿勢の裏の顔も見据えて
 行かざるを得ません。
結句の「Oh my god!!」に、やるせなき想いも、
 無念も、批判も、すべての
想いが凝縮し表現されています。
 二首目の歌、「聖地巡礼」に来られた男性との、花束を介した作者との
 語らいは、映画のワンシーンになりそうな物語性を秘めていますね。
 4月18日は「ガーベラ記念日」とされており、「響け!ユーフォニアム」
 のフアンが、記念日にちなんだ花束を「巡礼」に来られた際にベンチに
 手向けられたのかも知れませんね。ガーベラの花言葉には「希望」
 「常に前進」といった前向きな意味が込められていると言われています。
 フアンの方の「希望」が花束には宿っていることと思いますが、詠まれて
 いるように謎は「何故?」のままにしておくのも、ミステリーとして、
 味わいがあると感じますが…。
 三首目の歌、桜前線は急ピッチで北上中ですが…。詠まれているように
 「4月やのになあ…夏日!真夏日!」は、異常気象も「ここに極まる」
 感があります。偏西風の蛇行、海上温度の上昇等々、理由は種々
 言われていますが、根本は「地球温暖化」による事象であることは
 明らかと感じます。
 かの大統領は背を向けていますが、CO2の削減を含めた取り組みは
 国境を超えた地球にとって喫緊の課題となっています。そんな
 想いを踏まえつつ、具体的な事象をとらえて詠んでいきたいと
 思います。

【詞書】今日は幸せ NHK教育「アン・シャーリー」を
☆ 今日幸せと想像するのは難しい
   でも楽しい
      そう思える日
【詞書】gooblog終了
☆それぞれの思いはありて
    書き続け
 あうはわかれと
   櫻見にけり
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
一首目
NHK教育のアニメ、アン・シャーリーを先週見逃しましたが、再放送は
木曜日で見る事ができました。
今まで、今日幸せと思える日は、いくつあっただろうか?アニメを
見ていて、それは簡単な事、想像してしまえば良いと。
この赤毛のアンを私が好きなのは、色々と教えてくれます。幸せは
簡単な事だと。想像してしまえば。
続いて、TOKYO MXテレビでも、赤毛のアンを放送(木曜 20:30~20:57 放)
していました。1979年の世界名作劇場の再放送です。
アン・シャーリーが、原作と違い過ぎると批判も多いが、新たな赤毛の
アンを見ると想像出来ない?と思っています。
二首目
4月14日に、「goo blogは、2025年11月18日(火)をもちまして、
サービスの提供を終了させていただくことになりました。」とあり、
また、推奨引っ越し先として、Amebaブログとはてなブログが紹介
されました。
どちらが良いか?半年掛けて検討しようと思っています。古文書書写と、
短歌俳句の創作を分けるかとも思っています。
また、「「教えて! goo」は2025年9月17日(水)をもちまして、サービスを
終了いたします。」との事、こちらは、gooblogより長い付き合いでした。
「会うは別れの始め」は、日本の慣用句だと思っていたが、白居易 
和夢遊春詩一百韻韻に「合者離之始、楽兮憂所伏」があり、更に
「南本涅槃経」に「夫盛必有衰、合会有別離」があるそうです。
「生者必滅会者定離」は、仏典にあるそうです。
                         自閑さん
【解説】
 一首目の歌、作者には以前、異なった視点から「アン・シャーリー」を
 詠って頂きました。
 この歌は、「赤毛のアン」のアン・シャーリーのキャラクターを踏まえ、
 今を生きる私たちにも共感できる、複雑で繊細な感情を描き出した興味
 深い作品と考えます。アンの持つ独特の感性と、現実との葛藤が垣間
 見えるようです。先ず、上の句は現代社会の閉塞感や、将来への不安
 など、漠然とした生きづらさを感じている心情を表しているのかも
 知れません。アン・シャーリーは豊かな想像力を持つ少女ですが、
 現実の厳しさや過去の経験から、単純に「今日が幸せだ」と断言する
 ことが難しい状況を表しているとも感じます。「でも楽しい」と続く
 この一句で、アンの持つポジティブな側面、どんな状況でも楽しみを
 見出す才能が表れています。困難な状況の中でも、小さな喜びや希望を
 見つけ、前向きに生きようとするアンの強さが感じられます。
 「でも」という接続詞が、前句との対比を強調し、アンの複雑な内面を
 描き出すことに工夫のあとが見えます。
 結句の「そう思える日」で、必ずしも毎日がそうではないけれど、今日と
 いう一日を肯定しようとする、一歩踏み出すような決意が感じられます。
 二首目の歌、「goo blogサービス終了」を題材に「生者必滅会者定離」
 に繋げる見識と、詠みの的確さに、今回も学ばせて頂きました。
 blogの選定は、それぞれに一長一短もあり、皆さんの移行し易さも考慮し
 もう少し検討に時間をかけたいと思います。

☆うぐいすに 誘われ森に分け入れば 八重の山吹 木漏れ日に咲く
                         ポエット・M
【解説】
 いつも散策で訪れる観音崎は、海辺から丘陵地帯に続く深い森に覆われて
 います。今年の鴬は花の開花と同様に、少し遅れていましたが、ようやく
 鳴き始め、森の中にその声が響いていました。そんな声に誘われて森の
 中に踏み入りましたが、藪椿の散り敷く径の傍らに八重の山吹が咲き
 初めていました。木漏れ日に浮くその花は、まさに黄金の輝きを放ちつつ
 揺れていました。未だおぼつかない鶯の鳴き声と、咲き初める山吹の
 取り合わせに、春の豊かな息吹を感じ詠ってみました。


     「咲き初める 八重の山吹の花」

「一握の砂」石川啄木 鑑賞(13)

 「一握の砂」から、三首づつ短歌を抄出し紹介させて頂きます。
  抒情短歌の原点を味わいつつ、学んで参りたいと思います。
  なお、私の師でありました野村泰三、冷水茂太両氏の師、土岐善麿
  (土岐哀果)は、石川啄木の遺稿刊行に尽力するなど、啄木の才を
  認め、お互いにリスペクトするなかでした。
  三行分かち書きのスタイルは、土岐哀果のローマ字歌集『NAKIWARAI』
  をヒントにしたとされています。

    いつも逢ふ電車の中の小男の
      稜ある眼
        このごろ気になる

    鏡屋の前に来て
      ふと驚きぬ
        見すぼらしげに歩むものかも

    何となく汽車に乗りたく思ひしのみ
      汽車を下りしに
        ゆくところなし

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】

 〇「玉鬘」に寄せて チョウキチさんからのコメント
   袖の香を よそふるからに 橘の
         身さへはかなく なりもこそすれ  玉鬘
   好色な源氏にいい対応ですね。

 〇ポエット・Mの返答コメント
   「水曜サロン」を見守って頂き、またコメントをお寄せいただき
   ありがとうございます。
   おっしゃる通りですね。玉鬘は、せめてもの想いも込めて
   「困ります!!」と返歌しています。養父としては、娘に対して
   あるまじき行為ですが、玉鬘の対応は節度も踏まえ流石と感じます。
   この辺の描写は紫式部の筆の冴えも感じられます。
   私も、もう一歩本音を交えて「お父さんらしく振る舞って」と
   詠ってみました(解説からの転載)。
   ★懐かしき母のおもかげ宿すとも 
              吾はわれなり 養父(ちち)は父なれ

【運営にあたって】

 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                    了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その177 ネット歌会)

2025年04月23日 05時25分06秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その177 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「ネット歌会」の「返歌」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中で自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。飛び入り歓迎です。

☆☆☆ 既に広報されていますが「goo blg」は2025年11月18日(火)をもって
     サービス終了となります。
     「水曜サロン」は「口語短歌を通して、日本の短歌の良さを知って
     頂き、学び合う場」として継続したいと思います。継続を前提に
     以下の条件に合うブログを、皆さんから提案頂ければ幸いです。
     コメント欄へ記入願います。
     【前提条件】
     ・1コンテンツ30,000コード等の制約のないもの
       (現在 第一部は制限ぎりぎりで 要編集となっています)。
     ・容量は10G程度で、かつ無料なもの
     ・登録、編集、コメント、参照等使い方が比較的容易なもの
     ・ブログの移行が比較的楽なもの
     ・宣伝が少なめで、かつ予期しないサイトへの誘導が無いなもの
     時間的猶予はありますが、4月中には方向性を出したいと思います
     なお、はてなブログ、アメーバblog等を先行して検討しています。


     「咲き満る桜 八重桜」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆いにしえ(いにしえ)に歌に詠まれし龍田川 川辺の桜風情極まる
                         西BOOさん
★山桜龍田の山にも咲き満ちて 四季の風情を川面に映す
                         夕庵さん

☆スーパーで外国産とのブレンド米 荷札を確認 少し安堵す
                         西BOOさん
★備蓄米放出なるもからくりの 価格下がらぬ謎を思えり
                         夕庵さん
★「備蓄米放出すれば値は下がる」政府の言動もう信じれぬ
                         西BOOさん
★ばらまきの五万円とて宙に浮き 選挙を前に賢くならねば
                         夕庵さん
★五万円もらったとして一時的 外国米の関税下げよ
                         西BOOさん
★農耕の民なる日本に米がない いつより狂いし政策危うし
                         夕庵さん

☆六甲のこのもかのもに木の芽風 色鮮やかにいのちの息吹
                         みっちっちさん
★眠りより醒めて嫩葉の吹き出し 古墳の丘はきららにみどり
                         夕庵さん
★はるかなる古墳の丘に埴輪らは 虚空のまなこで何を見つむる
                         みっちっちさん
★遙かなる古墳の女のまろき乳 青葉の匂いまといて立てり
                         夕庵さん
★少女らは青葉の匂ひ纏いつつ 発表会のダンスの特訓
                         みっちっちさん
★腕白坊主(わんぱく)も神妙な顔で踊ってる 胸いっぱいの感激のママ
                         夕庵さん
★たつぷりと我が子へ乳を含ませて 胸いつぱいの母となりゆく
                         みっちっちさん
★はじめての目で追うものはテレビなら 澄んだ瞳に邪魔はしないで
                         夕庵さん
★動くもの じつと見つむる猫の目の きらり光りて飛びつく瞬間
                         みっちっちさん
★ベランダに猫とならびて背を干せば 骨も伸びたり 猫ものびたり
                         夕庵さん

     「咲き初める 花水木」

☆万博に知らぬ名の国 地球儀を回し春夜の旅を遊ばむ
                         みっちっちさん
★私の25年後のアバターは 見るに堪えない きっと化石だ
                         夕庵さん
★わたくしの二十五年後 卓球や短歌を続け元気であれと
                         みっちっちさん
★万葉の和歌の心を尊びて今日も思考の時間を過ごす
                         夕庵さん
★歌詠むは あれやこれやと推敲を するも楽しき一人の時間
                         みっちっちさん
★あれこれと白いスニーカー選びつつ
           キャンプのプランも もう浮かんでる
                         夕庵さん
★新しきスニーカーの紐締め直し 新緑の中 全力疾走
                         みっちっちさん
★スニーカーを買う条件は幅広で クッション性よきスケッチャーズ
                         夕庵さん
★立つるまま履ける靴よき 靴べらも 要らず腰痛にも便利なり
                         みっちっちさん
★ふわふわのファーストシューズが飾られて 未来の道の平坦なれと 
                         夕庵さん
★草萌へてファーストシューズ履きたる子 母へゆるりとはじめの一歩
                         みっちっちさん
★吾子の手をしっかり受け止め抱きし日の はじめて歩みし夏を忘れず 
                         夕庵さん

☆走水(はしりみず) 弟橘媛(おとたちばな)の哀しみも
                    秘めて凪いる 卯月の海よ
                         ポエット・M
★夕凪の入り日の波に見えかくれ 鱗光らす あれは人魚か
                         夕庵さん
★夕凪の果てに煌めく漁火に 人魚に似たる イルカ跳ねいる
                         ポエット・M
★聴覚の鋭きイルカの背にのって 珊瑚の海を尋ねてみたし
                         夕庵さん
★群青の海をイルカと泳ぎ行く 珊瑚の海は遥かかなたに 
                         ポエット・M
★群青の海に出会うと自ずから クロールの真似して海へと向かう
                         夕庵さん
★群青の海にいだかれまどろむも 潮(しお)は冷たく時に牙むく
                         ポエット・M
★春の海 多きみ霊の眠りしを 頭を垂れ思う生きるということ 
                         夕庵さん
★海に舞う 桜吹雪の花びらは 眠れるみ霊 鎮めつつ浮く
                         ポエット・M
★花びらは眠れるみ霊に降りかかり 魂鎮めなる子守歌なれ
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き盛る ツツジ」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その176) 

2025年04月16日 05時34分36秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その176) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致して
     いますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 ☆☆☆ 今回ブログの字数制限を超えた為「詞書」等を一部編集させて頂きました。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き満ちる 山桜」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 「光る君へ」は昨年12月15日を持って終了致しました。昨年1年間
 源氏物語贈答歌の返歌をやって来ましたが、どうにか24帖まで来ました。
 旬を過ぎて行くテーマに続けるかどうか悩みましたが最後の帖まで
 続けようと思いました。何卒よろしくお願いします
「30.蛍(ほたる)」
 源氏の懸想に玉鬘は困惑を隠せない。源氏は玉鬘に告白しながらも、
 蛍の宮を恋の相手として勧める。玉鬘が蛍の宮と対面する日、
 源氏は蛍を用意し頃合いを見て放った。蛍の灯りで垣間見た玉鬘の
 美しさに、蛍の宮は玉鬘への思いを強くする。五月五日、源氏は
 六条院で競射を催す。その夜、源氏は花散里の御殿に泊まるが、
 いつからかふたりは男と女の関係ではなくなっていた。源氏は
 自らの経験から夕霧を紫の上から遠ざけていた。夕霧は雲居雁の
 ことを忘れられずにいたが、内大臣の仕打ちを恨み許しを懇願する
 気にはなれなかった。内大臣は自分の娘たちの不運を嘆き、行方の
 わからない玉鬘を捜し出そうと夢占いをさせる。
〇鳴く声も 聞こえぬ虫の 思ひだに 
       人の消つには 消ゆるものかは  蛍兵部卿宮
註)鳴く声も聞こえない蛍の火のような私の恋は、人が
  消そうとして消えるものでしょうか
〇声はせで 身をのみ焦がす 蛍こそ
            言ふよりまさる 思ひなるらめ   玉鬘
註)声には出さずひたすら身を焦がしている蛍の方があなたの
  ように言葉にするよりもっと深い思いなのでしょう。
(返歌)
☆身を臥して すらりとした お姿に 深く刻まれ 宮の御心
☆軒先の 雨の雫も 辛い思い 夜も明かさず 涙に濡れる
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「蛍」の巻は、作者の説明にもありますが、光源氏が玉鬘に対して恋心を
 抱きつつも、彼女の幸せを願い、蛍の宮(兵部卿宮)との縁を取り持とうと
 する場面が描かれています。この巻では、光源氏が放った蛍の光は、恋心の
 象徴としても解釈され、物語全体に幻想的な雰囲気を与えています。
 蛍の宮が玉鬘に向けて詠んだ歌は、蛍の宮の熱い恋心を表現しており、蛍の光を
 恋心に重ね合わせた詩的な表現が印象的です。
 この歌への玉鬘の返歌には、玉鬘の控えめで慎ましい性格が反映されています。
 彼女は蛍の宮の熱烈な求愛に対して、直接的な拒絶や受け入れを示すことなく、
 自分の心情を暗示的に伝えています。蛍の光を恋心の象徴として用いることで、
 彼女の思いが言葉では表現しきれないほど深いものであることを示しています。
 なお、この返歌は、玉鬘が置かれた状況や彼女の立場、つまり光源氏の庇護の
 もとにあり、自由に恋愛を選ぶことが難しいゆえの葛藤が込められています。
 また、この返歌は、彼女の内面の繊細さや、物語全体の美的な表現を象徴する
 重要な要素となっています。
 これらを踏まえて、作者の「返歌」を鑑賞させて頂きましたが、何れも蛍の宮、
 玉鬘、それぞれの想いを肯定し、想いに沿った歌となっています。
 玉鬘の葛藤の果ての想いを、一歩進めて詠んでみましたが・・・。
【ご参考】
 ★想い秘め 身のみを焦がすほうたるの 声なき声の 届くや君に

【詞書】クワガタの越冬に失敗したことを詠みました。
☆クワガタの越冬ならず 熱帯のヒラタに今年、寒すぎたよな
【詞書】今年の桜を詠みました。
☆めずらしや 今年の冬は長引いて 入学式に桜、満開
【詞書】兵庫県知事を詠みました。
☆兵庫知事 委員が違法と報告も「適切だった」と言い返すさま
                         西BOOさん
【解説】
 一首目の歌、ここで詠われた「ヒラタ」はヒラタクワガタ(平鍬形)の事で、
 クワガタ属の中で最大種であると言われています。ペレン島等の熱帯で
 生まれたヒラタクワガタにとっては、詠まれているように日本での越冬は
 厳しいものであったことと思います。作者のクワガタに注がれた愛情も虚しく
 越冬が実現しませんでしたが、無念の思いが滲む歌になっていると感じます。
 二首目の歌、まさに詠まれている通りの情景がそこかしこで眺められたことと
 思います。例年は既に桜の散ってしまった中での入学式となりましたが、
 新たな出発を満開の桜が迎えてくれた新入生にとっては嬉しく、誇らしい
 景観となったことと思います。そんな作者の想いも籠った歌と考えます。
 三首目の歌、斎藤兵庫県知事の一連の対応には、いくつかの問題点が
 あります。先ず、公益通報者保護法に明らかに違反している件があります。
 詠まれている「違法」はこの件を指していると考えます。自ら設置した
 第三者
委員会の結論を、自分の都合の良いもののみ受け入れ、他は排除
 するという姿勢は
為政者として誤っていると指摘せざるを得ません。
 今、かの大統領をはじめ
「法の支配」を軽んずる風潮がありますが、
 県政のトップに君臨する知事が
法を無視することは、いかなる背景は
 あろうとも許されないと考えます。

 こんな主張を背景に詠まれた歌には、社会詠としての重さがあります。


     「咲き満る 雪柳」

【詞書】大きな雪柳が揺れている様は壮観です。三首詠んでみました。
☆路地裏の昼を灯せる雪柳 少し揺れゐて かくれんぼの子
☆ひと雨にいよよ白増す雪柳 風にさざ波沸き立つごとく
☆登校の子らの触れゆく雪柳 枝の先までずつしりと白
                         みっちっちさん
【解説】
 今の季節、雪柳がそよ風に揺れる様は絵になりますし、詩情を誘います。
 特に二首目の歌は、春の雨上がりの一瞬を捉え、繊細な言葉で表現し、
 自然の美しさへの深い愛情と、それを言葉にする豊かな感性が光って
 います。
 上の句では、雨によって雪柳がいっそう白く映える様子が視覚的に
 鮮やかに描かれています。雨が自然の景観を変化させる力を感じさせる
 とともに、雪柳の白さが際立つことで清々しさも伝わってきます。
 下の句では、風によってさざ波のような動きが起こる様子が巧みに比喩
 され、この部分は動きと音のイメージを喚起し、静と動が調和した風景が
 浮かびます。また、波のイメージを取り入れることで、自然との一体感が
 感じられます。さらに、これらの自然描写には単なる観察ではなく、
 想いの
深い共鳴が感じられます。
 三首目の歌は、通学路で見かける雪柳の様子と、子供たちの生命力溢れる
 姿を重ね合わせた、温かく優しい眼差しを感じさせます。また、動きのある
 子供たちの様子と、静かに咲き誇る雪柳の白さの対比が印象的です。春の
 生命力と、清らかな美しさが共存する、心和む情景が描かれています。

【詞書】桜の花三首 関西ではいま満開です!!
☆小夜更けて桜の花も眠らんか 宴の後の上弦の月
☆花疲れ宴の空を見上げれば 星も寄り添う花残月
☆桜さくテラスの席のティータイム ひとひらふたひらカップにじゃれて
                         夕庵さん
【解説】
 咲き満ちる桜に寄せて三首の歌を味わい深く詠んで頂きました。
 特に、二首目の歌は、宴の後の静けさの中で、夜空を見上げた作者の
 心象風景を、繊細な言葉で描き出しています。また、「花疲れ」という
 言葉が、宴の賑やかさと、その後の静寂との対比を際立たせています。
 上の句では、桜の花見などの宴の賑やかさの後、ふっと感じる疲労感や、
 過ぎ去った華やかさへの寂しさを暗示し、宴の喧騒から離れ、一人静かに
 夜空を見上げる作者の姿が目に浮かびます。
 下の句では、「星も寄り添う」という擬人化表現が、夜空の星たちが、
 まるで宴の余韻を惜しむかのように、近くに集まっているような印象を
 与えます。なお、「花残月」は、桜の花が散り残った頃の月のことで、
 春の夜の物寂しさや、過ぎゆく美しさを象徴します。月明かりに照ら
 された、わずかに残る桜の花びらの情景も想像させます。
 さらに、この歌は宴の後の寂寥感と、夜空の静けさ、そして春の終わりが
 近づく物悲しさが溶け合い、独特の情感を生み出しています。華やかさの
 後に訪れる静けさ、そして過ぎゆく季節を惜しむ気持ちが、静かに響きます。
 三首目の歌の「カップにじゃれて」の視点と、表現がいいですね。

【詞書】YouTube短歌:明日も生きていたら 
  吉田拓郎「今日までそして明日から」を
☆明日いきている
    かどうか
      起きた時に考えよう
       桜も咲いてる
【詞書】蛍の浮橋
☆やり水のほたるの思ひ絶えせぬに
   なをうきはしを渡るともし火
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 一首目は、生きると活きるは、違う物です。吉田拓郎は、この
 「今日までそして明日から」の曲を発売
したのは、25歳の時ですが、
 大学時代に作ったそうです。
だから「生きてみました」と試行的に
 歌っています。

 この歳になると、明日生きているかどうか?は分からなくなりましたし、
 活きているかどうかも不確かです。
もし、明日起きた時に、生きていたら、
 活きてみたいと
思います。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/17f1890957eb88e5adc735b90b0306e4
 二首目は、源氏物語の夢の浮橋を勉強中です。源氏物語の本説取りで、
 掛詞、縁語を使うので、歴史的仮名遣いですが、
御容赦願います。
 本説 源氏物語 夢の浮橋
 小野には、いと深く茂りたる青葉の山に向かひて、紛るゝ
 ことなく、遣水の蛍ばかりを、昔覚ゆる慰めにて眺めゐ
 給へるに、例の、遥かに見やらるる谷の軒端より、前駆心
 ことに追ひて、いと多う灯したる火の、のどかならぬ光を
 見るとて、尼君たちも端に出でゐたり。
 夢の浮橋の題名は、なぜこの名なのか?なぜ突然終わるのか?
 千年間謎のままです。
 天の浮橋とは、神話の伊弉諾と伊弉冉が日本国を生む時にいた橋です。
 古來ここから発想しており、行き詰まっております。
私は、橋ではなく、
 端だと考えました。憂き端の掛詞では?
もちろん千年間誰も唱えて
 いませんが。

 浮舟にとって、一番恐れていたのは、薫に自分が生きていて、居場所を
 知られる事。その為、出家までしたのに、その憂き
事が、小野の山荘の
 軒端で見えたと思いました。
夢は、夢の浮橋では、「夢のやうなる事ども」、
 「夢のやうなり」、「夢語り」、「いかなりける夢」とあり、また「夢の心地」
 と手習帖と同じ、薫が死んだと思った浮舟と
逢う事は、夢の心地として
 います。
本説取とは、物語などの場面を利用して和歌を作るものです。
 物語の情景をそのまま利用したものとして有名なのは、藤原定家の
 源氏物語の須磨の情景を和歌とした

  見わたせば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮
 です。
 思ひの火(蛍火)、ともし火の掛詞、水、渡るは橋の縁語です。
                         自閑さん
【解説】
 一首目の歌、力強い生命力と、ふとした瞬間に感じる生の儚さ、そして
 身近な自然の美しさが凝縮された、味わい深い歌だと感じました。
 上の句の未来への不確かさやそれでも生きていくという力強さが、
 自由律で詠うことで、よりダイレクトに伝わってきます。なお、
 「生きているかどうか」という問いかけが、短いながらも重みを持ち、
 「今日まで」生きてきた連続線上に「明日」があるとは限らない、
 という意識が強く感じられます。それは、吉田拓郎の歌にも通じる、
 未来への絶対的な保証はないという感覚かもしれません。
 しかし、その不確かさを受け止め、明日への意識を強く持とうとする
 意志も感じられる歌となっています。
 二首目の歌、上の句の「やり水のほたる」という表現は儚く幻想的です。
 この光景は、流れる水の中で短命な命を燃やすほたるに重ねて、愛や
 思慕のような感情が絶え間なく流れ続ける様子を繊細に表現しています。
 下の句の結びですが、ここでは浮橋という不安定で揺らめく存在が、
 「ともし火」と重ねられていますが、「ともし火」は希望の光とも
 受け取れます。同時に儚く消えやすいものでもあり、この対比が、
 無常観をより鮮明に描き出していると感じます。
 なお、「橋ではなく、端だと考えました。憂き端の掛詞では?」との
 作者の説は検討に値するものと考えます。「源氏物語」の最後の巻である
 「夢の浮橋」のエンディングの物足りなさを解く、一つの解になるかも
 知れませんね。

     「咲き盛る 花桃の花」

【詞書】いや~、たいがい「だいぶ先やなあ」なんて思ってたんですが、
  あっと言う間やったなあ…
前は何だかんだ聞こえてましたけど、始まる
  以上は盛り
上がって、いい万博になったらいいなあと思います。“地球に
  落ちて来た物”だそうですが、「火星の石」なんて直に見てみたいけどな~
  なんて…。
今日12日(土)なんて、午前11時から30分、在阪民放5局の
  アナウンサーが集合して、同じ時間に民放5局が同じ番組を放送していて、
  なかなか賑々しく楽しそうに明日から始まる
万博をアピールしてはりました。
  大阪での開催は3回目ですね。
’70年のは私は小1で、1回だけ父に連れて行って
  もらった記憶が
あります。
  
今回のも学校から行くの行かんのの話ありましたね)まあ、何のかんの
  問題はあるようですが(終了後の事云々も含めて)
今はただ、皆さん楽しんで、
  無事に終わる事を祈ります…。…

  ’90年の大阪花博のテーマ曲はALFEEさんでした。(大好きな曲!)それは関係
  ないですが、ALFEEの高見沢さんは縁あってサンマリノ
共和国から“騎士
  (ナイト)”に認定されています。確かサンマリノ
は参加している筈ですが
  “高見沢さんのワイン”はパビリオン
(ブースかな?)で買えるんやろか…。

☆「まだ先や」と思っていたら
    もう明日(あした)
      大阪・関西万博開幕!
【詞書】昨日(4/14)のネットニュースやTHE ALFEEさんのX(旧ツィッター)で
  見ました。4/12・13に福岡サンパレスでの
コンサートがあったALFEEさん
  の楽屋に、同じく12・13日にドーム
ツアーで福岡PayPayドーム公演だった
  サザンオールスターズから
見事なフラワーアレンジメントが届いた
  という…。「わ~、すごい
なあー。年もキャリアも近いバンド同志、エール
  の交換みたいな…
お互い頑張りましょうみたいな感じかなあ…。
  
😅まあ、昔桑田さん主催の番組、「メリークリスマスショー」にALFEEさん
  も、(3人で、ではなかったですが)
皆出てはったりしてましたから、まあ仲は
  悪いことはないと
思ってましたが…。サザンも長いキャリアのバンドだし、
  今だに
老若男女に熱心なファンが多く居ます。
  まあ、
双方熱いエールを交換した、ということですよね。ALFEEの坂崎さんも
  Xで喜びの投稿してはったみたいですし…。
私はサザンのナンバーでも
  好きな歌は多いです。どちらも元気に
キャリアを重ねていっていただき
  たいものです。サザンからの
フラワーアレンジメントはなかなかの色使い
  というか…かっこ
良かったです。

☆ALFEE(アルフィー)とサザンが花を贈り合う
              ベテラン2組福岡に居て
【詞書】4月15日の朝のニュースでした。アメリカの歌手、ケイティ・ペリー
  さんが、アマゾンのジェフ・ベゾス氏設立の
宇宙企業ブルーオリジンの
  ロケット「ニューシェパード」で
地表から100㎞の宇宙空間に女性だけ
  6名で上がり、無重力体験を
楽しんだ後、わずか11分後に地球に無事
  帰還しました。映像で
見ていると、地表から100㎞に到達した6名は、
  遠くに月を見たり、
髪をふわふわとなびかせて宙返りしたり、宇宙空間で
  皆とびきり
の笑顔でした。カメラに向けてケイティさんは白い花(私は
  最初
判りませんでしたがデイジーでした)を持って微笑んでいました。

  無事に宇宙船が帰還し、元気に地上に降り立った彼女は地面にキスを
  した後、インタビューに応じていました。そこで「…もの
すごく愛を
  感じた」と言うてはりました。…「地球を外から
見ると人生観が変わる」
  みたいな事を昔から聞いたこと
ありましたが、もしかしたらその
  始まりはそういう風に感じる
ことなんだろうかと、ふと思いました。
  ところで他の5人の女性
ですが、ジェフ・ベゾス氏の婚約者の方、米CBSの
  司会者の方、
元NASAの科学者の方、人権活動家の方、映画プロデューサー
  の方
…だそうです。女性で初めて宇宙へ飛んだのは、旧ソ連の宇宙

  飛行士テレシコワさん(ご健在だとか)。(後に続いて女性宇宙飛行士は
  何人か居て、ISSにも行ってはります。この間もお一人
還って来てはり
  ましたね)彼女の飛行から約60年、複数で宇宙に
行ったのは初めてとの
  こと。あの弾けるような笑顔を見ていたら
何となく、宇宙の時代の希望を
  かんじました。ケイティさんは
娘さんがデイジーさんといい、花の
  デイジーを携えて行ったのは、
“娘さんも一緒に行く”という気持ちが
  あったのだと思います。
…デイジーの花言葉は“平和”や“希望”…。きっと、
  逞しく、
可憐に咲くデイジーにその思いも託しはったんかな…そんな

  気もしました。とにかく無事の帰還に拍手!次はもっとたくさん
  行けるといいですね。

☆デイジーを宇宙(そら)へ携えケイティさん
               5人の仲間と笑顔はじけて
                         ちがやねこさん
【解説】
 一首目の歌は、「1首だけ、今日限定の歌を」とのことで4月12日に
 前もって出詠頂いた歌です。
 大阪・関西万博は4月13日から10月13日までの183日間、大阪市此花区の
 夢洲で開催され、150以上の国と地域、企業・団体が参加し、最先端技術
 や文化を体験できる展示が行われています。
 万博は、当初予算の大幅増額、展示会場が開会に間に合わず、メタンガス
 の爆発等々の問題はありましたが、詠まれているように4月13日に開会され
 ましたね。歌には、作者の開会にあたっての率直な期待感が滲んでいます。
 二首目の歌は、熱烈なALFEEフアンの作者が、サザンオールスターズから
 ALFEE宛て贈られたフラワーアレンジメントについて、心をこめて詠った
 歌ですね。変転著しい歌謡界に在って常に、その最先端で活躍してきた
 二つのグループは、お互いをリスペクトする熱い心と、志を備えた方達と
 考えます。淡々と詠みながらも、そんな想いが溢れる良い歌と感じます。
 三首目の歌、ここで詠まれた事柄は、混沌とした世界情勢の中で、久し
 ぶりに聞く明るいニュースでしたね。「地表から100㎞の宇宙空間」に
 女性だけ6名で挑んだ経験は「人生観が変わる」体験であったことと
 思います。デイジーの花言葉「平和」が一日も早く実現される「希望」
 を持ち続けたいと思います。

☆走水(はしりみず) 弟橘媛(おとたちばな)の哀しみも
                   秘めて凪いる 卯月の海よ
                         ポエット・M
【解説】
 走水海岸の畔にある公園の桜も早や散り時を迎え、花吹雪が海に向かって
 舞い散っています。海は、珍しく
凪いでいました。走水はその名前の通り
 荒ぶ海で有名で、弟橘媛の
哀しい入水伝説も、そこから生まれたと伺った
 記憶があります。
そんな海は、卯月の花曇りを映しどこまでも凪いで、
 弟橘媛の伝説が嘘の
ような様相を呈しています。
 しかし、穏やかに見える海の底深くに、弟橘媛の
深い悲しみがひっそりと
 息づいている想いをぬぐい切れず、そんな想いを
詠ってみました。

「一握の砂」石川啄木 鑑賞(13)
 ブログの文字数制限により割愛致します。
 

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 ブログの文字数制限により割愛致します。  

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。

  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 以下の項はブログの文字数制限により割愛致します。 
                    

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その176 ネット歌会)

2025年04月16日 04時40分58秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その176 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「ネット歌会」の「返歌」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中で自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。飛び入り歓迎です。

☆☆☆ 既に広報されていますが「goo blg」は2025年11月18日(火)をもって
     サービス終了となります。
     「水曜サロン」は「口語短歌を通して、日本の短歌の良さを知って
     頂き、学び合う場」として継続したいと思います。継続を前提に
     以下の条件に合うブログを、
皆さんから提案頂ければ幸いです。
     コメント欄へ記入願います。

     【前提条件】
     ・1コンテンツ30,000コード等の制約のないもの
       (現在 第一部は制限ぎりぎりで 要編集となっています)。

     ・容量は10G程度で、かつ無料なもの
     ・登録、編集、コメント、参照等使い方が比較的容易なもの
     ・ブログの移行が比較的楽なもの
     ・宣伝が少なめで、かつ予期しないサイトへの誘導が無いなもの
     時間的猶予はありますが、4月中には方向性を出したいと思います
     なお、ライブドアブログ、Blogger等を先行して検討しています。


     「咲き満る桜 山桜」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆めずらしや 今年の冬は長引いて 入学式に桜、満開 
                         西BOOさん
★念願の校門くぐれば見えてくる 未知の知識や冒険の旅 
                         夕庵さん

☆小夜更けて桜の花も眠らんか 宴の後の上弦の月
                         夕庵さん
★花見酒 事務所近くの川原で 見上げて酔いしライトアップに
                         西BOOさん
★夜桜の妖しの花に変わるとき 酔いも回りてきみ花の精
                         夕庵さん

☆路地裏の昼を灯せる雪柳 少し揺れゐて  かくれんぼの子
                         みっちっちさん
★雪柳の白さか猫の尻尾かと じゃれ合う春のごごのひととき
                         夕庵さん
★春昼の狭庭にじやれる雀どち じつと見つむる猫の目きらり
                         みっちっちさん
★黒猫のまるい金目の神秘さに 惹かれて今日も引きこまれそう
                         夕庵さん
★サファイアのごとき瞳の白猫に 友達のごと語りかけたり
                         みっちっちさん
★あの女(ひと)は今日も饒舌手を振りぬ 冷たく光るサファイアの青
                         夕庵さん
★サファイアを光らせ笑ふ あの女(ひと)は真夜に帰れり シンデレラとふ
                         みっちっちさん
★門限も死語となりゆく繁華街 絵空事とて吾は夢のなか
                         夕庵さん
★玉手箱あけて ふはふは春の夢 覚めてつづきの気になる話
                         みっちっちさん
★夢うつつ気になる話のしばらくは 空ゆく雲に放ちてやろう
                         夕庵さん

☆ひと雨にいよよ白増す雪柳 風にさざ波沸き立つごとく
                         みっちっちさん
★春の湖きららに寄せるさざ波に 無人のボートが小さく揺れて
                         夕庵さん
★初夏の宝ケ池に日の班照り 恋人たちのボート行き交ふ
                         みっちっちさん
★二人乗るボートは激しい川下り 何処へ行くのか行く先わからぬ
                         夕庵さん
★大岩にぶつかりさうでぶつからぬ スリル満点 川下りに酔ふ
                         みっちっちさん
★川下り 右に左に満開の 桜愛でれば詩も出で来ず
                         夕庵さん
★哲学の道の疎水の花筏 水面すべてを占めて壮観
                         みっちっちさん
★散り果てて花筏なる終焉も美を保ち逝く桜花かな
                         夕庵さん
★櫂あらば乗ってもみたき花筏 小人となりて海への旅路
                         みっちっちさん
★さくら花散りて儚し花筏 ながれ流され夢のごとしも 
                         夕庵さん

     「咲き盛る 花コブシ」

☆ぼんぼりを映し咲き満つ桜花 妖しきまでの 憂い秘めもつ
                         ポエット・M
★満開をむかえ鮮やか桜花 雨に散らされ風に棚引く
                         西BOOさん
★咲き満ちて散るは定めと言うものの 雨に逆らい風に真向かう
                         ポエット・M

☆ぼんぼりを映し咲き満つ桜花 妖しきまでの 憂い秘めもつ
                         ポエット・M
★ぼんぼりの石畳ゆく遠き日の 京の夜桜まなうらに立つ 
                         夕庵さん
★まなうらに 桜月夜の石畳 先ゆく君の 白きうなじよ 
                         ポエット・M
★朧夜の垂れ桜のさゆらぎに 君の胸裡のゆれて切なき
                         夕庵さん
★揺れてなお君への想いひたすらに 貫きゆくや朧夜ぬいて
                         ポエット・M
★手をとりて迷いつつゆく朧夜を 抜ければ何が見えるのだろう
                         夕庵さん
★朧夜の果てに揺れいる ともし火に たがいの明日を求め歩まん
                         ポエット・M
★お互いの胸の灯りの頼りなさ 秀を上ぐるまでの恋の道程(みちすじ)
                         夕庵さん
★儚くも確かな灯りともしつつ 試練のこみち ともに歩まん 
                         ポエット・M
★ふたりして試練いとわず生きなむと 胸の灯りを抱きしめて  なお
                         夕庵さん
★試練さえ想い深める日々なりと 笑みを浮かべる君とたずさえ
                         ポエット・M
★肩越しに見つつ二人の夜桜よ 季節の巡りに言葉は要らぬ
                         夕庵さん
★寄せ合える肩のすき間に舞うさくら 二人の距離は無しと想うに
                         ポエット・M
★肩にふるさくらひとひら手に取りて 君はやさしくわが髪に挿す
                         夕庵さん
★散りゆくも 桜はなびら君が髪 かすめて舞うも煌めき誘う
                         ポエット・M
★わが髪にちらほら霜の置く様(さま)に 月日ばかりは残酷に過ぐ
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き盛る 侘び助」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その175)

2025年04月09日 05時28分26秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その175) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致して
     いますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 ☆☆☆ 今回ブログの字数制限を超えた為「詞書」等を一部編集させて頂きました。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き満ちる 大島桜」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 「光る君へ」は昨年12月15日を持って終了致しました。昨年1年間
 源氏物語贈答歌の返歌をやって来ましたが、どうにか24帖まで来ました。
 旬を過ぎて行くテーマに続けるかどうか悩みましたが最後の帖まで
 続けようと思いました。何卒よろしくお願いします
「29.胡蝶(こちょう)」
 三月、春たけなわの続く春の御殿で源氏は船楽を催した。折しも
 秋好中宮が里に下がっていたので、中宮に仕える女房達も見物し
 盛大な宴となった。源氏の弟、蛍の宮をはじめ、参列した男たちは
 玉鬘の存在に気もそぞろだった。玉鬘は洗練の度を増し、多くの
 文が届けられる。源氏はすべての文を読み玉鬘に対応を指示するが、
 自身も恋心を募らせていく。玉鬘は源氏を信頼する様子だが、
 紫の上はその本心を察し不安を感じる。源氏は親代わりの身と
 内省しながら、雨の夜、玉鬘に告白する。突然のことに玉鬘は
 困惑する。
〇橘の 薫りし袖に よそふれば 変はれる身とも 思ほえぬかな   光源氏
註)懐かしい母君(夕顔)とあなたを比べてみるととても別人とは
  思われません
〇袖の香を よそふるからに 橘の 身さへはかなく なりもこそすれ 玉鬘
註)懐かしい母君と似ていると思われますと私の身までが母と同じように
  短命になってしまうかも知れません
(返歌)
☆恋しくて 耐えがたい思い 密やかに 手を握るのも 感慨深く 光源氏
☆現実に あり得ないこと 悲しくて 大層辛く 涙こぼれる   玉鬘
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「源氏物語」の「胡蝶」の巻は、若紫や桐壺と同じく物語全体の中心的な
 舞台であり、平安時代の宮廷生活や人間模様を描いた重要な巻です。
 ここでは、春の風情が漂う宴や儀式が描かれ、その中で登場人物たちの
 想いや立場が微妙に交錯します。
 玉鬘は成人し、美しい貴婦人として宮廷に登場する場面が描かれ、養父で
 ある光源氏から愛情深く庇護され、その美貌が宮廷内外で注目されます。
 特に光源氏が企画する宴や花見では、玉鬘がその中心となり、周囲の人々を
 魅了する姿が強調され、本格的な宮廷デビューを果たす舞台となりました。
 また、「胡蝶」では、華やかさの中に儚さが潜む複雑な想いや美意識を
 巧みに織り込んでおり、物語全体のテーマを深化させている巻と考えます。
 このような背景を踏まえ、光源氏、玉鬘の歌と、作者の返歌を鑑賞させて
 いただきました。なお、光源氏はこの歌を詠みつつ、玉鬘の手を握って
 養父らしからぬ行為をしますが、玉鬘は困ったと思いつつうつ伏して
 「短命になってしまう」と、
せめてもの想いを返歌に込めています。
 作者の返歌は、それぞれの想いを代弁して詠まれ、納得感のある歌に
 なっていると考えます。なお、玉鬘の想いを少し深堀して詠んでみました。
【ご参考】
 ★懐かしき母のおもかげ宿すとも 吾はわれなり 養父(ちち)は父なれ

【詞書】春の季語である「霞立つ」「風光る」「陽炎」を用いて、
  乗り物シリーズ、船、車、飛行機と三首、詠んでみました。
☆むらさきに瀬戸の島々 霞立ち さざ波白く船腹に寄る
☆風光る湾岸線を華麗なる 君のハンドルさばきに酔へり
☆機首を上げ はるか機体は陽炎ひて 心で君にさよならを告ぐ
                         みっちっちさん
【解説】
 俳句で用いる春の季語を詠みこんで、三首の歌を詩情豊かに詠んで
 頂きました。
 一首目の歌の繊細で情緒に溢れた表現に、感銘を受けました。
 この歌では、「むらさき」「霞立ち」「さざ波白く」といった情景の
 描写が的確で、視覚的なイメージが鮮烈に伝わってきます。瀬戸内の
 島々の静かな佇まいや、船がさざ波を切って進む様子が描かれ、その
 情景が鮮明に浮かび、作者の感性に直に触れる想いが致します。
 特に「むらさきに瀬戸の島々」の表現は、色彩表現が秀逸で、心が
 柔らかく包まれるような感覚になります。また、「霞立ち」や、
 「さざ波白く」というフレーズは、動きや穏やかさも表現され、静寂さと
 動的な要素のバランスのとり方が巧みです。
 二首目の歌、「華麗なる 君のハンドルさばき」を見抜く、作者の慧眼も
 中々なものと考えます。こんなシチュエーションの中でドライブして
 みたいとの想いにさせる歌です。
 三首目の歌は、上の句で飛行機が上昇し、さらに機体が陽炎の中に消え
 去っていく情景が、時間の流れとともに繊細に描写されています。
 下の句の「心で君にさよならを告ぐ」の表現は、この歌の余情性をさらに
 深めています。なお、ここでは物理的な別れと、心の中での別れの両方が
 込められており、切なさと哀愁も感じられます。また、どこか儚さを含み
 つつも、想いの深さが伝わる一首だと思います。

【詞書】ドジャースの佐々木選手を詠ませて頂きました。
☆ドジャースの佐々木 2回で降板に 浮かぶる涙滲む悔しさ
【詞書】NHKの放送100年目を詠ませて頂きました。
☆NHK今年で放送100年目 これ程テレビが薄くなるとは
【詞書】開花した桜を詠ませて頂きました。
☆寒戻り 川辺の桜北風に吹かれ 早々 花筏なる
                         西BOOさん
【解説】
 今回は「ドジャース佐々木選手」「NHK放送100年目」「花筏」を
 テーマに、時事を交えて三首の歌を詠んで頂きました。
 一首目の歌、今季ドジャースに新加入した佐々木朗希投手は、ここまで
 苦しい投球が続いていますが、チームにマイナー降格を要求する声も
 高まっていると言われています。制球力の乱れにより苦しんでいる
 状況ですが、詠われているように「2回で降板」はさぞかし悔しかったと
 思います。なお、下の句ですが「浮かぶ涙に滲む悔しさ」等はいかが
 でしょうか。

 二首目の歌、2025年3月22日に日本のラジオ放送の開始から100年を
 迎えましたが、当初のテレビはブラウン管で14インチテレビで奥行きは
 約30~45センチ程度と
かなりの厚さでした。詠まれているように
 「これ程テレビが薄く」
なり、今の液晶テレビと比べると隔世の感が
 ありますね。このテレビ
技術の発展には、日本の技術者たちの苦闘とも
 言える苦労と、存在感をかけた貢献があります。

 三首目の歌、今年の桜は開花してから満開になる日にちが平年に比べ
 短いと言われました。しかし、開花してから寒い日が続いたことにより
 少し長持ちしている感もあります。なお、詠まれているように北風に
 吹かれ既に散る花もあり「花筏」となって川を埋める景観も
見られます。
 開花を待たれた桜が、咲き満ちて散っていき、さらに花筏となって
 川を埋めながら下る様は、私達日本人の美意識をかき立てますね。
 こんな景観をゆったりと眺め、心から楽しみたいものですね。そんな
 想いが誘われる歌でもあります。

【詞書】ぎっくり腰の痛みの取れる間、万華鏡で遊びました。今回は
  ひとしきり、さながらに おのずからを意識的に使ってみました。
☆万華鏡のとりこになりて ひとしきり 影なき妖しの夢に遊びぬ
☆さながらに白鳥飛び立つ大空へ 回転しながら消えてしまうも
☆煌めきの星の真砂もおのずから 蟻地獄へと落ちてゆくなり
                         夕庵さん
【解説】
 万華鏡の作り出す不可思議で、魅惑的な世界を三首にわたって詠んで
 頂きました。
 一首目の歌、「万華鏡のとりこ」や「影なき妖しの夢」という表現が、
 非現実的な世界へと誘います。万華鏡は色とりどりの美しい変化を
 象徴的に示すものですが、それが「とりこ」となるほど魅力的で、目を
 奪われる様子がうかがえます。そして「影なき妖しの夢」は、さらに
 不思議さを深め、形のない儚さや幻影を表現しているように思います。
 また、万華鏡の作る非現実の世界に「ひとしきり」心を遊ばせている
 様子が伝わってきます。この歌の表現は緻密で、余情性を深めています。
 二首目の歌、これは万華鏡が作り出す絶えず変化する美しさと、虚像ゆえの
 瞬間の儚さとを詩情豊かに表現していると感じました。
 上の句では、万華鏡の中で模様が形成される動きを白鳥が飛び立つ様子に
 例えており、優雅さと壮大さが巧みに表現されています。また、下の句は
 万華鏡の模様が回転し、次の瞬間には消え去る特性を絶妙に描写して
 います。この消失は、美しさの刹那性を強調し、万華鏡の持つ幻想的な
 特質を物語っています。この歌は、動きと消失という対照的なテーマを
 通じて、万華鏡の美しさを詩的に捉えたところが優れています。
 三首目の歌は、作者の観察力と、想いに哲学的な深みが感じられます。
 上の句では、万華鏡の幻想的で多彩な世界を巧みに描写し、星砂の煌めきは
 一瞬の美しさを象徴しています。それが「おのずから…」で下の句へと
 続くことで、華やかさの背後にある運命的な移ろいを暗示しているように
 読み取れます。「万華鏡」という一見無害な象徴が「蟻地獄」へと繋がる
 ことで、視覚の美しさだけでなく、その内面に潜む脆さや儚さを反映して
 いると感じられます。さらに、この歌は感覚的な美しさを超え、人生の
 本質や運命の変転をも言及しているようにも感じられます。


     「咲き満る桜 染井吉野」

【詞書】YouTube短歌:変革 チャイコフスキー バイオリン協奏曲を
  聴きながら
☆私は今変わりつつある
    時代を超えたい
  壁を超え今日
      明日
【詞書】赤毛のアン
☆シャーリーは野が好き
       花が好き
       鳥が鳴くのが好き
 海が輝くのも
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 一首目は、チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35を
 聴きながら作りました。子供の頃の昔から聞いて居る好きな曲って、
 短歌にしづらいと思ってます。最初に買ったクラッシック曲ですが、
 コーヒーのコマーシャルで覚えただけでしたが。
 今でも、このバイオリン協奏曲を聴くと、流れる余情を感じます。
 バイオリンのままに、自身の壁を越えたいと。
 チャイコフスキーは巨匠なので当たり前だが、バイオリンと
 オーケストラのバランス、人の心に訴えかける物、とても愚詠では
 表現が足りないと思います。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/d6b4d9b28979dde38d870a9f1fd8c650
 二首目は、赤毛のアンのアニメ「アン・シャーリー」が、NHK教育で
 放映していたのを偶然観ました。
 孤児のアンが、孤児院からプリンス・エドワード島のマシュウと
 マリラのカスバート兄妹に引き取られるシーンでした。
 赤毛のアンが、沢山の読者に愛されたのも、納得しました。
 もちろん読んだ事は無かったです。
 詳細は、拙blogにリンクを貼っておりますので、お好きな方は、
 ご覧になっては。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/4b635f8797c2d50aa6579619a21ddc6f
                         自閑さん
【解説】
 一首目の歌は、作者の短歌説明にもありますように、チャイコフスキーの
 ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品35を聴きながら詠まれたとのことです。
 私も改めて当該曲を拝聴させて頂きましたが、この歌は、チャイコフスキーの
 ヴァイオリン協奏曲が持つ力強さ、情熱、そして未来への希望といった要素を
 捉え、作者自身の内面の変化とを重ね合わせていると感じました。
 上の句の「私は今変わりつつある」は、協奏曲の冒頭の力強いオーケストラの
 響きや、ヴァイオリンが奏でる情熱的な旋律に触発され、自身の内面に湧き
 上がる変化を率直に表現されています。「今」という瞬間に焦点を当てる
 ことで、その変化の鮮やかさが伝わってきます。
 下の句の「壁を超え今日」では、人生における様々な困難や障壁を「壁」と
 捉え、それを乗り越えて「今日」という現実を生きている、あるいは生きようと
 する強い意志が表れています。なお、協奏曲の技巧的なパッセージ(楽節)を
 克服していく独奏ヴァイオリン奏者の姿と重なるようです。
 また、「明日」との言葉は、「今日」を超えた先にある「明日」への希望が
 示されていると解釈させて頂きました。過去や現在にとらわれず、未来に
 向かって進んでいこうとする作者の前向きな姿勢が感じられ、協奏曲の
 フィナーレが持つような、明るく力強い未来への予感と呼応しているとの
 印象を持ちました。
 二首目の歌、アン・シャーリーは、カナダの作家モンゴメリの小説
 「赤毛のアン」の主人公ですね。彼女の豊かな想像力と溢れる情熱が、引き
 取ってくれた、カスバート兄妹を次第に魅了し、村の人々と関わりながら

 新しい家庭と社会に馴染んでいく成長と冒険の物語です。
 詠われているように「野が好き花が好き 鳥が鳴くのが好き海が輝くのも」と、
 アン・シャーリーの夢見る力や、生きる喜びを具体的な事象をあげ、しかも
 リズミカルに表現したところが秀逸と思います。特に「海が輝くのも」の
 結句が余韻を深めています。

【詞書】春爛漫〜今、主人の実家におります。裏の桜並木が満開を迎えていて〜
  季節を忘れず咲いてくれる桜の花が…義母を亡くした今年は特に愛おしく
  思えています。🌸の蕾の頃から詠んでみました。
☆花蕾 弾けて咲くか 青空に
    雪降る日から やがて三月(みつき)に。
☆花冷えの 曇り空にも 1つずつ
    蕾はひらく 桜並木に
☆満開の 桜並木を 朝さんぽ
    花弁はらり クロの背中に
                         クロママさん
【解説】
 蕾から花開き、満開に至る桜を三首の歌に詠んで頂きました。
 一首目の歌は、時の流れを上手く詠みこみ「弾けて咲くか」に結び
 つけた表現が巧みです。
 二首目の歌、上の句の「花冷えの曇り空」に象徴される季節感は、日本
 ならではの春の肌寒い情景を鮮明に浮かび上がらせ、その中で
 「蕾はひらく」という描写が、生命の力強さや未来への希望を感じ
 させます。なお、「曇り空」という不安定さや寂寥感と、「蕾がひらく」
 という生き生きとした変化が対比となっており、絶妙なバランスで詩的な
 感動を生み出しています。
 三首目は、クロちゃんとの朝散歩の長閑な雰囲気と、楽しさの溢れる
 良く分かる歌になっていますが、「花弁はらり」の字足らずが少し気に
 なります。「花弁はらりと」、あるいは「花弁ひらひら」等を検討して
 みましょうか。

【詞書】イスラエル軍は、「“不審な車両”狙った」みたいな事を言って
  いたのが、攻撃を受けて亡くなった救急隊員の携帯からの映像に
  あった、赤色灯もライトも点灯していた様子が公開されると、
  「ミスだった」と、説明を変えたそうです。パレスチナ自治区では
  医療従事者の犠牲者もかなり居るそうです。
  イスラム世界の“赤い三日月”は赤新月社…“赤い十字”の赤十字社と
  同じく、医療に関わる印です。例え戦場であっても
それらを攻撃する
  ことは人道にもとる行為です。
言い訳なんてもう聞きたくないです。
  一刻も早く停戦を話し合い
をそして終戦を!そして、パレスチナ
  自治区で亡くなられた方々に哀悼の意を表します…。

☆人命を救いに走りしガザの街
      銃撃されし“赤い三日月”
【詞書】…「世界の皆さんごめんなさい」と書かれたプラカードを掲げた人も
  いたそうです。アメリカはワシントン、ボストン、シカゴ、ニューヨーク、

  ロスアンゼルス…等々で数十万人規模、他ロンドン、パリ、ベルリンなどでも
  トランプ米大統領に抗議する人々の大規模なデモが起こっているそうです。
  アメリカから全世界への関税など、何しとんねん!とハッキリした
  意思表示です。アメリカ人みんながみんなトランプ大統領に賛同して
  いるわけではない。…だそうで。このままだと、自分たちも大変なことに
  なるってやっと判った人も居るって事?…まあ、いわゆるガチの
  自由”と“民主主義”の火はまだ消えていませんね。やはりアメリカ!
☆トランプに「NO!」と言いたい人々が
         その意志示す世界各地で
【詞書】“山笑う”は俳句では春の季語です。
  4/5(土),4/6(日)に宇治川の中の島(塔の島、橘島)で“さくらまつり”
  がありました。まあ、だいたい、ほぼほぼ咲きそろったかな~という
  感じでした。久々にちゃんと露店も開いてる時分に行けて、ちょっと
  気分も↑↑上々。桜をスマホでカシャカシャ♪

  ただでさえ人(観光客)が多い昨今ですが、やはり人が多いぜっ!!桜
  の魔力のワンダーランドに皆様
どっぷりでございますぅ!!宇治植物園
  からのブースで、母にお土産の
つもりで小さいネメシアの鉢を買いました。
  久しぶりに“聖地・久美子
ベンチ”で聖地巡礼に来ていた見ず知らずの
  「響け!ユーフォニアム」の
ファンの人とちょっと話もしたり…。ちなみに
  「ユーフォ」は来年の劇場版の公開が決定しました。
5日、土曜日に
  商店街に行ったら、スーパーの向かいの路地にある店舗の横の利休梅も
  満開でした。(わぁいテンション上がるよな~)

☆宇治川の“さくらまつり”は賑わいて
         人々見下ろし山笑いをり
                         ちがやねこさん
【解説】
 「赤い三日月」『トランプに「NO!」』「宇治川の“さくらまつり”」を
 テーマに、三首の歌を時事詠を含めて詠んで頂きました。
 なお、「時事詠」については先にコメントせて頂きましたが、今の時代、
 時々刻々情勢が変わりますので、その本質をとらえて詠みきることの
 難しさは確かに存在します。しかし、詩人としての感性を研ぎすませ、
 事象の本質に切り込み「詠む」挑戦も必要と感じます。世の流れの予兆を
 洞察し、詩人の感性と危機感をもって、その本質を見抜いていく感性。
 それをもって「直観は誤らない」の言葉を信じて、歌として結実させる、
 そんな挑戦を
していけたらと思っています。かつて戦時下で、自ら詠む
 一首の歌に命すら
かけた詩人たちの存在を今想い起しています。
 一首目の歌、“赤い三日月”の車を狙い撃ちするイスラエル軍の在り方は
 詠まれているように、戦場下であれ「人道にもとる行為」として糾弾される
 行為と考えます。この種の歌は「告発」として大いに詠まれるべき時事詠と
 考えます。この惨禍のもと、故なく命を奪われた多くの御霊に、哀悼の誠を
 捧げ
たいと思います。
 二首目の歌、自らを「王」としてアメリカに君臨し暴走する、かの大統領に
 詠まれているように「NO!」と「意志示」し、うねりにしていくことは、
 今
必要と感じます。世界恐慌にも匹敵する世界的な経済破壊を許さないため
 にも…。それによって最も苦しむのは私達庶民です。
 三首目の歌、作者の詞書にもありますが、「山笑う」は俳句では春の季語
 ですね。草木が芽吹き、花が咲き鳥のさえずる春の山を擬人化して「山笑ふ」
 と言っています。この句を用いて「人々見下ろし山笑いをり」と歌をまとめた
 手並みは鮮やかです。桜や利休梅の咲く様を見てテンションを上げ、さらに、
 それらを味わうゆとりを持ちたいですね。
 なお、『「ユーフォ」は来年の劇場版の公開が決定』されたとのこと。フアンに
 とっては嬉しい知らせですね。

☆ぼんぼりを映し咲き満つ桜花 妖しきまでの 憂い秘めもつ
                         ポエット・M
【解説】
 市内では桜の名所と言われる公園。桜の開花に合わせてぼんぼりが灯され
 夜桜が楽しめるようになっています。過日、満開に近い桜の花見に行って
 参りました。「ぼんぼり」の灯りの揺らめきと、咲き満ちる桜が呼応する
 かのように微かに揺れる様は、幻想的な雰囲気を醸し出していました。
 その桜は、咲き誇る奢りに遠いどこか憂いを帯びているかに感じてしまい
 ました。咲き満ちる刹那、すでに花びらを散らす儚い定めを桜木が悟って
 いると感じるのは人の思い上りでしょうね。そんな想いを詠ってみました。 

「一握の砂」石川啄木 鑑賞(13)
 本件、字数制限のため次週へ掲載させて頂きます。

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は該当事項が無いため割愛させて頂きます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 以下の項目は字数制限により次週に掲載させて頂きます。

                    了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その175 ネット歌会)

2025年04月09日 04時53分48秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その175 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「ネット歌会」の「返歌」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中で自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。飛び入り歓迎です。


     「咲き満る桜 染井吉野」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆寒戻り 川辺の桜 北風に吹かれ 早々 花筏なる
                         西BOOさん
★さくら花 風雪被り頭を垂れつ 涙の雫 春は気まぐれ
                         夕庵さん

☆万華鏡のとりこになりて ひとしきり 影なき妖しの夢に遊びぬ
                         夕庵さん
★孫宛てに投影型の万華鏡 電話で「ジイジ綺麗かったよ」
                         西BOOさん
★無心にて孫の遊びし万華鏡 いかなイメージ夢見ているや
                         夕庵さん
★楽しんだ夏の山上遊園地 もしや夢にも出てきてるやも
                         西BOOさん
★春の空 手を振る孫はヒコーキの 一周するごと笑顔弾けて
                         夕庵さん

☆むらさきに瀬戸の島々 霞み立ち さざ波白く船腹による
                         みっちっちさん
★瀬戸内の君住む島は朝夕に 潮騒の音聞こえるばかり
                         夕庵さん
★偲ばるるふるさとの村 朝夕の鐘聞きながら日々のいとなみ
                         みっちっちさん
★朝夕の新聞見ても おぞましき事件の多し さくら見に行く
                         夕庵さん
★人間の生まれし時は皆同じ おぞましき道行くは何ゆへ
                         みっちっちさん
★人間は哀しき性(さが)を合わせもつ 善と悪とのやじろべえなり
                         夕庵さん
★この道を進むか否か 人生の岐路に迷へるやじろべえなり
                         みっちっちさん
★さくら咲くこの道歩けば思い出す 遠き目をして語りし友を
                         夕庵さん
★円山の枝垂れ桜を楽しみて デートコースは洋館のカフェ
                         みっちっちさん
★丸山の枝垂れ桜もよみがえり 見事な傘のなかのお花見
                         夕庵さん

     「咲き初める 枝垂れ桜」

☆機首を上げ はるか機体は陽炎ひて 心で君にさよならを告ぐ
                         みっちっちさん
★旅立ちは笑いと涙のエアポート 君の前途は洋々ととして
                         夕庵さん
★島を立つ連絡船に若者は リュックひとつに希望を詰めて
                         みっちっちさん
★おおいなる夢と少しの不安のせ 行き交う船に手を振る人ら
                         夕庵さん
★春風の伊根の舟屋の観光船 かもめ群れ飛び手を振る人ら
                         みっちっちさん
★輪を描き伊根の舟屋にカモメらは 魚をねだりて今朝もにぎやか
                         夕庵さん
★にぎやかな下校時間に 君の背を見つめるのみのはじめての恋
                         みっちっちさん
★目を伏せて見つめることもなきままの 淡き思いの初恋ありき
                         夕庵さん
★おしゃべりも気軽にできぬ初恋は 斜め後ろに座りし君よ
                         みっちっちさん
★婚活のマッチングアプリの落とし穴 恋模様なきネットの世界
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き盛る 花桃の花」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その174)

2025年04月02日 05時37分39秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その174) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致して
     いますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き満ちる 大島桜」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 3月24日東京・上野公園では桜の開花宣言がだされました。そこで今週は
 源氏物語贈答歌の返歌はお休みします。今、私のブログでは世界の
 桜特集をやっていますが、未発表の短歌を投稿します。
【詞書】韓国「汝矣島公園」
 韓国・ソウルの中心地にある汝矣島公園(にょいとうこうえん)には、
 約2kmに渡って1600本の桜が並んでいます。
☆人々の 心に響く 体験は 花を通して 美しさ祝う
【詞書】中国「東湖桜花園」
 中国の武漢市東湖の桜花園は、桜の世界三大名所の一つとして知られて
 いるスポットで日本の桜が植えられています。現在では、5000本以上もの
 桜が見事に咲き誇り、年に一度の桜祭りが開かれています。
☆角栄が 日本の桜 寄贈して 交流始まる 日中友好
【詞書】台湾「阿里山」
 毎年春になると、台湾の阿里山では桜のシーズンを迎えます。阿里山
 森林遊楽区内にはソメイヨシノが最も多く植えられていて、3月中旬から
 つぼみがふくらみ、3月末になると満開になります。
☆ロマンチック 風情な景色 美しく 桜吹雪の 艶やかさ競う
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 今年の桜は平年に比べ、開花宣言が出されてから満開までの期間がかなり
 短かく、東京では3月31日に満開となったとのことです。せわしない世情
 ですが「しず心」をもって桜を眺めるゆとりを持ちたいものです。時宜に
 かなった「世界の桜」特集、楽しく鑑賞
させて頂きました。
 一首目の歌は、毎年4月上旬に開催されるソウル最大の桜祭り「汝矣島
 春の花祭り」について詠んで頂きました。桜をはじめツツジやレンギョウ
 などの花々が咲き誇るソウル随一のお花見スポットの汝矣島。そこで開催
 される「桜祭り」は韓国のみならず海外からも多くの見物客が訪れるとのこと。
 「花を通して 美しさ祝う」様子が、率直に詠われ好感のもてる
観光詠に
 なっているとも感じます。

 二首目の歌、詞書にもありますように中国屈指の桜の名所で、面積は東京ドーム
 4個分の敷地に、ソメイヨシノや枝垂桜など約60種類の桜が植えられているとの事。
 なお、1979年に田中角栄元首相が78本のヤマザクラを周恩来元首相夫人の鄧穎超
 に寄贈したことを機に「東湖桜花園」が整備されました。「78本」には
1978年の
 日中平和友好条約締結を記念し、78歳で亡くなった周恩来氏を追悼する
意味が
 あったといわれています。角栄氏をして、ここまで思わせた周恩来氏の
魅力と、
 人としてお互いに肝胆相照らす仲までの導いた不可思議さも感じます。そんな

 想いを込め、作者の歌を踏まえ、ご参考として詠ってみました。
【ご参考】
★角栄の贈りし桜の本数に 込めたる想い 迫るものあり
 三首目の歌、ソメイヨシノ、台湾カンヒザクラ、ヤエザクラ…と、阿里山の
 春は山一面サクラに覆われます。巨木の林では、緋色のカンヒザクラと淡い
 ピンク色のソメイヨシノが艶やかさを競い、周辺の木造建築に桜吹雪が散り
 そそぎロマンチックな風情を醸すと言われています。花の季節の阿里山は
 幻想的な美しさを作りだしていますが、作者の歌はその様子が情趣深く詠まれ
 ています。「ロマンチック風情な」を少し具体的に詠んでみましたが…。
【ご参考】
★阿里山を包みて煙るさくら花 妖しきまでに艶やなし吹雪く

【詞書】春場所の大の里を詠ませて頂きました。
☆大の里 綱に王手の賜杯取る 四月は地元 石川巡業
【詞書】黄砂と春風を詠ませて頂きました。
☆黄砂にて晴れ間もどんより霞む山 ただ春風が眠気誘(いざな)う
【詞書】各地で起こる山火事を詠ませて頂きました。
☆奇怪なり連日乾燥注意報 先例の無き山火事頻発
                         西BOOさん
【解説】
 「大関 大の里」「黄砂と春風」「山火事」をテーマに時事詠を含めて
 三首の歌を詠んで頂きました。
 一首目の歌、石川県出身の大の里関は、師匠の二所ノ関親方を超える
 3度目の優勝を達成しました。大関の地位で優勝したため、翌5月場所は
 昭和以降で最速となる横綱昇進が期待されています。その状態を
 「綱に王手の賜杯取る」と、すっきり表現した手並みは秀逸です。
 また、地震と豪雨に襲われ未だ復旧の途上にある石川に、勇気と希望を
 届ける「石川巡業」も詠みこまれ、優れた歌と感じました。
 二首目の歌は、まさに詠まれた通りですね。「眠気誘う」も実感ですね。
 三首目の歌、アメリカロサンゼルス近郊でも2025年1月に大規模な山火事が
 発生しましたが、詠まれているように日本でも「先例の無き」大規模な
 山火事が頻発しています。これも、かの大統領が背を向ける地球温暖化の
 影響の具体例と思います。「奇怪なり」の現象の根を見定めたいと思います。


     「咲き初める 紫モクレン」

【詞書】日本仏教の母山と言われる比叡山を眺めながら学生時代を
  過ごしました。そんな青春を回顧して三首詠みました。
☆賀茂川に日の班躍りて眩しげに 霞む比叡を見やる横顔
☆叡山へくれなゐの雲流れゆき 川辺に夢を語りし日暮れ
☆稜線の明暗しるき比叡山 京に学びしことは数多に
                         みっちっちさん
【解説】
 加茂川から比叡山を眺めながら、学生時代を送られた作者の青春回顧の
 三首の歌。何れも懐かしさの中に、青春という一時の輝きが風景を通して
 繊細に表現されて感動を誘います。
 一首目の歌、「賀茂川」「日の班」「霞む比叡」などの表現が、詩的で
 ありながらも具体的で、自然の中の一瞬の光景を鮮明に映し出しています。
 特に「日の班躍りて」という動的な描写は、日の光が水面に踊るような
 きらめきを彷彿とさせ、歌に視覚的なインパクトを与えています。
 なお、「霞む比叡を見やる横顔」とありますが、心を寄せる方が比叡山を
 眺める姿に、その方の胸に去来する想いに全幅の信頼を寄せる明るさが
 溢れています。また、「眩しげに」という言葉選びも、具体的なしぐさを
 描写しつつ、その中に込められた作者の深い想いも感じられます。
 二首目の歌の「くれなゐの雲流れゆき」の表現が優れています。
 三首目の歌、上の句では比叡山の稜線に映る光と影を鮮やかに描写して
 おり、動的でありながらも静寂を湛えた情景を思い起こさせます。この
 自然の描写は、
作者の心情や人生の陰影にも通じるように感じられます。
 下の句では、京都で得た多くの学びが語られ、それ以上にその体験への
 想いが滲み出ています。この表現からは、過去の充実した時間への誇りと
 郷愁が感じられ、今の作者を形成した深い学びの跡もうかがえます。

【詞書】初めてのぎっくり腰!医者はじっとしていないで、動いて治せと
  宣う。4日目くらいから痛みはやや引き、いつも神経は腰にあって
  動きは緩慢ながらも楽になり、今日はいつものように体操教室へ
  行って、軽くこなしてきました。しばらくは湿布とカイロが
  欠かせません。
☆花粉症の家族は朝から不機嫌で 吾はぎっくり腰の激痛に泣く
☆短髪で茶髪のドクター指長く 腰に湿布を貼りてくるるや
☆春嵐に帽子押さえつ そろそろり 書店への道まだ遠くして
                         夕庵さん
【解説】
 初めてのぎっくり腰とのこと。あの激痛と鬱陶しさは経験しないと中々
 わかって頂けないもどかしさがありますね。お見舞い申し上げます。
 医師も言われる通り、炎症が鎮まったら無理のない範囲で動いて治すしか
 方法は無さそうですね。そんな症状への辛さと、それでも前を向く作者の
 姿勢が歌からうかがえます。
 三首目の歌は、春嵐の強い風の中、帽子を押さえつつ慎重に歩みを進める
 作者の様子が、鮮やかに映し出されています。「そろそろり」という表現が
 特に印象的で、作者の体の状態や気配りが風景とともに巧みに融合しており、
 切実でありながらも、どこか微笑ましい一瞬を捉えています。
 「書店への道まだ遠くして」という下の句に至るまでの心情には、腰痛を
 抱えながらも目的地への思いを断念せず進む強い姿勢が滲み出ています。
 なお、この歌は、困難を乗り越えようとする力強さと、前向きなお人柄が
 感じられる魅力的な一首です。

     「咲き初める椿 月の輪」

【詞書】去年の6月に一週間ほどの予定でISSにボーイング社の
  “スターライナー”で行った宇宙飛行士達のうちアメリカ人のお二方が
  3月19日、スペースX社の“クルードラゴン”でおよそ9ヶ月ぶりに地球への
  帰還を果たしました。いや~、無事にご帰還おめでとうございます!
  “スターライナー”の不具合で思いもよらず長期の滞在になった
  お二方ですが、予定外の事にも冷静に他のクルーと共に実験など作業を
  したりして過ごしていたんだそうです。さすがは厳しい訓練を経て宇宙
  飛行士になられた方々です。しばらくは帰れなさそう、となっても淡々と
  宇宙での生活を送られていたんですね。
  3月31日→4/1にかけての夜中にネットニュースでお二方が記者会見を
  されたと知りました。その中で、よく「取り残された」と言われている事に
  ついて「そうではない」と、何かそういう風に表現されることに意見して
  はりました。きっとホントに最初は「どうなるんだろう…?」みたいな
  気持ちが少しは頭をよぎったかもしれないな…と、私などは思うん
  ですが、お二方は「開き直った」的なことを言うてはりました。👏…
  そうでしょうね~、そうでないと“やってられへん”ってことですよね…。
  SF小説やアニメや漫画で描かれているように、観光や仕事やらで一般の
  人々が宇宙へ軽々と行ける世界ではまだまだ無いんですもんね~。
  限られた、肉体的にも精神的にも厳しい訓練を受け、選別されてあの
  場所に居る人達ですもんね~。
  いや、お疲れ様でした。ご無事で何よりです。…ちなみに、大西さんの
  船長就任はこの間ISSに到着された直後…ではなかったんですね。
  4名の乗組員の人達が帰還された後ということだとか。…勘違い
  してました。失礼しました!(いつになのかはちょっと忘れました)
☆ISSから還り来し宇宙飛行士ら
        思わぬ長き滞在を経て
【詞書】3月25日(火)の朝に朝刊で知りました。
  パレスチナ自治区ガザ南部のハンユニスで、朝日新聞のパレスチナ人
  通信員のムハンマド・マンスールさんが自宅で妻子(子供さんは生後
  数ヶ月の息子さんだそうです)と共に、イスラエル軍のミサイル攻撃を
  受けて亡くなったのだそうです。NPO法人「地球のステージ」に所属も
  していて、外国人メディアが入れないガザを取材していたのだとか。
  …後日、現地のスタッフから聞き取りを続けていた「朝刊のステージ」の
  代表理事である桑山氏によると、当初マンスールさんと一緒に亡く
  なったと伝わっていた彼の妻子は病院で治療を受けているとも…。
  その話を聞いた後、どうか助かっていますようにと祈るばかりです。
  マンスールさんの死もニュースとして「報道ステーション」や
  「ニュース23」(TBSからも委託を受けていたそうです)で、彼の取材した
  映像と共に伝えられていました。瓦礫の散乱する街なかで小さい娘の
  ために何か薄焼きにしたものをくるくるっと巻いて食べさせていた
  男性、男性へのインタビューの後、嬉しそうに口にする少女に、優しく
  「幸せかい?」と聞くと少女は少しはにかんだように笑顔を見せ、
  マンスールさんは祈りの言葉を掛けてその場から離れ、また別の
  揚げ物を作る男性へ穏やかな口調で声を掛けていました。男性は
  「ずっとやってきたことだから」と、せっせと揚げ物(豆のコロッケだそう)
  を表情を変えずに作ってました。お腹が空いていても決して自分では
  それは食べないという物売り屋台の少年など…。銃など持たない
  民間人、市井の人々の間を歩き回り、その状況だけでなく心情も取材し
  我々に伝えてくれていた人だったんだな…と。こういう人達が死と
  背中合わせで取材されているからこそ、ハマスだとか戦いや憎しみ
  だとかではない、一般の人々の生活や思いや望みや悲しみを伝えて、
  戦争はそういう人々や日常を踏みにじり傷つけ消してしまい、憎しみや
  嘆きしか残さないということが世界にも伝わるんだと感じました。
  パレスチナ自治区などで’23年10月から、ジャーナリストの死者は
  マンスールさんで207人、同時期だと思いますが、中東の衛星放送局
  アルジャジーラの23歳の記者、シャバトさんも亡くなって、208人…
  もしかしたら、4月1日時点でどうなっているかはちょっと判りませんが、
  国連の職員などにもまた犠牲者が出たということで、記者に限らず
  “武器を持たぬ者”が当地の人々とともに多数亡くなっているそうです。
  もう、いい加減にしてほしいです…。ウクライナとロシアにしても……。
  全ての死者に祈りを……。💧
☆ガザの苦難 伝え続けた現地記者
          死亡を報じる朝刊1面
【詞書】3/23(日)に宇治川右岸の興聖寺で彼岸会があり、回向の案内などが
  来ていたので、父の死後の初彼岸ということで、行ってきました。
  (10時からと1時からがありましたが、1時からで…)法話、法要が
  滞りなく終わり、境内(梅や椿がよく咲いていたので)を散策し、
  大好きな椿をいくつかスマホで撮ったりして帰路につく…より、
  川沿いに咲く椿を撮りまくると…。“源氏物語の像”のそばの
  ヒカルゲンジも綺麗に咲いていました。
  …自転車で宇治橋の方向に向いて走っていて「まだ時間少しいけるな」
  と思って、行きしなにチラッと壁越しに咲いているのが見えたことも
  あり、橋寺放生院というお寺の五色椿を見に行きました。何年か、
  遅かったり早かったり見に行きそびれたりで何年も満開状態は見て
  居なかったので、門をくぐり、祈るように階段を上って…見た!
  やった満開!めちゃめちゃ綺麗っ!久々に見た!🤩バンザーイ
  嬉しかったです~! 赤、白、絞り、ピンク、斑入り…
  もう一度言います。綺麗でした~!
  結構大きくて、高さは2~3メートルはあるかなと…。枝も広がって
  堂々とした姿にたくさんね五色の椿が花盛りで…。…あまり対岸
  には最近行かないので感動もひとしおでした。…母が“岩根絞り”が
  好きで家にある鉢のもよく咲いていたんですが、随分前に枯れて
  しまったので、ああいう椿がまた欲しいなあと思ってました。
  また買おうかな…。これも枯れてしまったんですが“朴伴”というのも
  また置きたいなあ…なんて…。無理そうなんで、せめてスマホの
  写真を母に見せて喜んでもらいました。(冒頭と第二部の椿の写真
  凄く綺麗ですね)
☆彼岸会を終えて寄り道“橋寺”で
         五色椿を久々に見る
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回も「画面消え」等のアクシデントを乗り越えて「ISS宇宙飛行士」、
 「マンスール氏」、「五色椿」をテーマに、先週分を含めて三首の歌を
 詠んで頂きました。
 一首目の歌、ISSは国際的な宇宙サロンとしての役割を四半世紀にわたって
 果たし、その運用自体は極力政治と切り離されてきました。しかし、ロシア
 がクリミアに侵攻し、さらにウクライナへの侵攻して以降、現在に至るまで、
 米露の関係は複雑な状況にあったことは事実です。そのような状況を背景に
 大西氏は米国人女性2名、ロシア人男性1名の計4人で構成されるチームの
 船長に、4月20日就任されるとのことです。
 詠われているように「思わぬ長き滞在を経て」無事地球に帰還した宇宙
 飛行士らの栄光を讃えたいと思います。詞書にもありますように、彼らは
 どのような異常事態にも冷静に対処する技量と、メンタルを備えていますが、
 今回の事態に対しても立派に、そのスキルの高さを証明してくれました。
 二首目の歌、詠われている通り「ガザの苦難 伝え続けた現地記者」である
 マンスール氏がイスラエル軍のミサイル攻撃で亡くなったとの報道に接し
 衝撃を受けました。心からご冥福をお祈りしたいと思います。作者の詞書にも
 ありますように「一般の人々の生活や思い、望みや悲しみを」ガザの現地に
 入って、文字通り命がけで伝えていた優れた記者でした。停戦を目指す
 第2段階への移行が進まずイスラエル軍の攻撃が再開された中での犠牲です。
 再度停戦に向けての交渉のテーブルに、イスラエルとイスラム組織ハマスが
 つき、緊張状態を解くことが先決と考えます。マンスール氏をはじめ多くの
 尊い犠牲を無駄にしないためにも…。
 三首目の歌は、お父様の初彼岸の回向に行かれ、その帰り道に橋寺放生院の
 五色椿をご覧になって詠まれたとのこと。「五色椿を久々に見る」の表現に、
 久々に魅入った椿の美しさが、凝縮して反映されています。「バンザーイ
 嬉しかったです~!」の想いが滲んでいます。このように飾らない表現も
 「有り」と思います。

☆海山に満る哀しみ引き連れて 原発荒野に 桜咲き継ぐ
                         ポエット・M
【解説】
 あの3.11から14年の歳月が過ぎてゆきました。未だ生まれ故郷に帰れない
 方も数多おられます。全てを津波にさらわれ、破壊されつくした街並みの
 姿が今も目に上びます。まして、昨日まで当たり前の生活がそこにあった
 方々の想いを思う時、復興等との言葉を安易に言えない…と、未だ強く
 感じます。
 しかし、住めなくなった荒野にも、今年の桜は間もなく開花を迎えるとの
 事です。あの人災とも言える惨禍を風化させない、そんな想いを込めて桜が
 咲き初める様を詠ってみました。

     「咲き初める桜 染井吉野」

「一握の砂」石川啄木 鑑賞(12)

 「一握の砂」から、三首づつ短歌を抄出し紹介させて頂きます。
  抒情短歌の原点を味わいつつ、学んで参りたいと思います。
  なお、私の師でありました野村泰三、冷水茂太両氏の師、土岐善麿
  (土岐哀果)は、石川啄木の遺稿刊行に尽力するなど、啄木の才を
  認め、お互いにリスペクトするなかでした。
  三行分かち書きのスタイルは、土岐哀果のローマ字歌集『NAKIWARAI』
  をヒントにしたとされています。

    高山のいただきに登り
      なにがなしに帽子をふりて
        下り来しかな

    何処やらに沢山の人があらそひて
      籤引くごとし
        われも引きたし

    怒る時
      かならずひとつ鉢を割り
        九百九十九割りて死なまし

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は該当事項が無いため割愛させて頂きます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                    了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その174 ネット歌会)

2025年04月02日 05時23分43秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その174 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「ネット歌会」の「返歌」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中で自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。飛び入り歓迎です。


     「咲き初める桜 染井吉野」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆大の里 綱に王手の賜杯取る 四月は地元 石川巡業
                         西BOOさん
★横綱は「静かに待ちます」と大の里 自信に満ちた言葉頼もし
                         夕庵さん

☆黄砂にて晴れ間もどんより霞む山 ただ春風が眠気を誘(いざな)う
                         西BOOさん
★見なれたる山脈(やまなみ)かくれ霞み立ち 黄砂は車に容赦なく降る
                         夕庵さん
★娘・孫、黄砂で喉に炎症が 電話の向うで声かすれけり
                         西BOOさん
★黄砂なら部屋干しと決めきのうきょう 満艦飾の下をくぐりぬ
                         夕庵さん

☆稜線の 明暗しるき比叡山 京に学びしことは数多に
                         みっちっちさん
★杳き日に学びしことも時々は 頭の隅より引っ張り出して
                         夕庵さん
★若き日に学びしことは身のうちに 形変へつつ財産となる
                         みっちっちさん

☆賀茂川に日の斑踊りて眩しげに霞む比叡を見やる横顔
                         みっちっちさん
★賀茂川の不動の姿勢アオサギは 水面を見つめ思案長かり
                         夕庵さん
★不動なるハシビロコウは 一点を見つめ思案の哲学者めく
                         みっちっちさん
★さくら咲く「哲学の道」のなつかしや 花より団子の青春の日々
                         夕庵さん
★草萌ゆる哲学の道にすまし顔 君と最初のデートの写真
                         みっちっちさん
★桜さく奈良公園に寄り添えば 鹿が邪魔する最初のデート
                         夕庵さん
★華麗なるイルカのジャンプ 頭から水浴び歓喜の最初のデート
                         みっちっちさん
★雪原や山の上でも若者は CG加工の華麗なジャンプ
                         夕庵さん
★春風のテニスコートの端狙ふ スナップ効かせジャンピングサーブ
                         みっちっちさん
★レシーブをネットすれすれ打ち返す 前衛手のでぬ抜群の距離
                         夕庵さん

     「咲き競う ラッパ水仙」

☆叡山へくれなゐの雲流れゆき 川辺に夢を語りし日暮れ
                         みっちっちさん
★若き日の夢叶わずて涙しつ 川に流してあきらめしこと
                         夕庵さん
★夢破れ捨て去ることも青春の 思ひ出となり糧になりゆく
                         みっちっちさん
★青春の思い出多きナツメロは ひとりの部屋に涙おとしぬ
                         夕庵さん
★雪しまく最終便の発車ベル 手を振る君へ涙おとしぬ
                         みっちっちさん
★雪の降るラグビー場に応援の 君は吾の居ることを忘れて
                         夕庵さん
★応援の声に心を落ち着かせ しんと始まる卓球の試合
                         みっちっちさん
★緊張の一瞬はりつくプレゼンに うなづく見れば気のほぐれゆく
                         夕庵さん
★緊張の初めのサーブ 深呼吸して手の平の球に祈りぬ
                         みっちっちさん
★必殺のアンダーカットのサーブにはドライブかけてミスを誘いし
                         夕庵さん

☆白梅の舞い散る音も聞こえるや 今宵風なく香のみを残し
                         ポエット・M
★寒梅の寒とも春を飾りつつ 河津桜にバトンを渡す
                         西BOOさん
★寒梅の散るを待たずに咲き初める 河津桜の 愛(かな)しうす紅
                         ポエット・M

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き初める椿 月の輪」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
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    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
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 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その173)

2025年03月26日 05時16分18秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その173) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致して
     いますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める 椿」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 「光る君へ」は昨年12月15日を持って終了致しました。昨年1年間
 源氏物語贈答歌の返歌をやって来ましたが、まだ「明石の帖」まで
 しか到達していません。旬を過ぎて行くテーマに、続けるかどうか
 悩みましたが最後の帖まで続けようと思いました。
「27.初音(はつね)」
 新春の六条院は栄華に満ちていた。なかでも紫の上が住む春の町は
 この世の極楽のようだった。元日、源氏は六条院に住む女君たちを訪れ、
 歌や贈り物を交わした。夕刻、明石の君の元を訪れると、明石の君は
 明石の姫君からの文を読み思い乱れていた。その日源氏は明石の君と
 朝を迎える。翌日、源氏の元には多くの客が新年の挨拶に訪れるが、
 玉鬘の美貌に気もそぞろだった。その後源氏は二条東院に住む末摘花と
 空蝉を訪れる。儀式が一段落し男踏歌が催され、六条院に住む女性たちが
 対面した。これを機に女楽を開催することを源氏は考える。
〇薄氷 解けぬる池の 鏡には 世に曇りなき 影ぞ並べる     光源氏
註)薄い氷の融けた池の鏡のような面には世にも素晴らしい二人の姿が
  並んで映っています
〇曇りなき 池の鏡に よろづ代を すむべき影ぞ しるく見えける 紫の上
註)少しも曇りのない池の鏡にこの先永く住んで行く私たち2人の姿が
  はっきりと映っています
(返歌)
☆何事に つけても長き 御契り 詠みかわすこそ 千歳の春を
☆永遠に 源氏の君を 信じてこそ 心穏やかに 暮らしていくも
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「初音」の巻のテーマは、多層的であり時間の流れや新年の始まりが持つ
 象徴的な意味、人間関係の豊かさと葛藤、そして六条院という場の豪華絢爛
 たる様相が華やかに
描かれています。
 六条院は、自然と人間が調和した理想的な空間であり、光源氏の権力と栄華を
 象徴しています。しかし同時に、この繁栄の裏には個々の人物が
抱える孤独や
 悩みも潜んでいます。玉鬘の美しさに心を奪われる光源氏の様子
も描かれ、
 調和の中にも不和や想いの複雑さが巧みに織り込まれ、源氏物語の
もつ深淵さと、
 人間描写の綾も感じられます。

 この巻での紫の上は、光源氏にとって理想的な女性像として描かれ、品格と
 存在感が強調されています。光源氏との深い絆や、彼への献身が彼女の
 内面的な
充実感とともに、抱える不安感の両面を浮き彫りにしてします。
 これらの背景を前提に、作者の返歌を鑑賞させて頂きました。
 一首目の返歌は、「何事も永く続くご縁(おちぎり)を感じながら、和歌を
 詠み交わすことで、まるで千年の春を迎えたかのような喜びを感じます」と
 意訳できます。この歌は、光源氏の紫の上に対する永続する愛と、絆の深さを
 象徴的に表現しています。二首目の歌は紫の上が葛藤を秘めつつも光源氏を
 信じ心穏やかに暮らしていきたい、そんな願いと想いを率直に詠っています。
 これらの歌は、このままでも十分表現し尽くされていますが、こんな視点で
 詠んでみましたがいかがでしょうか。
【解説】
★寄り添える影も映すや水かがみ 千歳の春をともに御契り
★永遠なるを信じ寄り添う君ともに 内なる憂さは流すや水に

【詞書】早速、三首出詠させて頂きたいと思います。クワガタが冬眠から
  覚めないことを詠ませて頂きました。
☆啓蟄もクワガタ全く動かない 寒の戻りの終わりはいつぞ
【詞書】春場所の高安と豊昇龍の一番を詠ませて頂きました。
☆高安が豊昇龍を押し倒し 元大関の意地のツッパリ
【詞書】石破さんについて詠ませて頂きました。
☆石破さん規制法にて議論中 商品券は法に抵触
                         西BOOさん
【解説】
 今回は、「クワガタ」「高安と豊昇龍戦」「石破さん」をテーマに
 最新時事にも切り込んで詠んで頂きました。
 一首目の歌、二波にわたる大寒波は桜等植物のみでなく、昆虫達にも
 かなりの影響を及ぼしている証拠でしょうか。詠まれているように
 多くの虫たちが目覚めると言われる「啓蟄」にも、飼っている
 クワガタが目覚める様子を見せない。そんな様子を心配しつつも
 温かく見守る作者の優しさが滲む、ほのぼのとした歌と感じます。
 二首目の歌、まさに「元大関の意地」を見せた大一番でしたね。
 破れた横綱はこの二日後に休場に追い込まれましたが、この勝負も
 影響しているかもしれません。高安はその後快進撃を続け、優勝
 決勝戦を大の里と争い、残念ながら破れましたが…。結句の
 「意地のツッパリ」の表現が効果的に使われ、歌を締めています。
 三首目の歌、19日の報道では岸田前主相の時代にも同様の商品券が
 政務官らに配られ、さらに安倍主相時代にも…。「商品券の配布は
 自民党の文化」になっているとの指摘もされています。詠まれて
 いるように「法に抵触」するのみならず、庶民がお米を始め狂瀾
 とも言える物価高に苦しんでいる中で、政権党の奢りとゆるみが
 出たものと考えます。推移を厳しく注視し見守りたいと思います。

【詞書】「春愁」で二首、「春風」で一首出詠いたします。
☆春愁に 含めば白湯の甘かりし 夢に母ゐて母若かりし
☆春愁をそつと置き去る試着室 パーティーはこの碧きドレスで
☆石投げて水切る君は 比叡山 遠く眺めて髪に春風
                         みっちっちさん
【解説】
 今回は、「春愁」「春風」をテーマに三首の歌を詠んで頂きましたが、
 いずれも上の句のみでも俳句としても完結する歌と感じました。
 一首目の歌は、「春愁」と「白湯」、「夢」と「母」という二組の要素が
 うまく交錯しており、それぞれに深い想いが込められています。「春愁」は、
 春特有の微妙な哀愁や感傷的な心情を言いますが、そこに味覚の「白湯の
 甘さ」が重ねられたことで繊細で、感覚的な描写が生まれています。
 なお、夢に登場する母が若々しい姿である点は、詠み手の懐かしさや
 幼少期への回帰願望を感じさせます。
 総じて、この歌は季節感と個人の深い想いが巧みに結びつけられ、どこか
 哀愁を帯びながらも温かな余韻を残しています。また、作者の心の内を
 覗くような感覚となり、印象深い歌になっています。
 二首目の歌、「春愁」は前にも触れましたが、春におぼえる愁いを言い
 ますが、ふとしたことで心がくもるのも春ならではと思います。そんな
 愁いを「碧きパーティードレス」で払しょくする潔さがいいですね。
 また、「そつと置き去る」の、柔らかな表現が活きています。
 三首目の歌、青春回顧の一首かと思いますが「髪に春風」の結句が
 決まっています。君の全てを受け入れる信頼と、憧れとが滲んでいます。


     「咲き初める 白木蓮

【詞書】咲き始めた白木蓮三首です。
☆朧夜にぼんやり浮かぶ白木蓮 春愁の海はなお深くして
☆大空に飛び立つま白き鳩に似て 白木蓮のおおき花びら
☆春霞む 白木蓮のたゆたいて ため息洩らせば花の散りゆく
                         夕庵さん
【解説】
 白木蓮の花は一つ一つの命が短く、潔く散ることから、儚さと美しさの
 調和を象徴する花と思っています。その花に寄せて三首の歌を抒情的に
 詠んで頂きました。
 一首目の歌、春の宵に漂うように咲く白木蓮の姿が浮かび上がります。
 上の句は、朧げな月明かりの中で白木蓮がぼんやりとしながらも美しく
 浮かび上がる様子を巧みに描いています。「ぼんやり」という言葉が、
 白木蓮の静かで控えめな魅力と、春の夜特有の幻想的な雰囲気を醸し
 出しています。
 この歌には、春という季節の儚さと、そこに含まれる抒情的な想いが
 淡々と表現されています。また、朧夜という視覚的な要素と、春愁と
 いう内面的な要素が相互に補完し合い、バランスの取れた温かな想いが
 静かに伝わって来ます。
 二首目の「飛び立つま白き鳩に似て」の的確な写生と、表現が鮮やかで、
 歌の品格をも高めています。
 三首目の歌、「ため息洩らせば」と、「花の散りゆく」の繋がりが、
 秘められた「春愁」の想いを浮き彫りにし、詩情をより深めています。

【詞書】菜の花の咲く道
☆黄色の道を帰ろう春を感じたいから
      今うぐいすが鳴いた
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 川岸の土手のサイクリングロードで、菜の花で咲いていると、
 いつも拝見しているblogで紹介していたので、見に行きました。
 土手を降りると、葦は枯れていたが、工場や車の騒音が消え、
 うぐいすが鳴いていました。また、柳は、芽吹き 風になびいて
 いました。暑くもなく寒くもなく、散歩にはちょうど良い時期
 ですが、また暑くなるのは嫌ですね。
 昨日は燕の初見、今日はうぐいすの初鳴?と、短い?春を感じて
 おります。
                         自閑さん
【解説】
 「黄色の道」は菜の花の咲く道を鮮やかに描き、溢れるような春の
 喜びを感じさせます。なお、「春を感じたいから」という主観的な
 理由が添えられることで、「春を探しに行きたい」という共感が
 湧き、柔らかないざないを感じさせられます。
 結句の「今うぐいすが鳴いた」は、初音を通じて季節を感じさせる
 巧みな描写で、詩情と春の温かみが伝わってきます。
 この歌は、自然の美しさと作者の心情が見事に調和しており、
 情感の豊かさが溢れています。
 少し提案をさせて頂ければ、「今うぐいすが鳴いた」の箇所に
 季節の移ろいへの感慨や、初音を聞いて心が動かされる瞬間を
 さらに具体的に加えることで、詩的深みが増すかもしれません。
 もちろん、自由律短歌として、このままでも十分に完成度が高い
 作品で、春を楽しむ心があふれていて共感を呼ぶ作品と思います。

【詞書】春めいてまいりました😆日差しが和らいだ窓辺でうつらうつら
  穏やかな午後を愛犬クロと過ごしています🎵そんな日の2首です。
☆穏やかな 窓辺に日差し
       クロの手が
   抑えてママの 動きを止める
☆優しげな 春の日受けて
         微睡む子
   我が身に添い寝の、愛しいクロや
                         クロママさん
【解説】
 春の陽ざしが差し込む窓辺で、愛犬クロちゃんとまどろむひと時。
 まさに至福のひと時を詠まれた二首は、作者の「幸せ時間」でも
 ありましょう。
 二首目の歌は、そんなひと時を過不足なく表現した、愛犬クロちゃん
 への深い愛情が溢れる温かい作品だと思います。
 上の句の、「優しげな春の日」という表現が、柔らかで親しみやすい
 「まどろみ」の雰囲気を見事に捉えています。
 下の句でも、クロちゃんとの密接な絆や安心感が、端的に、しかも
 豊かに表現されています。
 また、「愛しいクロや」という結句は、詠み手の感情を優しく締め
 くくる印象を与えています。

☆白梅の舞い散る音も聞こえるや 今宵風なく香のみを残し
                         ポエット・M
【解説】
 相次ぐ寒波の影響もあり、遅れて咲き初めた「白加賀」の名をもつ
 白梅も散り時を迎えています。風のない深閑とした夕暮れに、白梅が
 花びらを散らす音さえ聴こえるような錯覚に襲われます。そんな時、
 微かに梅の香りが漂ってきました。そんな様子を踏まえ、聴覚から
 嗅覚へと描写の中心を移して詠って見ましたが、情景の余韻と繊細さ
 を未だ詠むに至っていない点に、作歌の未熟さを感じています。


     「散り時を迎える 白梅」

「一握の砂」石川啄木 鑑賞(11)

 「一握の砂」から、三首づつ短歌を抄出し紹介させて頂きます。
  抒情短歌の原点を味わいつつ、学んで参りたいと思います。
  なお、私の師でありました野村泰三、冷水茂太両氏の師、土岐善麿
  (土岐哀果)は、石川啄木の遺稿刊行に尽力するなど、啄木の才を
  認め、お互いにリスペクトするなかでした。
  三行分かち書きのスタイルは、土岐哀果のローマ字歌集『NAKIWARAI』
  をヒントにしたとされています。

   「さばかりの事に死ぬるや」
    「さばかりの事に生くるや」
     止せ止せ問答

   まれにある
    この平なる心には
     時計の鳴るもおもしろく聴く

   ふと深き怖れを覚え
    ぢっとして
     やがて静かに臍をまさぐる

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は該当事項が無いため割愛させて頂きます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
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                    了

コメント (13)
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