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四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その173 ネット歌会)

2025年03月26日 04時57分56秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その173 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「ネット歌会」の「返歌」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中で自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。飛び入り歓迎です。


     「咲き初める 椿」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆啓蟄もクワガタ全く動かない 寒の戻りの終わりはいつぞ
                         西BOOさん
★貼り薬 痛み止めなど処方され 痛し痒しの春の訪れ
                         夕庵さん
★春陽で昼は庭にてくつろげど 夜は電気あんかが離せず
                         西BOOさん
★暖かい電気毛布にくるまれて 大き息吐き眠るしあわせ
                         夕庵さん

☆春愁をそっと置き去る試着室 パーティーはこの碧きドレスで
                         みっちっちさん
★祝賀会 樽酒割って杯を上ぐ 同士の友よ息災如何に
                         夕庵さん
★ふるさとの山を歌ひし卒業歌 涙で別れし友懐かしき
                         みっちっちさん
★ふる里の風さえ恋し夢のなか 十五歳の友が手招きしてる
                         夕庵さん
★友と吾の十歳の春 初恋を語り尽くせし下校の小道
                         みっちっちさん
★遥かなる傷心の旅は信濃路へ 一人の旅はこれ一度きり
                         夕庵さん
★霞み立つうすむらさきの瀬戸内に ただ立ち尽くす傷心の旅
                         みっちっちさん
★嫩葉萌え 風のそよぎを聞きながら 心あらたに明日を生きる
                         夕庵さん
★道端に踏まれてもなほ たんぽぽは 明日を生きむと風にそよぎぬ
                         みっちっちさん
★スミレ咲く駐車場の真ん中に そを持ち帰り幼と植えむ
                         夕庵さん

☆春愁に 含めば白湯の甘かりし 夢に母ゐて母若かりし
                         みっちっちさん
★母の爪切りし記憶の蘇る しみじみと見る切りづらくなる爪
                         夕庵さん
★咳込みし母の背中を幾たびもさすり細さに涙せし夜
                         みっちっちさん
★母思う日の多くなる夜の更けは 齢数えて亡き母のそば
                         夕庵さん
★亡き母が枕元にて繰り返し 読みしは我の俳句のノート
                         みっちっちさん
★鼈甲の母の形見の簪は 静かに眠る鏡台の奥
                         夕庵さん
★押入れの奥の小箱に眠るのは 君からの文 色褪せしまま
                         みっちっちさん
★便箋の色は褪せども想い出は 胸の隅にて今も疼けり 
                         夕庵さん
★出さぬまま褪せし恋文 朧月 眺め綴りしあの恋心
                         みっちっちさん
★おぼろ月に溢るる想いを託せども 一途な恋の危うきものよ
                         夕庵さん
★月に見て風に聞きたる君のこと 別れてなほも一途なる恋
                         みっちっちさん

     「咲き盛る ミモザ」

☆旅立つや 未だいくさのつづく地へ 哀しいけれど鳥のふるさと
                         ポエット・M
★ふるさとがチンチン電車が呼んでいる 桜さくころ川こえゆこう
                         夕庵さん
★ふるさとは 桜咲く丘 せせらぎと 友の笑顔と うまき地酒も
                         ポエット・M
★ふる里を旅立ち野球の申し子よ 東京ドームに凱旋の風
                         夕庵さん
★凱旋も嵐を呼ぶか大谷よ 世界に示す 日の本野球
                         ポエット・M
★MLB 苦難の道を乗りこえて いま花開く野球侍
                         夕庵さん
★少年も夢を託すやMLB 野球侍 躍動の地へ
                         ポエット・M
★選手らと握手交わせし少年の瞳(め)は未来へともうまっしぐら
                         夕庵さん
★少年の願い秘めたるその瞳 曇ることなく つかめ未来も
                         ポエット・M
★いつの日か大谷の後をゆくのだろう グローブ抱いて眠る少年 
                         夕庵さん
★大谷も麟太郎さえ超えてゆく そんな子たちも やがて育つや
                         ポエット・M
★ユニフォームに背番号7を縫いつける 善戦祈りし試合前夜は
                         夕庵さん
★遥かな日ホームラン打たれ泣いた子も 今は地域のライバル選手
                         ポエット・M
★この日まであなたと私は歩をならべ 励まし合いのベストライバル
                         夕庵さん
★歩をならべ 精進し合う仲なれど 勝負は別と真剣勝負
                         ポエット・M
★柔和なる君と試合にのぞむとき 獲物を狙う眼で迫りくる
                         夕庵さん
★試合には己のまことも試さるる 鍛錬したるわざも一つと
                         ポエット・M
★快心の一撃放つ技なれど 間一髪の チャンスを逃す 
                         夕庵さん
★一撃も微かな間合い残したる 技の余裕か 優しさゆえも
                         ポエット・M
★一瞬の迷いに天下の勝負つき きみに悔しき借りを作りぬ
                         夕庵さん

☆旅立つや未だいくさの続く地へ 哀しいけれど鳥のふるさと
                         ポエット・M
★停戦は合意したとは言うものの ガザへの攻撃止む気配なし
                         西BOOさん
★宗教も国の利益も先ずおいて 殺戮やめて ガザと和平を
                         ポエット・M

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「空向き咲く 白木蓮」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

コメント (18)
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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その172)

2025年03月19日 05時53分21秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その172) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致して
     いますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める 富士桜」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 「光る君へ」は昨年12月15日を持って終了致しました。昨年1年間
 源氏物語贈答歌の返歌をやって来ましたが、まだ「明石の帖」まで
 しか到達していません。旬を過ぎて行くテーマに、続けるかどうか
 悩みましたが最後の帖まで続けようと思いました。
「27.玉鬘(たまかずら)」
 源氏は夕顔のことが忘れられない。その夕顔にかつて仕えていた
 右近は紫の上の侍女となっていた。夕顔と内大臣(頭の中将)の
 娘(玉鬘)は、夕顔の死後、その乳母の縁者を頼りに筑紫に
 下っていた。美しく成長した玉鬘は、田舎風情の豪族からの強引な
 求婚に苦慮していた。思い悩んだ乳母はすべてを捨てて玉鬘と
 ともに上京する。都であてのない生活を続けていた玉鬘一行は、
 開運祈願のため長谷を詣でた。するとそこで同じく長谷に詣でて
 いた右近と邂逅する。奇跡の再会を果たした右近はこのことを
 源氏に伝える。源氏はすぐさま六条院に玉鬘を引き取り、花散里に
 託した。田舎育ちにもかかわらず、美しく聡明な玉鬘に源氏は
 満足する。若干の好き心が首をもたげるが、六条院を訪れる
 男たちの玉鬘に対しての様子を見てみようと計画する。新年が
 近づき源氏は六条院に住む女性たちの衣裳を誂える。玉鬘には
 とりわけ鮮やかな衣裳が仕立てられ、紫の上は複雑な胸中を
 覗かせる。
〇知らずとも 尋ねて知らむ 三島江に
            生ふる三稜の 筋は耐えじを 光源氏
  今はご存知なくとも聞けばおわかりになるでしょう、三島江に
  生えている三稜(みくり)のように私とあなたは縁が
  深いのですから
〇数ならぬ 三稜や何の 筋なれば
          憂きにしもかく 根をとどめけむ 玉鬘
  数にも入らないこの身はどうしてこの世に生まれて来た
  のでしょう
(返歌)
☆長年の 願いが叶う 心地すら 成長された 姫君思う
☆筆跡に 若々しさと 上品さ 源氏の君も 安心なさる
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「玉鬘」の巻の物語は、作者の説明にもありますように、夕顔の忘れ形見、
 玉鬘のサクセスストーリーとなっています。この後、「初音」の新春から
 「胡蝶」の三月まで、物語は花開くように「玉鬘物語」が展開されていきます。
 源氏物語に登場する女人の中で、身分は低いけれど自分の力で等身大の幸せを
 つかみ取る女人は少なく、玉鬘は少ない一人と考えます。さらに、若い女人に
 ありがちな表面のきらびやかさに惹かれず、ひげ黒の大将の「表には出さない
 本当の優しさ」を見抜いた方でもあります。自分の居場所を自らの手でつかみ
 取る凛とした芯の強さと、逆境にもめげない明るさが際立っている女人と感じ
 ました。このような背景を踏まえながら作者の返歌を鑑賞致しました。
 一首目の歌は、光源氏の立場から夕顔の忘れ形見、玉鬘に寄せて詠んでいます。
 光源氏は玉鬘に「若干の好き心が首をもたげる」ものの養女とし、その後の
 シンデレラストーリーを後押ししました。
 二首目の歌は、夕顔譲りの玉鬘の筆跡や容姿の品格を、光源氏が認めている
 様子を「安心なさる」と感慨を込めて詠んでいます。今回もそれぞれの歌への
 想いを詠んでみました。二首目は「養父として見守ってね」との想いを…。
【ご参考】
★深き濃き えにしのゆえに まみえたる 君のまとうは母のおもかげ
★みくりにて結ぶえにしの君ゆえに 守りて欲しき吾のゆくすえ

【詞書】フレッツテレビを契約したことを詠まさせて頂きました。
☆我が家にてフレッツテレビ開通す 虎ジョの君へテレビ大阪
【詞書】月ヶ瀬の梅のニュースを見て詠ませて頂きました。
☆月ヶ瀬の梅がようやく咲き始む 一万本の花の共演
【詞書】福島第一原発を詠ませて頂きました。
☆廃炉作業 真夏も厚い防護服 従事者数は四千人超
                         西BOOさん
【解説】
 一首目の歌、「フレッツ・テレビ」は一本の光回線を使って、映像と
 インターネットを別々に伝送するもので、テレビ番組を視聴中でも、
 インターネットの通信速度を落とさず快適に利用できるものと理解
 しています。この開通により「虎ジョ」の奥様の為に、いつでも
 快適に阪神戦のテレビ視聴ができる、その環境が整ったことの喜びが
 歌にも溢れています。さりげなく詠まれながら「嬬恋」の想いが滲む
 素敵な歌と思います。
 二首目の歌、名張川が高山ダムにせき止められてつくられた月ヶ瀬の
 湖岸から山腹にかけて赤や白、約1万本の梅の花が咲き継ぐ光景が
 鮮やかに表現されています。下の句「一万本の花の共演」により、
 甘酸っぱい香りで満たされる梅林の景観が鮮やかに浮かんできます。
 三首目の歌、福島第一原子力発電所の事故から13年半が過ぎた昨年
 11月、廃炉の出発点とも言える、「核燃料デブリ」0.7グラムの
 試験的な取り出しが初めて行われました。これは、総量880トンと
 されるデブリの12億分の1というわずかな量でもあります。
 しかも、廃炉作業に携わる方は放射線から身を守るため厚く重い
 防護服を身をまとわねばならず5,000人近い方がローテーションを
 組んで作業にあたっています。その実態を詠っていますが、厳しい
 環境の中で廃炉作業に当たっている、従事者の皆さんへの想いが
 伝わる時事詠と感じます。また、遅々として進まない廃炉作業と、
 それでも推進される原発政策への静かな批判も滲んでいます。

【詞書】エコーでお腹の中の赤ちゃんが日々大きくなるのが分かる
  様子は感動的です。嬉しい誕生を待つ春の日を詠みました。
☆陽春の胎児のエコー 母の腹 蹴り成長のいのちの神秘
【詞書】受験生を見守る母の気持ちを詠みました。
☆団欒の椅子ひとつ空く受験子を見守るのみの母の茶断ちよ
【詞書】春月を見ながらポストまで歩いた夜を詠みました。
☆春月と共に歩かむポストまで 君への文を出すや迷ひつ
                         みっちっちさん
【解説】
 一首目の歌、「陽春」という言葉が春の暖かさや新しい生命の息吹を感じ
 させます。胎児のエコーが象徴する命の成長と春の訪れが重なり、希望と
 喜びが伝わってきます。なお、「母の腹 蹴り成長」は、胎児の動きを
 描写することで、生命の力強さと母親の愛情が感じられる一節です。
 この表現では、母親と胎児の絆や成長する生命の神秘が強調されています。
 結句の「いのちの神秘」というフレーズが、歌全体を締めくくり、命の
 尊さや不可思議さを感じさせるまとめとなっています。この歌は育まれる
 命の美しさや奇跡を描いた素敵な作品と感じます。
 二首目の歌、「母の茶断ちよ」に凝縮される母の想いと覚悟。その様子が、
 受験子との二人三脚で「受験戦争」を勝ち抜く想いを、詩情を押さえつつ
 力強く詠われています。
 三首目の歌、「春月」と共に歩む、浮き立つ季節。そのもとで紡がれる
 物語性に満ちた歌と感じます。メールでなく「文」が良いですね。

【詞書】春浅い日の一日を詠みました。
☆ドア押せばカウベルのなるカフェあり プレート置かれた指定席見ゆ
☆卓の上(へ)に春をさきがけ菜の花が 誰を待つのかもう開きたり
☆窓の外北の空には七つ星 誰と話そう七つの神話
                         夕庵さん
【解説】
 「春浅い日」のさりげない日常の一齣を、詩情豊かに三首の歌に
 詠んで頂きました。
 一首目の歌、最近は「カウベルのなるカフェ」のような情緒に満ちた
 カフェが少なくなりましたが、そのような場所で一人静にコーヒー
 など味わってみたいですね。そのようなお店は「指定席」を取らずに
 ゆったりくつろげる席を確保するのが難しいのでしょうか。
 二首目の歌、上の句で、菜の花が春にさきがけて咲いている様子が
 「誰を待つのか」と擬人化して描かれ、「物語」が紡がれています。
 なお、この歌は春の訪れや期待感、日常の中にあるささやかな喜びを
 丁寧に捉え、自然と人間の営みが調和する瞬間を素敵に表現しています。
 三首目の歌、上の句の星は、北斗七星を指していると思われますが、
 七つ星の輝く光景が、静かで広がりのある空間と、自然の壮大さを
 感じさせてくれます。下の句の「誰と話そう七つの神話」では、
 七つ星を見ながら、ふと誰かと話したくなるような気持ちの揺れが
 表現されています。ここには、星々にまつわる神話や物語が心に
 浮かぶ様子が描かれており、詩的で幻想的な雰囲気が醸し出されて
 います。さらに、この歌から星空の美しさや、それにまつわる
 神話を想像しつつ、豊かで濃密なひとときを過ごされた作者の
 様子が浮かんできます。それは詩人にとって貴重なひと時とも
 感じます。

     「咲き初める ボケの花」

【詞書】春秋論争
☆きびしさを絶えたる花の咲きにけり
  全てが枯れる秋はかなしも
                         自閑さん
【短歌解説】自閑さんご自身の説明です。
 春秋論争とは、源氏物語でも、秋が好きな六条御息所の娘の秋好中宮と、
 春が好きな紫の上の二人が、六条院の西の対と東の対で、歌のやりとり
 などして、お互いの主張をするというものです。
 源氏オタクの菅原孝標女も
   浅みどり花もひとつにかすみつつおぼろに見ゆる春の夜の月
 と春が好きと詠い、新古今和歌集に撰歌されています。
 私は、草木が萌える今の時期が好きです。
 結句に1週間悩み続けましたが、時間切れと言う事で出詠します。
 感情の言葉を入れる愚作ですが。

【解説】
 この歌は、春の萌える命の息吹と秋の寂しさを対比し、それぞれの
 季節の象徴的な想いを表現しています。特に上の句は冬の厳しい
 季節、その試練を乗り越えた後に訪れる春のあふれる喜びを感じ
 させます。この句には、困難を乗り越えた先にある希望と再生の
 テーマが読み取れます。
 一方、下の句では、秋に訪れる自然の終焉と、それに伴う感傷を
 しみじみと描いています。秋の持つ哀愁や静けさを美しく捉え
 ながらも、枯れていくものへの哀切さが胸をうちます。
 全体として、「春」と「秋」という対照的な季節を通じて、自然の
 変化がもたらす想いの豊かさを映し出しています。また、源氏物語の
 「春秋論争」を踏まえている点からも、作者の古典文学への深い
 理解とその現代的な解釈に今回も学ばせて頂きました。
 なお、作者は結句の「秋はかなしも」を「感情の言葉を…」と謙遜
 されていますが、「かなしも」の語は、この歌の締めとして
 ふさわしい表現と考えます。なお、ご参考になれば下の句を
 「なべて枯れゆく秋もおとずれ」等、検討して頂ければ幸いです。
 また、蛇足ながら『源氏物語』の多彩なテーマの一端がこの
 「春秋論争」には凝縮し表現されされており、文学的な深みが
 楽しめる場面の
一つと感じます。

【詞書】3月15日にメジャーリーグの開幕戦のプレマッチ、阪神VS
  カブス、巨人VSドジャース の二試合が東京ドームでありました。
  チケット争奪戦からの大フィーバーっぷりはもうただただ
  「スゲーなー」って感じでした。阪神VSカブスは見そびれたん
  ですが(昼でしたし…)、阪神先発の門別選手が5回までパーフェクト
  ピッチングで、阪神が勝利したとニュース等で知り、いぇ~い!と
  バンザイ三唱でした。で、巨人VSドジャースですが、夜に
  「とりあえず見とかんと…(姉と話が合わない)」と見ましたが
  (用事しつつ)…。いや~、いきなり第一打席でしたね~。大谷選手、
  巨人の先発戸郷投手から一発きれーいなホームランをスタンドに
  叩き込みました!うわ~凄い凄い!!お客さん沸く沸く!…で、
  私はチラッと思ってたんですね。「THE ALFEEのお3人さん見に来て
  へんやろか…」って。少なくとも2名ガチで巨人のファンがいてはる
  からなあ…なんて思ってたら、スマホで見た3/16付けの
スポニチの
  記事に、桜井さん、高見沢さんのお二人が観戦と
ありました!
  …もう、大谷さんのホームランは「良かったねー」ぐらいで、彼らの
  観戦の記事を探す探す…。もう私一人そっちに盛り上
がってました。
  …どこに座ってはったんやろ…。長嶋さんも
ドームに来られてた事を
  聞いたら長嶋さん現役世代のお二人は
さぞや嬉しかったやろうなあ、
  と思いました。

☆対巨人 大谷選手のホームラン
       私の歓喜は推しの観戦
【詞書】…いや~、私としたことが…。何でなのか判りませんが、
  ドジャースVS巨人は前の晩に途中からでも見たのに、16日の昼に
  やってた阪神VSドジャース戦を見るのを忘れてた…というか、
  ろくに新聞で確認もしなかったんで、見そびれたんです。
  アホやわ~。何となくドジャース戦やからか判りませんが
  “夜に(放送が)ある”って勘違いしてたようなんですね。
  「あ!……しまったあ~何やっとんね~ん!!」ひとしきり
  嘆いた後、ニュースで結果を見て🙌いぇ~い!!!でした。もう
  宮根誠司さんの「Mr.サンデー」で
ファンの様子やらを細かくやって
  ましたが、(米・メジャー
リーグを制したドジャースに勝ったから)
  「世界一や~!!」には
大笑い!いやもうファンが楽しそうで楽しそうで
  結果は
元より見てるだけで阪神ファンの私は幸せでした。信貴山
  (お使いが虎ですね)内のお寺がファンの聖地と化し、必勝祈願からの
  (終了後)歓喜の渦!!…御利益かな…?
今日は本チャンと言うかホンマの
  メジャーリーグ開幕戦の
ドジャースVSカブスです。さて、どうなり
  ますやら。メジャーの開幕戦なら以前でも
ありましたが、いろんな
  事が違う今回はなかなか楽しみで
はあります。…たくさんの人々が
  心からスポーツを楽しめる
この国の平和に感謝…。
☆阪神はカブス,ドジャースに連勝し
      「世界一や!!」とファンは歓喜す
【詞書】日本時間3月15日午前8時にアメリカ、フロリダ州のケネディ
  宇宙センターから打ち上げられた民間宇宙船“クルードラゴン”
  に乗って大西卓哉さんを始めとした4名の宇宙飛行士がISS
  (国際宇宙ステーション)へ出発し、約29時間かけて日本時間
  16日午後1時過ぎに到着しました。大西卓哉宇宙飛行士は
  約半年間の長期滞在をするそうです。
  大西さんは今回2度目のISS滞在で、若田光一さん,星出彰彦さんに
  続き、日本人3人目となる“船長”を務めるのだとか。滞在中に
  二酸化炭素除去システムを実験棟「きぼう」に取り付け、実証
  実験などを行うそうです。
  日本の…いや、世界の“希望”となるような結果が出ることと、
  滞在中のクルーさん達と、短い滞在が宇宙船の不備等で予定外の
  長期滞在になって近々地球に帰還する二名の宇宙飛行士さんの
  安全、を祈りつつ地球からは光点のように(今は夕刻とかに)
  見えるISSを見たいと思います。皆さんどうかご安全に!!
☆ISS大西さんで三人目
      船長務める日本人は
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回は、「大谷選手のホームラン」「阪神連勝」「ISS大西さん」と
 最新の世情をテーマに、三首の歌を詠んで頂きました。
 一首目の歌、メジャーリーグの開幕戦(3月18日)が東京ドームで
 行われ、プレマッチとして、3月15日阪神VSカブス、
巨人VSドジャースが
 行われました。その試合で大谷選手のホームランに
会場は大きく湧き
 ましたが、作者は「私の歓喜は推しの観戦」と
「THE ALFEEの桜井さん、
 高見沢さん」お二人の観戦に歓喜した旨が
嬉しさと共に詠われています。
 このように素直に詠まれる歌も
良いものですね。
 ちなみにメジャーリーグの開幕戦は4-1でドジャースが勝利し、山本が
 勝利投手となり、大谷は2安打のマルチ安打と健闘しました。
 
 二首目の歌、「阪神はカブス、ドジャースに連勝し」まさに、
 「世界一や!!」は、詠まれている通りで、阪神フアンは歓喜の渦!!と
 なりましたね。作者の詞書にもありますが「人々が心からスポーツを
 楽しめるこの国の平和に感謝…」したいですし、これを
壊そうとする
 萌芽への注視と、警戒も必要と感じます。

 三首目の歌、トラブルはあったものの「民間宇宙船“クルードラゴン”
 に乗って大西卓哉さんを始めとした4名の宇宙飛行士は、ISSへ日本時間
 16日午後1時過ぎに到着しました。詠まれているように船長務める日本人
 は、大西さんで三人目となりますが、彼らの偉業を讃えるとともに、
 地球に帰還する二名の宇宙飛行士さんの無事を祈りたいですね。
 作者のISSについての歌には、いつもワクワクさせられます。

☆旅立つや 未だいくさの続く地へ 哀しいけれど鳥のふるさと
                         ポエット・M
【解説】 
 散策でよく出かける走水海岸の一角の岩礁に、尾長がも、コガモ等の
 渡り鳥の群れが越冬していました。その群れも春になりシベリア等の
 繁殖地へ帰還していきます。過日その場所へ行ってみますと大半の
 鳥たちが旅だったからでしょうか、数羽のみを数えるほどになって
 いました。渡り鳥の旅路は壮大で、自然の驚異を感じさせますが、
 未だ戦の続く国へ還る鳥たちを想い複雑な想いにさせられました。
 そんな国でも、鳥たちには「ふるさと」であることには変わりは
 ありません。そんな想いを詠んでみました。


     「ようやく咲き初める ミモザ」

「一握の砂」石川啄木 鑑賞(10)

 「一握の砂」から、三首づつ短歌を抄出し紹介させて頂きます。
  抒情短歌の原点を味わいつつ、学んで参りたいと思います。
  なお、私の師でありました野村泰三、冷水茂太両氏の師、土岐善麿
  (土岐哀果)は、石川啄木の遺稿刊行に尽力するなど、啄木の才を
  認め、お互いにリスペクトするなかでした。
  三行分かち書きのスタイルは、土岐哀果のローマ字歌集『NAKIWARAI』
  をヒントにしたとされています。

    わが髭の
    下向く癖がいきどほろし
    このごろ憎き男に似たれば

    森の奥より銃声聞ゆ
    あはれあはれ
    自ら死ぬる音のよろしさ

    大木の幹に耳あて
    小半日
    堅き皮をばむしりてありき

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は文字数制限により割愛させて頂きます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                    了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その172 ネット歌会)

2025年03月19日 05時26分19秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その172 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「ネット歌会」の「返歌」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中で自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。飛び入り歓迎です。


     「咲き初める 富士桜」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆ドア押せばカウベルのなるカフェあり プレート置かれた指定席見ゆ
                         夕庵さん
★懐かしや学生時代の喫茶店 今はビルに様変わりする
                         西BOOさん
★懐かしき不二家のペコちゃん元気かな イチゴケーキに憧れし頃
                         夕庵さん

☆月ヶ瀬の梅がようやく咲き始む 一万本の花の競演
                         西BOOさん
★五月川に沿いて紅梅咲き競い 甘き匂いの月ヶ瀬の里
                         夕庵さん

☆陽春の胎児のエコー母の腹 蹴り成長のいのちの神秘
                         みっちっちさん
★へその緒は 母子を結ぶ命綱 絆は深し 女は強し
                         夕庵さん
★産院に響く産声 しあはせの春を連れくる天使の声よ
                         みっちっちさん
★五十歳(ごじゅう)にて初孫男(お)の子胸に抱く
            よくぞ生(あ)れにき吾の宝物
                         夕庵さん
★大相撲好きの娘と升席に 四十歳の玉鷲応援
                         みっちっちさん
★枡席のアップに知己の人見つけ 息災を知り安堵してをり
                         夕庵さん
★次々に好きな力士のタオル上げ 応援するは負けても愉快
                         みっちっちさん
★出産の祝いはこれと決めている ふんわりやさしい今治タオル
                         夕庵さん
★ふんはりとパン焼き上がり 鳥の声 北野ホテルの朝の目覚めよ
                         みっちっちさん
★もう一度北野ホテルの朝食を 春の光をテラスに浴びて
                         夕庵さん

     「遅い開花の ミモザ」

☆春日と共に歩かむポストまで 君への文を出すや迷いつ
                         みっちっちさん
★手紙書く宛名の人も減りゆきて ポストはだんだん遠くなりゆく
                         夕庵さん
★青春や恋の悩みをつらつらと 文通せしは中学の頃
                         みっちっちさん
★文通は懐かし 死語となりつつも 名前忘れぬ東北の君
                         夕庵さん
★直ちゃんと名のみ覚ゆる仲良しの 小学二年で別れし友よ
                         みっちっちさん
★お互いに気合い入れつつラインする 
        「気にすな、頑張ろう」スタンプなれど
                         夕庵さん
★スタンプはワンクリックで意のままに 愉快な会話成り立つ時代
                         みっちっちさん
★センスよきスタンプのみの応酬で会話も成り立つ言葉は何処へ
                         夕庵さん
★冗談の応酬なりき 漫才のごとき会話は関西人なり
                         みっちっちさん
★方言を聞けば何だか暖かく 上方文化は健在なりき
                         夕庵さん
★懐かしきいとしこいしの兄弟の ですます調のほのぼの漫才
                         みっちっちさん
★芸人を目指す若者多けれど 品よき言葉でボケとツッコミ
                         夕庵さん
★ぼけ役とつっこみ役は日常の 会話にもある関西の人
                         みっちっちさん
★関西に住んでよかったあなたとも 飾らぬ言葉で素の私居て
                         夕庵さん

☆澄みわたる空に伸びるや木蓮の ためらい開く白き花びら
                         ポエット・M
【詞書】写している写真家の人に聞いてみると、その木蓮の写真で
  誰かが賞を取られたとのことでした。
★山中にひっそりと咲く木蓮に 誰に聞いたか写真家集う
                         西BOOさん
★青空に串さす如く木蓮の 白きつぼみの まとう凛々しさ
                         ポエット・M

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「空に突きさす 白木蓮」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その171)

2025年03月12日 05時57分17秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その171) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致して
     いますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き盛る 河津桜」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 「光る君へ」は昨年12月15日を持って終了致しました。昨年1年間
 源氏物語贈答歌の返歌をやって来ましたが、まだ「明石の帖」まで
 しか到達していません。旬を過ぎて行くテーマに、続けるかどうか
 悩みましたが最後の帖まで続けようと思いました。
「26.少女(おとめ)朝顔の君」
 源氏はなおも朝顔の姫君に言い寄るが、姫君のかたくなな態度は
 変わらない。一方、祖母大宮の元で養育されていた源氏と葵の上の子、
 夕霧が十二歳となり元服した。源氏は勉学を身につけさせるために、
 六位という下級の官位に留めおいた。大宮も夕霧もその処置に不満で
 あったが、発憤した夕霧は異例の早さで昇進した。同じころ、斎宮の
 女御が立后した。源氏は太政大臣に、かつての頭の中将は内大臣に
 昇進した。斎宮の女御の立后にあせる内大臣は、次女雲居雁の入内を
 考えるが、雲居雁は夕霧と相思相愛の仲になっていた。そのことを
 知った内大臣は雲居雁を自宅に連れ戻す。源氏は夕霧の後見を
 花散里に依頼する。夕霧は容姿はふつうだが気立てのよい花散里に
 心を許す。源氏は四季の町からなる六条院を完成させた。春の町を
 紫の上、夏の町を花散里の邸とし、秋の町を斎宮の女御の里邸とした。
〇かけきやは 川瀬の波も たちかえり 君が禊の 藤のやつれを 光源氏
註)思いもかけませんでした、今日、禊の日が立ち帰り、あなたの
  藤色の衣(喪服)を見るとは
〇藤衣 着しは昨日と 思ふまに 今日は禊の 瀬にかはる世を」朝顔の君
註)喪服を着たのはつい昨日のことと思っていましたのに、今日それを
  脱ぐ禊をするとは、世の中の移り変わりは早いものですね
(返歌)
☆姫君は 物思いにと 所在なく 思い出すこと 桂の木にも
☆しみじみと 源氏の君は 返歌こそ 所狭しと 品々贈る
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 作者の説明にもあります通り「少女」の巻における光源氏と朝顔の君の
 関係は、相変わらず微妙で複雑なものです。光源氏は朝顔の君対して
 変わらぬ情愛を持ち続けていますが、彼女はその進展に対して非常に
 慎重で、距離を保ち続けています。
 光源氏が朝顔の君に詠んだ歌には、彼女の喪が明けたことを祝うと
 ともに、深い思いが込められています。しかし、朝顔の君はその歌に
 対しても慎重に対応し、心の中で揺れ動く感情を抱えながらも、
 自らの立場をしっかりと守ろうとしています。
 この巻では、光源氏の求愛に対して朝顔の君が応じることなく、むしろ
 距離を置こうとする姿勢が強調されています。彼女は自分の気持ちを
 明かさず、決して光源氏に心を許さないことで、自らの誇りと立場を
 守ろうとする意志を貫き、物語の中でも印象的なシーンとなっています。
 源氏物語の中でも、朝顔の君との関係は常に緊張感を孕んでおり、その
 微妙な駆け引きが物語の魅力の一つとなっていると考えます。
 このような背景を前提としながら、作者の二首の返歌を鑑賞しました。
 一首目の歌、結句の「桂の木」は、物語の中で象徴的な存在として登場
 します。朝顔の君が住む邸宅には桂の木が植えられており、彼女自身を
 象徴する存在となっています。桂の木は夜に麗しい香りを放つことから、
 朝顔の君の清らかで高貴な人柄を表現しています。
 二首目の歌は、光源氏の思いに寄り添い、その思いを肯定して詠まれて
 います。今回も、それぞれの立場から率直な想いを詠んでみましたが…。
【ご参考】
★桂木の香り仄かに漂いて 深まりゆくも 君への想い
★みそぎにも漂いきたる香りあり 妖し誘(いざな)い切なきものよ

【詞書】妣(はは)で三首、出詠いたします。
☆春月のやはらに妣のこころ見ゆ 吾(あ)に降りそそぐ孤高の光
☆白梅の名残は妣の愛しさよ 一花一花の梅が香甘く
☆闘病の妣へパジャマを買ひしこと 小花模様の春色哀し
                         みっちっちさん
【解説】
 今回は、今は亡きお母様(妣)への想いを三首詠んで頂きました。
 一首目の歌、上の句の「春月のやはらに」で、春の月光が柔らかく
 降り注ぐ情景が繊細に描写されています。「妣のこころ見ゆ」では
 「妣(はは)」という言葉が使われていることで、亡きお母様の深い
 愛情や思い出を想起させ感動的です。下の句では、月光が降り注ぐ
 様子を「孤高の光」と表現することで、作者の孤独感とともに、母の
 愛情が静かに自分に降り注ぐ感覚が描かれ、深い情感が感じられます。
 総じて、自らに降り注ぐ柔らかな月光と、亡き母が注いでくれた愛情を
 繊細に結び付けた、感動的な歌と感じます。
 二首目の下の句「一花一花の梅が香甘く」の表現がいいですね。
 三首目の「小花模様の春色哀し」の「哀し」に込められた作者の想いの
 深さに打たれます。再び巡ってこなかった「春」への無念の思いも
 滲んでいます。

     「名残りの 白梅」

【詞書】3月1日の暖かかった日を詠みました。
☆陽春の庭に出でれば紋白蝶 梅が咲いたと触れ回るなり
【詞書】お水取りを詠ませて頂きました。
☆三月に入りて三寒四温とて 二月堂では滞りなく
【詞書】世界情勢を詠ませて頂きました。
☆ゼレンスキー・トランプ会談決裂は プーチン喜ぶ結果となるのみ
                         西BOOさん
【解説】
 今回は「紋白蝶」「お水取り」「ゼレンスキー・トランプ会談」と
 ホットなテーマについて三首詠んで頂きました。
 一首目の歌は、第二波に渡った最強寒波も和らぎ、春らしい日和と
 なった様子を詠み、好感のもたれる歌となっています。擬人化された
 蝶は、さながら作者の想いともリンクし、春の訪れを心から喜んでいる
 様子が素直に表現され共感を誘います。
 二首目の歌、前にも触れさせて頂きましたが、東大寺のお水取り本行は
 3月1日から14日に行われています。詠まれているように、気象状況に
 関わりなく「とて…滞りなく」実施されていますね。「とて」の表現に
 作者の
想いが滲んでいます。春の訪れを示す象徴的なイベントは本物の
 春を
招く力強いサポータとも感じます。
 三首目の歌は、詠まれている通りですね。作者の先週の歌への解説でも
 触れさせて頂きましたが、ゼレンスキー大統領は、アウエー感に満ちる
 アメリカ大統領執務室で、国を背負う者の矜持を保ちつつ自らの主張を
 毅然と述べられた事に清々しさを感じました。国連憲章を乱暴に踏み
 にじったロシアを利する、いかなる役割も、アメリカは果たすべきでは
 ないと思います。また、ウクライナの国と国民の将来を、己の卑小な
 利益と栄誉の為の手段にすべきでないとも考えます。

【詞書】椿二首
☆落ちてなお形崩さぬ椿あり 声かくときの息のむためらい
☆春を待ち乙女椿の名をもつも 花びら縁より朽ちてゆくなり
【詞書】春雨を聞きながら・・
☆しめやかに春雨降りつぐ枕辺に 白鳥しずかに羽根をやすめり
                         夕庵さん
【解説】
 今回は「椿」と「春雨」をテーマに三首の歌を詩情豊かに詠んで
 頂きました。
 一首目の歌は、落ちた椿の花の美しさとその静寂さを描写しています。
 椿の花が落ちても彩どりを保ち、形を崩さない様子は、自然の中での
 一瞬の永遠性を
感じさせます。なお、落ちた椿に対して声をかけようと
 する時の
「息のむためらい」という表現は、その椿の花の静けさと
 美しさに
対する、作者の繊細な美意識と畏敬の念を感じさせます。
 また、上の句と下の句が対比的で、美と静寂、動と静のコントラストが
 見事に表現されています。さらに、花の儚さとその中に宿る命の永遠性が
 余情と共に表現されています。
 二首目の歌、花の持つ美しさと儚さ、さらに残酷さが「縁より朽ちて」
 に凝縮され、鮮やかに表現されています。

     「乙女椿」 

【詞書】YouTube短歌:戦争をもたらす者
  ホルスト 組曲「惑星」より「火星」
☆力を得し者は更なる力のために戦う
            宿業の中で
                         自閑さん
【短歌解説】自閑さんご自身の説明です。
 ロシアーウクライナ戦争が、トランプの登場で更に見通しが分からなく
 なったと思います。EUも困惑し、日本も対岸の火事ではいられなく
 なったと思います。
 イギリスの作曲家グスターヴ・ホルストの組曲「惑星」は、占星術に
 インスピレーションを得て1914年から1916年に作曲しました。
 それぞれ惑星の名前とサブタイトルが付けられており、「火星」は、
 「戦争をもたらす者」が付いています。
 弦楽器とハープ、ティンパニー、ゴング、ファゴット、フォルンが
 奏でるリズムとトランペットとホルンを掛け合いを聴いていると、
 トランプ大統領による力での制圧を思い浮かべてしまいました。
 カナダ、メキシコ、EUに対する関税強化などはその典型だと。トランプ
 大統領とゼレンスキー大統領の会談を、副大統領を參入させ場内を
 混乱させるプロレスの樣にも見え、未だ未だ何が起きようとして
 いるのか不明な時となっています。ただ確かな事は、世界の人々は、
 この曲の様に不安になっているのは間違いはないでしょう。
 「戦争をもたらす者」なのか?力で「平和をもたらす者」なのか?
 主題が一端終って、徐々に楽器が演奏に加わって大きくなっていく、
 休戦後も燻り続ける野望の様に聞こえました。フィナーレには
 累々とした屍の荒野だけが残っていると。
 以下URLに、曲を貼付しておりますので、御視聴頂ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/aaed429af12909c8e6c50f5b5b2aa985
【解説】
 ご紹介頂いたホルスト作曲の『組曲「惑星」より「火星」』のYouTubeを
 視聴させて頂きました。曲全体を通して急激な強弱の変化があり、戦争の
 爆発的なエネルギーと突然の静寂が描写されています。特に強力で不規則な
 リズムは、戦争の不安定さと予測不可能性を反映し、5拍子のリズムが、
 緊張感と不協和感を強調しています。さらに、戦争の爆発的なエネルギーと
 突然の静寂は作者の解説にもありますように「累々とした屍の荒野」の状況
 を描写しているように感じました。
 この曲を踏まえて詠まれた歌には、歴史や人間の業を見つめた深い洞察が
 感じられます。勝ち得た力に満足せず、更に力を求め続ける姿は、歴史の
 中で営々と繰り返され、いまなお続く多くの権力闘争を象徴しています。
 また、
「宿業」という言葉が示すように、これは歴史の舞台で踊った、
 さらに、踊りつつある
個々の人間の問題ではなく、人類全体に普遍的に
 存在するテーマだという
ことが詠われています。
 また、自由律で詠われていますが、全体のリズムも心地よく「得し者」
 「更なる」「宿業」という言葉の選び方に工夫が感じられ、強いメッセージ
 性と詩的な美しさを兼ね備えた歌と感じます。さらに、ホルスト「火星」の
 曲と響きあい深い印象と、示唆を与える歌と考えます。

【詞書】3月8日(土)は「国際女性デー」で、それを象徴するミモザをよく
  目にしました。その日私は宇治北の平和堂(フレンドマート)や
  コーナン、ドラッグユタカなどに買い物に行った時に100均に寄ると、
  ミモザの柄の小皿が目に入り、「8日やしなー」と思わず一枚衝動買い…。
  行きしなに去年今頃綺麗にミモザが咲いていた近所のお宅は
  まだ咲いてなさそうだったこともあって…変わりと言っちゃ
  何ですが…でしたが。(帰りにそーっと見に行くとバッサリ切られた
  のか、凄く剪定したのかちょっと見当たりませんでした)そして、
  この日の朝日新聞の朝刊も、ミモザが満開の枠の中に題字が有る
  という素敵な特別デザインでした。新聞自体の内容もよく見かける
  「Think Gender」というタイトルを付けた記事がいつもより多かった
  かなと思います。
  まだまだ女性も生き辛さを抱えることも多い昨今、多少なりとも声を
  あげることが可能になりつつあるだけ昔よりはいいのかなと思い
  ながらも、いやそこで止まったらあかんのやろうな…とも思います。
  子供(女の子たち)も含めて哀しい、悲しい、辛い、しんどい思いをする
  女性が少しでも減りますように…。(自分の幼い娘に性被害を行う
  父親よ呪われろ!💢)
☆ミモザ柄の小皿を100均で買った日の朝刊
              題字もミモザ満開
【詞書】いや~、3月8日は新聞の題字も驚きでしたが社会面(テレビ欄の前)
  を開いて「うわああ~!!」と思わず歓喜の叫び…。
  大阪府堺市の大山古墳(伝・仁徳天皇陵)へ3/7に「歴史、考古学系の
  17学会・協会」の代表者さん達が墳丘に立ち入り、現状を観察した…
  とのこと。戦後、学会関係者のこの古墳への立ち入りは初めて
  だそうです。
  宮内庁職員さんの案内で、ボートでお濠(ほり)を渡って墳丘に
  上陸して視察したとか…。もう、記事を読む間「うひゃあ~」とか
  「うわぁい!」とか、端に居た母はうるさかったやろなあと思うぐらい
  大騒ぎして読んでいました。2008年に「陵墓」の立ち入り観察が初めて
  許可されて、今回18箇所目だったそうな。いや~…「やった~!!🎉」
  みたいに快哉を叫んだ学者先生たちはきっと多かったかと思います。
  (いや「やっとか~!」だったりして…)考古学者の先生方って、長年
  「我々は墳墓の調査をしたいぞー!」「掘らせろー!」「おー!」って
  感じで調査が出来ることを願ってたでしょうから…。…森浩一先生が
  健在で居られたら、きっと墳丘に足を踏み入れた学者先生達と共に
  視察したかっただろうなあ…という気がします。(私だって見てみたい!
  高校はすぐ横を電車で毎日通っていたし、大学やバイトの時でも電車
  から墳丘の上の木々を見ながら通ってましたし…)しかし、昔母が
  人から聞いた話で、大雨や台風の時に近くのお店の人とかが、埴輪が
  流れて来たと言ってたとか言ってなかったとか…。え゙~っ?!
☆学者達
  「調査させろ!!」と願ってた
     大山古墳へ“上陸”果たす!
【詞書】3月10日の「東京大空襲から今年で80年」というのを聞いたり
  見たりしていると、「3月14日の大阪大空襲からも80年やねんな…」と
  思い、「空襲で逃げてた時に軍手していて火が付いて手に火傷した」
  という話は、それを聞いたという姉から聞いたものの、本人が存命の
  間に「手のどこ?」とか「どうして助かったん?」とか詳しく聞かんかった
  なあ…と思ってました。とはいうものの父の死後、家の事とか保険や
  何かの事とか仏事、お寺の事とかetc.…事細かに父が書き残した物の
  中に、空襲から逃げた話や疎開先での話、大阪で会社に入った当時の
  事など、「忘れてしまう前に思い出せる事を書いておく」感じで少し
  ですが書いたものを見つけました。今ならば父が父親(私の祖父)と
  焼夷弾による炎の中を逃げ、手や足に何カ所か火傷を負った事、
  逃げる途中爆風に飛ばされて頭を打った事、気を失った後に介抱され
  (頭も治療してもらって)祖父と合流できた事、梅田まで何とかたどり
  着いて阪神電車で兵庫県の伯父さんの家に行った事、痛みも忘れて
  逃げていて、伯父さんの家で牛乳を貰ったけど吐いてしまい、その後
  1週間ほど朦朧としていた事、家の様子を見に
行った祖父に家が全焼
  していたと聞いた事、伯父さんの家にしばらく
居た後、島根の親戚を
  頼って疎開した事(父の弟と妹3人は先に行って
いたという。父には
  昭和40年代に外国で客死したお兄さんが
居ましたが、戦中は出征して
  いたそうです)、空襲が無くてほっとして
いた事、…あと、疎開先で
  大阪弁をからかわれたり、いじめられたけど
先生達は優しかった事、
  労働奉仕は辛かった事、高校を卒業して
祖父は大学に行って欲しかった
  みたいだけど、商社に就職できて
嬉しかった事、始めのうちはお金に
  苦労した事…等々を知り、ドラマを
見るようにその場面を想像する
  ことができます。…ちらちらと途切れ
途切れに聞いてはいましたが、
  まとめて一連の話としてははっきり
聞いてませんでしたから、身内の
  辛くとも貴重な戦時中の体験の
話ならばちゃんと聞いておいたら
  良かったなあ…しかし、父がその
戦火を生き延びたから私が居るんよ
  なあと3月14日を目前にして
思った次第です。(母は父が疎開した近くが
  実家ですが、低く飛ぶ
B29に乗っていた派手なスカーフをした
  パイロットを見たと言って
ます。空港とかあったらしいから全く静か
  でもなかったやろうと
思いますが…。9日の天声人語にありましたが、
  結構有る話や
そうです。パイロットの顔が見えたって…凄い話や……)
☆大阪大空襲で負った火傷跡(あと)
        聞けないまんまで父亡き今年
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回も、「国際女性デー」「大山古墳」「大阪大空襲」をテーマに、
 最新の時事情報を掘り起こし三首の歌を詠んで頂きました。
 一首目の歌、今年は花の開花がなべて遅れていますね。ミモザも少し
 遅れていましたが、ここ二三日でようやく開花し始めました。
 国際婦人デー(3月8日)は、女性の社会的地位向上や平等を祝う日で
 あり、ミモザの花が象徴的な役割を果たしていますね。この日の
 朝日新聞の題字は、詠われているように「ミモザが満開」に彩られて
 いました。ジェンダー平等の実現と、女性の権利向上への意識を高める
 ための取り組みと闘いの歴史を学びながら、今何をすべきかを考える
 出発点の日としたいですね。それらを意識する歌でもあると感じます。
 二首目の歌、今年の3月に行われた大山古墳(仁徳天皇陵)の上陸調査は、
 歴史的・考古学的に非常に重要な出来事でした。この調査は、作者の
 詞書でも述べられているように、戦後初めて学会関係者が墳丘に立ち
 入る機会となり、17の歴史・考古学系の学会・協会の代表者が参加
 しました。調査の結果、墳丘の保存状態は良好であり、今後の保存・
 管理に向けた具体的な対策が検討されることとなり、古代日本の歴史や
 文化を理解する上で重要な一歩となると考えます。歌には身近な関係者の
 一人として、この調査への作者の喜びが率直に表現されています。
 三首目の歌、「東京大空襲」の4日後、「3月14日の大阪大空襲」が
 アメリカ軍のB29によって強行されましたが、お父様がその被害者の
 一人であったと初めて知りました。その後島根県への疎開等々でご苦労
 された話は、まさに戦中戦後の個人史としても明確に書き残したい貴重な
 歴史と感じます。
 1945年3月に行われた東京大空襲、大阪大空襲等、さらに8月の広島、
 長崎への原爆投下はアメリカ軍による大規模な無差別爆撃であり、
 数十万人を遥かに超える市民が犠牲となりました。この攻撃は一般市民を
 対象としたものであり、国際法違反であり、さらに戦争犯罪と考えます。
 このような、歴史的な出来事を記すことは、戦争の悲惨さや愚かさを後世に
 伝えるために重要ですし、せめて「一つの証言」として個人としても詠い
 継ぎ、記していきたいと思います。

☆澄みわたる空に伸びるや木蓮の ためらい開く白き花びら
                         ポエット・M
【解説】
 第二波に及ぶ最強寒波によるものでしょうが、今年の春の花はなべて
 平年よりも開花が遅れていると感じます。それでもここ二、三日の温かな
 日差しに誘われるように白木蓮が、ためらいがちに開花し始めました。
 青空を背景に未だ吹く北風の中へ、すっくと枝を伸ばし純白の花弁を
 開く様は「本物の春」の到来を告げているかに感じます。
 そんな、きりっとした白木蓮の咲き初める様を詠ってみました。


     「咲き初める 白木蓮」

「一握の砂」石川啄木 鑑賞(9)

 「一握の砂」から、三首づつ短歌を抄出し紹介させて頂きます。
  抒情短歌の原点を味わいつつ、学んで参りたいと思います。
  なお、私の師でありました野村泰三、冷水茂太両氏の師、土岐善麿
  (土岐哀果)は、石川啄木の遺稿刊行に尽力するなど、啄木の才を
  認め、お互いにリスペクトするなかでした。
  三行分かち書きのスタイルは、土岐哀果のローマ字歌集『NAKIWARAI』
  をヒントにしたとされています。

    なみだなみだ
    不思議なるかな
    それをもて洗へば心戯けたくなれり

    呆れたる母の言葉に
    気がつけば
    茶碗を箸もて敲きてありき

    草に臥て
    おもふことなし
    わが額に糞して鳥は空に遊べり

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は文字数制限により割愛させて頂きます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                    了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その171 ネット歌会)

2025年03月12日 05時05分56秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その171 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「ネット歌会」の「返歌」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中で自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。飛び入り歓迎です。


     「咲き盛る 河津桜」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆陽春の庭に出でれば紋白蝶 梅が咲いたと触れ廻るなり
                         西BOOさん
★梅が枝に飛び交うメジロの賑々し チーチー囀る甘き求愛
                         夕庵さん
★野良猫かメジロ滅多に顔みせぬ 椿に梅が咲き誇れども
                         西BOOさん
★満開の梅の花の愛しさよ より来るメジロもおなじに愛し
                         夕庵さん

☆闘病の妣へパジャマを買ひしこと 小花模様の春色哀し 
                         みっちっちさん
★吾の縫いしスカートにそっと足通す 和服ばかりの亡母の日常
                         夕庵さん
★クローバー探す少女ら原っぱに スカートの円丸くして春
                         みっちっちさん
★嫩葉萌ゆ 原野にうち出寝転べば 雲雀は高く空に消えたり
                         夕庵さん
★天平の鴟尾かがやきて 揚雲雀 天心目指し声高々と
                         みっちっちさん
★うららかな春の日差しの草原に 「チュルリ・ピチュリ」とヒバリの飛翔
                         夕庵さん
★春空へ大ホームラン 少年を称ふるやうに雲雀の飛翔
                         みっちっちさん
★誉めて子の指導する監督に 叱る・体罰 頭にあらず 
                         夕庵さん

     「咲き初める 白梅」

☆春月のやはらに妣のこころ見ゆ 吾(あ)に降りそそぐ孤高の光
                         みっちっちさん
★白梅はぽこぽこ咲きて春を呼ぶ 洞ふたつ持つ孤高の盆栽
                         夕庵さん
★かざす手に日の濃く淡く 白梅のはち切れさうな蕾数へて
                         みっちっちさん
★風雪に耐えて開きぬ白梅に 光やさしくエールを送る 
                         夕庵さん
★花街のちさき稲荷のしだれ梅 手をはんなりと舞妓祈りぬ
                         みっちっちさん
★梅園の野点の席にあでやかな 舞妓の笑みてにおう春風
                         夕庵さん
★華やぎの花見小路に 舞妓らの 銀のかんざし春風に揺れ
                         みっちっちさん
★訪ねしは石塀小路の曲がり道 ぼんぼり淡し横顔寂し
                         夕庵さん
★花街の曲がり角にて肩触れし 横顔いづこで会ひしデジャブか
                         みっちっちさん
★花街の笑顔の外人青年は 日本文化に感銘しきり
                         夕庵さん
★外人の浴衣姿は靴履きて 裾は短く胸ははだけて
                         みっちっちさん
★身の軽くスニーカー履きて春の町 五感ふるわす発見あるやも
                         夕庵さん

☆果て知らぬ悲しみ癒えぬ日々の中 君ら逝きたる 春巡り来る
                         ポエット・M
★震災を乗り越え建てた家々に 靡く山火事容赦を見せぬ
                         西BOOさん
★悔しさも辛き想いも秘めきたる 今また襲う 無念山火事
                         ポエット・M

☆悔しさも辛き想いも秘め来たる 今また襲う 無念山火事
                         ポエット・M
☆山火事は自然の甚振り雨降りて 鎮火宣言なるも痛まし
                         夕庵さん
★山火事に 地震・津波と幾たびを われらを試す 天地の神は
                         ポエット・M
★ふたたびの災害なるも夢でなし かける言葉も浮かびもせずに
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き初める 椿」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その170)

2025年03月05日 06時00分46秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その170) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致して
     いますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き盛る 河津桜」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 「光る君へ」は昨年12月15日を持って終了致しました。昨年1年間
 源氏物語贈答歌の返歌をやって来ましたが、まだ「明石の帖」まで
 しか到達していません。旬を過ぎて行くテーマに、続けるかどうか
 悩みましたが最後の帖まで続けようと思いました。
「25.朝顔(あさがお)朝顔の君」
 父宮の薨去により朝顔の姫君は斎院を退き、桃園の宮で暮らしていた。
 姫と同居する女五の宮の見舞いにかこつけて邸を訪問した源氏は朝顔の
 姫君に恋心を訴えるが、姫君は聞こうとしない。世の人々は源氏と
 姫君のことを理想のふたりだと噂をする。それを聞いた紫の上は、
 さしたる後見のない自分の身と前斎宮である姫君をくらべ強い不安を
 覚える。源氏の求愛を聞くことなく朝顔の姫君は勤行に明け暮れる。
 あきらめきれない源氏だが、紫の上を放っておくこともできず弁明に
 明け暮れる。雪が降る中、源氏と紫の上が女性論を交わしていると、
 藤壺の宮が源氏の夢枕に立ち、秘密の漏洩を深く恨んだ。
〇見し折の つゆ忘られぬ 朝顔の 花の盛りは 過ぎやしぬらむ 光源氏
  昔拝見したあなたの姿がどうしても忘れられません。
  朝顔の花のようなあなたの容姿は盛りを過ぎてしまいました
〇秋果てて 霧の籬に むすぼほれ あるかなきかに 移る朝顔  朝顔の君
  秋が終わって霧の立ち込める垣根にしぼんで今にも
  枯れてしまいそうな朝顔の花のような私です
(返歌)
☆恋ごころ 長い年月 募らせた 私の気持ち 朝顔に見て
☆朝顔は 源氏の心 思いやり 真面目な気持ち そっと伝える
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 『源氏物語』の「朝顔」の巻は、光源氏と朝顔の姫君(斎院)との関係や
 和歌を通じた微妙な感情のやり取りが特徴となっています。この巻では、
 二人の間の恋愛感情が主題となりながらも、朝顔の姫君は光源氏の求愛に
 応じようとしません。そのため、華やかな恋の物語というよりも、静かな
 哀愁や諦念が漂う内容となっています。
 朝顔の姫君は斎院として育ったことから、恋愛よりも清廉さや義務感を
 重んじる価値観を身に付けてきました。光源氏はそんな彼女に長年恋慕を
 抱き続けてきましたが、その思いは実ることがなかったと読み取れます。
 それゆえに、二人の関係は静かな対話と精神的なやり取りに収まって
 います。従って、この巻は全体的に、恋愛の儚さとともに、過ぎ去った
 時間への哀惜を感じさせる内容として深い趣があると感じました。
 なお、ここに例示された朝顔の君の歌は、光源氏の歌を故意に曲解して
 返歌したという説もあります。
 これらの背景と、二人の歌のやり取りを踏まえて、作者の「返歌」を
 鑑賞させて頂きました。
 一首目は光源氏の立場から、朝顔の姫君への長年にわたる変わらぬ恋心を
 強調して詠って、光源氏の想いに寄り添う歌となっています。
 二首目は、朝顔の姫君の想いを代弁し光源氏への淡い想いを詠っています。
 それぞれの立場から、その想いを直截に詠ってみましたが…。
【ご参考】
★朝顔の花の盛りの麗しさ 君は留めて今もまばゆく
★秋にさえ艶なす花よ朝顔の 想いは君に寄り添いてゆく 

【詞書】各地の大雪を詠ませて頂きました。
☆積雪の記録更新あちこちで 異常気象の影響ならむ
【詞書】もうすぐ春だと思い詠ませて頂きました。
☆雨水とて雪のちらつく如月も お水取りはもう目の前に
【詞書】アメリカのトランプを詠ませて頂きました。
☆何よりもロシアの味方トランプよ お前の偉大はこういうことか
                         西BOOさん
【解説】
 一首目の歌、近年は異常気象が続き、「異常」が「通常」化しつつ
 ありますが…。それでも今年の積雪は北陸地方を始め各地で記録を
 更新し、際立った異常さを示しました。2度に及ぶ「最強寒波」の
 影響もあり、例年の4倍を超える積雪は異常をさらに超えています。
 淡々と詠っていますが、「異常気象の影響ならむ」の静かな告発に
 作者の想いが滲みます。
 二首目の歌、東大寺お水取りは3月1日~14日に本行が行われますが、
 春の訪れの象徴的なイベントを楽しみたいですね。「もう目の前に」の
 表現に想いが凝縮されています。
 三首目の歌、3月2日付けでメディアは「米ウクライナの会談決裂」を
 一斉に報道しています。ゼレンスキー大統領の想いの中には、
 詠われているようなトランプ大統領の想いや、姿勢への不信感と、
 いらだちがあったのではないかと感じます。トランプ大統領への
 へつらいと、忖度に満ちる執務室のアウエーの雰囲気の中で、国と
 国民の誇りを背に、自らの主張を毅然とされたゼレンスキー大統領の
 姿勢。諸々の批判はありますが、清々しさと、国を背負うものの
 矜持を感じました。これからの道のりの険しさはありますが、
 ウクライナを孤立させない欧州をはじめ私達の国の支援は必須と
 考えます。国連憲章を乱暴に踏みにじったロシアを利する、いかなる
 役割も、アメリカは果たすべきではないと思います。こんな想いも
 滲む歌と改めて感じました。 

【詞書】「梅の花」で三首、出詠いたします。
☆咲き満ちて色を極むる梅の花 妣(はは)と眺めし いのちの輪廻
☆歌碑守のごとく白梅匂ひけり 小雨に色をうつして静か
☆紅ほのと白ほのぼのと梅の花 青空に色交差して美(は)し
                         みっちっちさん
【解説】
 梅の花にまつわる余情に満ちた三首の歌を詠んで頂きました。
 一首目の歌は、梅の花が満開になり、鮮やかに咲き誇る様子を描写
 しています。なお、「妣(はは)」との言葉から、この情景は亡き
 母とともに過ごした日々の思い出が今も生き続けていることを示して
 います。作者は、梅の花の美しさに母との思い出を重ね合わせ、人生の
 輪廻、命の循環へ想いを巡らせています。さらに、梅の花の鮮やかな
 彩りを詠い、母への深い愛情と敬意を改めて確認する、深い感動を誘う
 歌になっています。
 二首目の「小雨に色をうつして」の繊細な情景描写が秀逸です。
 三首目の歌、上の句のリフレインと紅梅、白梅の繊細な描写が的確です。
 また、「紅」「白」「青」の色の交差と着眼点も素敵です。

【詞書】如月三首
☆わが影を踏みしめながら如月の 孤高の月よ ともに帰らむ
☆降る雪に閉じ込められし鯖街道 「花折」に食ぶ鯖寿司冷たし
☆雰囲気の悪(あ)しき男とすれ違う 思わず構える日傘なれども
                         夕庵さん
【解説】
 如月の日々、「月」「鯖寿司」「悪しき男」をテーマに三首詠んで
 頂きました。
 一首目の歌、酷寒の如月の夜道。その寒さと月の光が作者の孤影を
 照らし出し、幻想的な雰囲気を醸し出しています。
 下の句の「ともに帰らむ」と、月に呼びかけるように語りかける
 ことで、作者の寂寥感を際立たせています。なお、「ともに」と
 いう言葉は、月との一体感を求めつつ孤独感を分かち合い、その
 状況を楽しむゆとりも一方では感じられます。また、月を擬人化する
 ことで、作者の心情をより深く表現されていると感じました。
 二首目の歌、歴史と風土に育まれた「京鯖寿し」の老舗「花折」。
 そこで、京を代表する「ハレの食」を頂きながら豪雪に閉ざされた
 「鯖街道」を偲ぶ作者の、優しさが滲む歌と感じます。作者の
 ような方たちによって、京の食文化は営々として守られて来た
 との想いを新たにしました。
 三首目は、作者の気丈さが頼もしく表現されています。


     「咲き初める 白梅」

【詞書】風の紛れ 源氏物語 手習に
☆我が方に風の紛れに逢いてしな
 黄なる泉の蓮の上にて
                         自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 六十の手習いに、源氏物語の手習を勉強しております。源氏物語は、
 未だ7~8帖しか読んでおらず、1週間に4ページなので、54帖は
 生きている間は無理と確定しております。
 同帖に「風の紛れ」と言う単語が有り、これは源氏物語が初出の
 単語とか辞書にありました。
 「うつし人になりて、末の世には、黄なる泉のほとりばかりを、
  おのづから語らひ寄る風の紛れもありなむ。我がものに
  取り返し見むの心地、また使はじ」
 死んだと思っていた浮舟が、生きていると知ったが、尼僧となった
 ので、今世ではもう逢う事は無理だが、来世以降に、偶然でも
 逢いたいと言う薫大将の気持ちです。
 新古今和歌集には、本説取と言って、物語の場面から和歌を
 読むと言う物が有り、その習作です。
【解説】
 今回は、源氏物語からの「本説取」で一首詠って頂きました。
 なお、「風の紛れ」は、「風の中に隠れる」「風に紛れる」という
 意味合いを持ち、偶然の出来事や予期せぬ巡り合わせを表現している
 とのことです。
 紫式部は「絵合」競技の創作や、「風の紛れ」のような独特な表現を
 生み出しています。これは彼女の文才と創造力の賜物だと言えますが、
 「源氏物語」では、これらを含めて、多くの美しい言葉と表現が散り
 ばめられており、その一部は現代でも使われ続けていると感じます。
 詠まれた歌について触れたいと思います。
 上の句では、「風の紛れ」という「本説取」の言葉が巧みに使われ、
 思う方との偶然の出会いや巡り合わせを願う、作者の気持ちがより
 鮮明に伝わってきます。
 下の句では、「黄なる泉」は黄泉の国を示しており、来世であっても
 逢いたいと願う気持ちが表現されています。また、「蓮の花」は仏教で
 しばしば再生や浄化の象徴とされるため、ここでは出逢いへの希望が
 より強調されていると感じました。
 総じて、この歌は偶然の巡り合わせで来世であっても逢いたいという
 切なる願いが込められ、「風の紛れ」という言葉が効果的につかわれ
 歌の深みを増しています。
 「本説取」の短歌創作の事例として、今回も学ばせて頂きました。

【詞書】3月2日(日)のNHKスペシャル(総合夜9:00~)で(「ディープ・
  オーシャン」というシリーズ)「幻・シーラカンス王国」という
  タイトルの、シーラカンスの最新の映像が紹介されました。
  日本人の研究者、技術者を含むチームが、インドネシアの海で
  深海を調査しシーラカンスを見つけるといった内容で、写真なら
  ともかく動く姿はまあ見たことはないシーラカンスの最新映像
  が見られるということで楽しみにしていましたが……予想以上
  でした。最初は潜水艇2機で二手に別れた研究者達がそれぞれ
  シーラカンスの撮影を果たし、よりまだ謎の多い生態に迫ろうと
  撮影を続けていると、日本の学者さんは前回と同じ場所で再び、
  もう一方の女性の研究者さんが載った探査艇(カッコ良いん
  ですよ!ドラえもんにでも出てきそうな感じで…360°近い
  視界が凄かったです)が行った場所に何と!8匹のシーラカンス!!
  初めて見たシーラカンスの団体さん!もう、うひゃあ~!と
  テレビの前で叫んでしまった!…すごかったです。
  見て良かった!女性の学者さんが撮影したいと思っていた
  生殖活動らしきものも撮影できてました。これで生きた化石
  シーラカンスの研究がまた進むことでしょう。
  楽しかった内容でしたが、画面を見ていて「ん?」と思った懸念が
  終盤で明らかになりました。シーラカンスの近くを漂ういわゆる
  “スーパー袋”のような「プラごみ」の映像が出てきたんです。
  「ん?…違うよなあ…いや…」と思っていた画面に写っていた
  ものの中にもやはり人工物がありました。
  そして何よりショックだったのは、死んだシーラカンスの腹が
  裂かれ、そこから色鮮やかなお菓子の袋を始めとしていくつかの
  プラスチックごみが出ている写真…。…深海にプラごみが漂って
  いる映像は以前にも見ましたが、もう本当に待った無しやで…。
  どこぞの大統領は「ストローはプラスチックに!」と言って
  (「抜かして」と言いたくなる)ますが、きっと責任を持って完璧に
  適切に廃棄できるから言ってるんでしょう(皮肉)。
  地球の新参者に迷惑を被る、古き住人たちに人間はこれ以上
  迷惑をかけたらあかん…とマジで思いました。
☆深海のシーラカンスの目の前を
      プラごみ漂う恐ろしさかな
【詞書】もう、最近は何か言うのも嫌になりそうな某大統領ですが…。
  その言動、本人以外の側近、取り巻きの発言も…もう、「アメリカに
  夢を見る」ことに絶望する人も多いんでは…?と思ってしまいます。
  あと、ふと“安禄山”という名が脳裏に浮かびました。某マスク氏を
  見て…。(けっこう違いますが、何か連想してしまったということで…)
  自由を民主主義を人権を守る、自由の女神が掲げる松明の光…
  アメリカのイメージがあまりにも変わったここ数日です。
  “ガザの未来図”みたいな動画の馬鹿馬鹿しさ加減にはもう開いた
  口が…。(黄金像の等身やら足の長さのフェイクっぷりも爆笑もの)…
  せめて欧州の元首達や日本の首相が冷静で賢くあれと思いました…。
☆アメリカは「自由の国」の看板が
    塗り替えられつつあるんじゃないか…
【詞書】岩手県の大船渡市の周辺の山火事は今だ消火に至らず、
  乾燥した気候が続く中被害は拡大しています。こっち(近畿)は
  昨日からしっかりした雨が降り、関東圏はえらい雪が降ってました。
  何故雨雲が岩手の方に行かへんねん!と天気予報を見るたび思います。
  東北、関東など各地から消防車が駆けつけて協力していますが鎮火は
  困難で、消防士さん達、自治体の職員の方々、避難を余儀なくされた
  地元住民の方々…。東日本大震災での被災地でもあり、高台などに
  住宅が再建されたところもある彼の地でおもわぬ“山火事”という
  災害に遭われた方々には心からお見舞い申し上げるとともに、
  せめて降雨があれば延焼の勢いを止められるでしょうから一刻も
  早い降雨を祈るのみしかできません……。どうか…と。
☆山火事を消したや雨を降らせてや
      我(われ)が龍神ならばそうする
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回も、「プラごみ」「自由の国」「山火事」と、今日的なテーマを
 中心に作者の世界観が滲む歌を三首詠んで頂きました。
 一首目の歌、「生きた化石」と言われるシーラカンス王国に迫るNHK
 スペシャルは、「プラごみ漂う恐ろしさかな」と詠まれているように
 改めて、プラごみによる地球的な汚染の実態を静かに告発していますね。
 そして、詞書でも記されているように、地球の新参者である人間が、
 「古き住人たちに…これ以上迷惑をかけたらあかん」ですね。かの
 大統領は世界史はおろか、化学、技術、環境の知見には極めて無頓着で、
 それすら認識していないと感じます。この歌は告発の時事詠と感じます。
 二首目の歌は、詠われている通りですね。国の利益ではなく己の利益と
 名声を強要するディールを繰り返す、かのお方の暴走を「自由の女神」の
 名において止める必要があります。玄宗皇帝と楊貴妃の時代に、国政の
 混乱が招いた「安禄山の乱」にも似た状況に陥らないことを願う
 ばかりです。
 三首目の歌、詠われているように「我(われ)が龍神ならば」との思いは
 皆さん共通の想いと感じます。東日本大震災での被災地が再び山火事に
 襲われる状況は、能登半島の豪雨災害を思いださせ痛切な悲哀を感じます。
 大船渡市の山火事は平成以降で国内最大規模となり焼失面積が約2600haに
 拡大しているとの報道があります。気象条件や傾斜地等の複数の要因が
 重なった結果とのことですが、5日から6日にかけて火災の発生以降、
 初めてまとまった雨が降る予報です。被災された皆様にお見舞いを
 申し上げるとともに、一刻も早い鎮火を祈らずにはおれません。

☆果て知らぬ悲しみ癒えぬ日々の中 君ら逝きたる 春巡り来る
                         ポエット・M
【解説】
 ロシアの3年にわたるウクライナの侵略と、そのもとでの惨劇、ガザの状況、
 アメリカ大統領等の傍若無人の振る舞い等々、世界情勢が混とんとする中
 山林火災等々痛みなしには見れない事象、状況が続きます。こんな日々の中、
 あの3.11
「東北地方太平洋沖地震」の日が巡って来ます。
 かつて、ささやかな
ボランティアで訪れた地で伺った、災害の実態は
 涙なしで聞くことが
出来ませんでした。しかし、その底知れない悲しみの
 中でも、明日を向く
少なからぬ人々の覚悟と気概を知り、逆に励まされた
 記憶が蘇ります。
しかし、未だ「復興」に至っていない現実も少なからず
 あります。
そこから眼を放さず、しっかり現状を見つめていくことが
 必要ですが、
そんな想いを込めて未だ消えない喪失感と無念さを詠って
 みました。


     「咲き初める 紅梅」

「一握の砂」石川啄木 鑑賞(8)

 「一握の砂」から、三首づつ短歌を抄出し紹介させて頂きます。
  抒情短歌の原点を味わいつつ、学んで参りたいと思います。
  なお、私の師でありました野村泰三、冷水茂太両氏の師、土岐善麿
  (土岐哀果)は、石川啄木の遺稿刊行に尽力するなど、啄木の才を
  認め、お互いにリスペクトするなかでした。
  三行分かち書きのスタイルは、土岐哀果のローマ字歌集『NAKIWARAI』
  をヒントにしたとされています。

    浅草の夜のにぎはひに
    まぎれ入り
    まぎれ出で来しさびしき心

    愛犬の耳斬りてみぬ
    あはれこれも
    物に倦みたる心にかあらむ

    鏡とり
    能ふかぎりのさまざまの顔をしてみぬ
    泣き飽きし時

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は文字数制限により割愛させて頂きます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                    了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その170 ネット歌会)

2025年03月05日 05時38分12秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その170 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「ネット歌会」の「返歌」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中で自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。飛び入り歓迎です。


     「咲き盛る 河津桜」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆何よりもロシアの味方トランプよ お前の偉大はこういうことか
                         西BOOさん
★停戦の交換条件の卑しさに 狂気の沙汰と理解し難し
                         夕庵さん

☆積雪の記録更新あちこちで 異常気象の影響ならむ
                         西BOOさん
★この度の異常気象は体にも 変調来たし 薬剤増える
                         夕庵さん
★君 病、全て完治するまでは 粉骨砕身朽ち果てるまで
                         西BOOさん
★気がつけばのんびり生きて成人病 元気の仮面もはがれゆきそう
                         夕庵さん

☆降る雪に閉じ込められし鯖街道 「花折」に食ふ鯖寿司冷たし
                         夕庵さん
★奈良育ち娘の好物柿の葉寿司 吾は鯖寿司 娘鮭寿司
                         西BOOさん
★柿の葉を解(ほど)けばいずれ鯖鮭と くじを引くよなときめきの寿司
                         夕庵さん
★法隆寺 帰りにちょこっと平宗へ 鯛と穴子の柿の葉頬張る
                         西BOOさん
★法隆寺(てら)の鐘いまも鳴ります名物の 柿の葉寿司は歴史を語る
                         夕庵さん

☆紅ほのと白ほのぼのと梅の花 青空に色交差して美(は)し
                         みっちっちさん
★如月の雪のきららは耀きて 梅の蕾へふんわり降りる
                         夕庵さん
★如月のにはか雪にもふつくらと くれなゐ兆す梅ふふみけり
                         みっちっちさん
★白梅にさきがけ開く紅梅に ほのかな甘きかをり愛しも
                         夕庵さん
★闘病の窓に一福 梅の花 甘き香りに妣(はは)の安らぎ
                         みっちっちさん
★紅梅のひと枝手折りて卓上に 春待つ人に笑顔とどけむ
                         夕庵さん
★茶釜には絹のごとくの湯気立ちて 投げ入れの梅なほ匂ひたつ
                         みっちっちさん

     「咲き初める 白梅」

☆咲き満ちて色を極むる梅の花 妣(はは)と眺めしいのちの輪廻
                         みっちっちさん
★盆梅は古木を愛でて花咲かせ 芸術品と見事完成
                         夕庵さん
★千年のしじまなる大くすの木に 手を当てて聞く己れの心
                         みっちっちさん
★雨水を吸いあげ森を潤すと ブナの大樹の声を聞きをり
                         夕庵さん
★豊かなる雨水受くる森林は 生き物たちのいのち潤す
                         みっちっちさん
★黄葉の白神山地のトレッキング ブナの林をまだ踏みもせず
                         夕庵さん
★一港を望み六甲をちこちと 暮るれば有馬 金銀の湯へと
                         みっちっちさん
★金泉に入ればタオルは黄金(きん)色に 雛の膳には桃の花添え
                         夕庵さん
★光りつつ色をこぼして紙の雛 花びらのごと大海原へ
                         みっちっちさん
★紙雛は女の祈りを乗せて発つ 白木の舟で春の海へと
                         夕庵さん
★雛段は 子らの作りし紙雛や 気に入り人形賑々し
                         みっちっちさん
★AIで描きし雛(ひな)の顔白し 美しくとも親しみうすく
                         夕庵さん
★丹精に折り目はしかと紙雛は その表情に個性光りぬ
                         みっちっちさん
★雛の顔 時代を映す美人にて 令和の雛はアニメの多し
                         夕庵さん

☆艶めきし香りに遠きつましさよ 沈丁の花浅き春呼ぶ
                         ポエット・M
★うつむきし白き項を想い出す 沈丁花さく記憶のなかで
                         夕庵さん
★美わしき白きうなじの匂い立つ 遠き記憶よ 宵の沈丁花
                         ポエット・M
★夕闇に沈丁花の匂い漂いて 人は見えねど密やかに在り
                         夕庵さん
★見えねども秘かに香る沈丁花 宵にまぎるる君の気配も
                         ポエット・M
★風通る窓を開ければ沈丁花 今宵やさしき歌を紡がむ
                         夕庵さん
★宵闇をぬいて香るや沈丁花 遥かな記憶呼び覚ますがに
                         ポエット・M
★記憶とは切なきものよあの日より 熟せぬ想いは夢にさえ来て
                         夕庵さん
★切なくもかの日の君の思い出は 今も温もり胸裡(むなうち)にあり
                         ポエット・M
★人はみな恋しき想いを胸に抱き 生きてゆくのか今日も明日も
                         夕庵さん
★恋しさも熱き想いも胸に秘め 走りし日々は今も尊く 
                         ポエット・M
★人恋いし記憶は豊かな財産と 四季の巡りに胸熱くする
                         夕庵さん
★この思い四季の巡りに消え残り 未だ仄かな埋み火なるや 
                         ポエット・M
★ほろ苦き恋の残滓もなつかしき 埋み火ふたたび起こさなくとも
                         夕庵さん
★ほろ苦き恋の残滓は淡々と 埋み火なすも もえることなし
                         ポエット・M
★埋み火の恋ゆえしずかに温めて 消せぬ想いは美しきまま
                         夕庵さん
★望月(つき)に寄せ花を詠みたる西行の 消せぬ想いよ叶わぬ思い
                         ポエット・M
★月と花詠みし西行の願いなら お伴しましょう望月の夜に
                         夕庵さん
★西行は春死なむとも詠いたる 望月の夜の耽美な誘い
                         ポエット・M
★望月の夜の観梅は肌寒し 思わず手をとり君に寄り添う
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き盛る 菜の花」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その169)

2025年02月26日 05時56分49秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その169) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致して
     いますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める 河津桜」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 「光る君へ」は昨年12月15日を持って終了致しました。昨年1年間
 源氏物語贈答歌の返歌をやって来ましたが、まだ「明石の帖」まで
 しか到達していません。旬を過ぎて行くテーマに、続けるかどうか
 悩みましたが最後の帖まで続けようと思いました。
「24.薄雲(まつかぜ)明石の君」
冬になり明石の君が姫君と住む大堰は寂しさを増す。源氏は明石の君の
つらさを思いながらも、姫を紫の上の養女にする申し出をする。
明石の君は思い悩むが、娘の将来を考え娘を手放す決心をする。二条院に
引き取られた姫は、はじめこそ悲しんだもののすぐに紫の上になついて
いった。春になると天変地異が相次いだ。それに呼応するかのように
太政大臣、そして、源氏最愛の女性、藤壺の宮がこの世を去った。
源氏は人目につかぬよう御堂に籠もり悲嘆に暮れた。四十九日の法要が
済んだころ、ある高僧が帝に出生の秘密を告白する。天変地異の理由を、
父を臣下とする自身の非礼と結びつける帝は源氏に譲位をほのめかすが、
源氏は固辞する。帝の態度から源氏は秘密の漏洩を察し動揺する。秋、
斎宮の女御が二条院に下がった。源氏は、春秋の優劣を論じつつ恋心を
ほのめかす。女御に好色を厭われた源氏は恋心を自制する。以前と
異なる自分の姿に、源氏は恋の季節が終わったことを自覚する。
〇末遠き 二葉の松に 引き別れ いつか木高き かげを見るべき  明石の君
註)幼い姫君にお別れしていつになったら成長した姿を見ることが
  できるのでしょう
〇生ひそめし 根も深ければ 武隈の 松に小松の 千代をならべむ 光源氏
註)生まれてきた因縁も深いのだからいつか一緒に暮らせるように
  なりましょう
(返歌)
☆姫君は 無邪気に車 乗りこむも 袖をおさえて 明石涙ぐむ
☆宿縁は 深い我が子を 末永く いっしょにくらす 日を夢見るも
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「薄雲」では、光源氏と明石の君との関係が感動的に描かれていますが、この
 巻の背景には、光源氏の政治的影響力の高まりと、明石の君との愛情関係の
 深まりがあります。明石の君が愛する我が子の将来を想い、哀しさを押さえ
 つつ、わが子を紫の上へ託す心の揺れも描かれ、源氏物語の中でも味わい深い
 人間ドラマが繰り広げられ、感動的な物語になっています。
 明石の君の歌は、作者の註にもありますが、自分の子供の将来への不安を
 切々と詠っています。「二葉の松」は若い松の木を指し、これが成長して高く
 そびえることを願う切ない母心が表現されています。
 一方、光源氏の歌では、二人の間の子「明石の姫君」がしっかりと根を張り、
 長く繁栄することを願って「気を長くお待ちなさい」と詠われています。
 なお、「武隈の松」は深い根を持つ松の木を象徴しており、子供の成長と繁栄を
 意味しています。これらを踏まえて作者の返歌を鑑賞させて頂きました。
 一首目は、「明石の姫君」が光源氏に引き取られ、迎えの車に嬉々として
 乗り込み、母親も一緒にと無邪気に誘う様をみて「明石の君」が思わず涙する
 場面を詠っています。情景を明確に表し、娘と別れなければならなくなった
 母の哀しみに寄り添った歌となっています。
 二首目は、光源氏の立場から深い縁を信じ、一緒に暮らせる日を待ちましょうと
 詠っています。その後の展開は正にその通りになっていきましたが…、この歌を
 少し整理し詠んでみましたが…、いかがでしょうか。
 【ご参考】
  ★君ともに深いえにしの姫ゆえに ともに暮らせる日は遠からじ

【詞書】妻が発熱したことを詠みました。
☆インフルとコロナの両方陽性に 君三週目ようやく完治す
【詞書】輪島塗のカメラをオークションで見つけて詠みました。
☆輪島塗ミノルタカメラがヤフオクに 欲に眩むももう置き場無し
【詞書】第二寒波の到来を詠ませて頂きました。
☆雨水とて第二寒波が到来す 能登に大雪 心が痛む
                         西BOOさん
【解説】
 今回も、追加分も含めて「奥様の完治」「輪島塗のカメラ」、さらに
 「第二寒波の到来」と三首の歌を詠んで頂きました。
 一首目の歌、奥様が、インフルエンザとコロナに同時に感染された
 とのこと。作者のご心痛も大変なものであった事と思います。
 改めて御見舞い申し上げます。三週間を経て完治したとのことで
 何よりと思います。「ようやく完治す」に作者の安どした思いが
 凝縮し表現されています。作者共々ご自愛の程をお祈り致します。
 二首目の歌、「輪島塗のカメラ」は垂涎物ですが「もう置き場無し」
 と良く決断されましたね。「輪島塗」は湿度管理等、環境保全の
 大変さもありますね。
 三首目の歌は、自然の厳しさと、それに対する想いが巧みに表現されて
 います。「雨水とて」という句は、春の訪れを意味する雨水の季節にも
 かかわらず、第二の寒波が到来するという状況を示しており、驚きと
 戸惑いが率直に表現されています。
 また、状況の具体的な描写により、能登地域の厳しい冬の情景が
 リアルに表現されています。さらに、「心が痛む」という結句が
 効果的で、この歌全体に深みが加わり、自然災害やその影響に対する
 作者の哀しみ、さらに、痛みが伝わってきます。
 この歌は大震災、豪雨と相次ぐ災害に襲われた能登へ想いを寄せ、
 自然の厳しさ、それに対する人々の想いを背景に詠まれています。
 自然現象に対する鋭い感性と、その想いを詩的に表現した印象深い
 歌と感じました。

【詞書】まだ浅き春の様子を三首詠みました。
☆夕照の丘に登れば くれなゐの雲流れゆく春の瀬戸内
☆春光る須磨浦ながめ はるかなるおのころ島のいにしへ想ふ
☆手鏡のうすき埃のそと拭けど 朝の我が顔ぼうとして春
                         みっちっちさん
【解説】
 「浅き春」「光の春」等、早春をテーマに三首詠んで頂きました。
 一首目の歌は、自然の雄大さと時の移ろいを巧みに表現し、特定の
 場所と季節を結びつけることで、作者の感性の煌めきと、その瞬間の
 魅力を高めています。少し詳細に触れさせて頂きますと…、
 上の句の「夕照の丘に登れば」の情景描写を通じて、詠み手が夕方に
 丘に登るという行動が精緻に表現されています。「夕照」は夕日の照る
 光景を指し、詩的な美しさを表しています。
 下の句「くれなゐの雲流れゆく」の「くれなゐ」は鮮やかな紅色を指し
 ますが、夕日の下で赤く染まった雲を描写しています。「流れゆく」では、
 時の移ろいと共に、雲が流れていく様子が詩情豊かに表わされています。
 二首目の歌、春の訪れを感じさせる光の中で、国生みの聖地と伝えられる
 丘がある「おのころ島」を須磨浦海岸から眺めながら、印象深く詠って
 います。その眺望を通じて自然の壮大さと静寂が伝わってきます。さらに、
 作者が自然との一体感を感じつつ、いにしえの物語に想いを馳せる深淵な
 想いを滲ませる歌になっています。
 三首目の下の句に込められた「おかしみ」、洒脱さがいいですね。

【詞書】昨今の世相を詠んでみました。なお、一首目の(の)の重なりが
  気になります。リズム的に如何でしょうか?
☆静かなり 寒の戻りの公園の つららに透ける人影もなし
☆スーパーの値引きタイムを狙ってる 手慣れたカートのサラリーマンも
☆スーパーへ週三回の買い物も食品のみに 生きねばならぬ
                         夕庵さん
【解説】
 今の厳しい世情に触れ、状況を正確に活写されている姿勢に打たれます。
 一首目の歌は、寒の戻りが訪れた静かな公園を描写していますが、
 「の」の重なりについてお訊ねがありました。「の」の繰り返しは歌に
 リズムを生み出し、しっとりとした静寂に深みを与え、歌として成功して
 いると考えます。この件はご参考として文末に私見を交えて記します。
 下の句の「つららに透ける人影もなし」は、視覚的な効果を生み出して
 います。また、つららが太陽の光を受けて透き通る様子を描き出し、
 その中に人影がまったく見えないという寂寥感を強調しています。この
 静寂と無人の風景が、一層の寒さと冷たさを感じさせます。
 二首目の歌、サラリーマンの退勤時間帯に合わせて、売り切るために
 「値引き札」が貼られるスーパーがかなり存在します。奥様からの
 依頼か、役割分担かは判りかねますが、詠まれているような
 「手慣れたカート」を操るスーツ姿の方も散見されます。かく申す私も、
 現役の時代、定時に帰れる日に細君の依頼で新橋のスーパーへ直行した
 経験があります。値上がり品目が二年連続で一万件を超える状況の中で、
 私達庶民の「生活の知恵」の実態を、詠歌として残していくことも
 大切な「時事詠」かと思います。

 なお、短歌において「の」の繰り返しは、次のような効果を生み出すことが
 できます。
  ・リズムの強調:同じ音を繰り返すことで、詩全体にリズム感が生まれ、
          読み手に一定のテンポを提供します。
  ・情景の描写 :「の」を繰り返すことで、情景や想いが連続的に描かれ、
          絵画的な効果を生み出します。
  ・想いの強調 :同じ表現を繰り返すことで、想いが増幅され、歌の中で
          強調されます。

     「咲き初める 白梅」

【詞書】雪国二首
☆ふるさとは
  まだ雪やまず
  泣けとごとくに

  静かにしんしん
     しんしん

☆誰も歩かない道をあるく
  人のいないふるさとを

   寒い寒い
                         自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 石川啄木は、故郷の近所(とは言っても80km離れているが)なので、
 地元の姉の嫁ぎ先に遊びに来て詩を書いているし、渋民駅、盛岡駅、
 好摩駅などには、啄木の短歌が掲示されており、子供の頃から慣れ
 親しんでいて、最初に読んだ歌集は、一握の砂だった。
 大人になって、一握の砂を調べてみると、啄木は、金田一京助の家の
 2階に居候して、その有名な短歌は、寝転がって「暇な時」の数日で
 出来た物。歌の女神が正に舞い降りたと言える。
 ネタバレされるとがっかりされる方もおられるが、短歌歌集を読む時、
 この短歌の凄さが分かります。
 本歌は、
  やはらかに柳あをめる
  北上の岸辺目に見ゆ
  泣けとごとくに
 実家に帰省途中、盛岡駅前には、歌碑があります。
  ふるさとの山に向ひて
  言ふことなし
  ふるさとの山はありがたきかな

 今見ると、前に作った
  故郷の雪はまだ止まず
  つぎつぎ舞い落ちる
  そこにいる人に
    春を
 と一二句がほぼ同じだった。才能の無さですね。
 二首目は、実家の法事も終わり、懐かしい所を歩いてみたが、人っ子一人
 歩いておらず、1m50cmの積雪が壁となって、人を寄せ付け無いです。
【解説】
 作者の短歌説明にもありますように、啄木は、1910年10月4日に東雲堂書店
 と出版契約を結び、短期間で
歌集を再編集し、当初の題を変え『一握の砂』
 にしました。
この時期、啄木は経済的にも精神的にも苦境に立たされており、
 妻・節子の
出産費用を得るために歌集の出版を急いでいたとも言われています。
 一首目の歌は、啄木の「やはらかに柳あをめる・・・」の本歌取りとの事
 ですが、豪雪に閉ざされる故郷の雪景色のもつ底知れない厳しさ、切なさを
 詠って本歌を超える世界観を表現していると感じます。「泣けとごとくに」
 という句は、自然の厳しさが人の想いと共鳴し詩的な深みを醸し出しています。
 また、「静かにしんしん しんしん」という繰り返しは、降り続く雪の音や
 静寂な風景を強調し、視覚的にも聴覚的にも豊かなイメージを与えています。
 また、このリズム感は、歌全体に穏やかな雰囲気をもたらします。
 二首目の歌は、まさに「1m50cmの積雪が壁」となる故郷の道を淡々と歩む
 作者の姿が思い浮かびます。人を寄せつけない現実に「寒い寒い」と言い
 ながらも、その状況を受け入れ、むしろ楽しんでしまう作者の懐の深さを
 感じさせる歌と感じます。
 「才能の・・・」と謙遜されていますが、本歌の甘さを超える才能の冴えも
 感じられる二首の歌と考えます。

【詞書】2月19日に、ヤクルトスワローズの球団マスコット「つば九郎」の中に
  入っていた球団のスタッフの方が亡くなられたと発表がありました。
  '94年に球団のマスコットとして登場して30年余り、ずっとお一人の
  スタッフさんが務められてたということだそうです。「つば九郎」=中の
  人の、ちょっと辛辣でも人は傷つけないコメントは、時に他球団の
  ファンである私達をも笑わせ、頷かせていました。
  スワローズの選手たちに愛され、他球団の選手へのリスペクトや
  思いやりも忘れなかった「つば九郎」さんの“中の人”
長いこと
  楽しませていただきありがとうございました。

  お疲れ様でした。(…トラッキーの次に)大好きでしたよ。
  …謹んでご冥福をお祈りいたします…。
☆秀逸な“フリップ芸”の「つば九郎」
         ウィットに富む“中の人”逝く
【詞書】風邪ひきました。😥
  22日あたりから怪しくなり、23日には完全にひいていました。
  23~24日は咳をすると気道の方から臭いが上がってきて、
  いっぺんこれはどういう状態なのか、スマホでではありましたが
  調べてみると、病原菌を迎え撃って死んだ白血球の死骸が
  腐敗した臭いだとありました。そーかぁ…白血球さん頑張って
  くれてたんや…と、アニメ版「はたらく細胞」の白血球さんを
  思い出して「有り難いなあ~」と感じ入っておりました。今日25日は
  咳はしても臭いはしません。多少ピークは過ぎたのかなあ…。…で、
  午前中に姉から「ちょっと手伝いに来て」の電話がありましたが、
  スマホの向こうの姉も思いっ切り風邪っぴきでした。「(母に)絶対に
  移しなや!」と言われましたが、そもそも私は母から風邪を貰った
  可能性が高いんですけどね…。(母は具合が良くなって咳き込む
  ことも殆どなくなっています)
☆風邪引いた 咳に寒気(さむけ)に熱、鼻水
          白血球よ頑張ってくれ
☆母に風邪 絶対移すなと厳命す
          電話の向こうの姉も風邪声
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回は、「つば九郎」と、「風邪」をテーマに三首詠んで頂きました。
 一首目の歌、作者の詞書にもありますように「スワローズの選手たち
 に愛され、他球団の選手へのリスペクトや思いやりも忘れなかった」
 「つば九郎」さんは、稀有な「球団マスコット」だったと思います。
 この「中の人」に寄せて詠まれた歌には、作者の愛情が溢れています。
 「つば九郎」のもつ「ウィットに富む」を詠みこんだ感性が素敵です。
 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
 二首目、三首目の歌、「白血球よ頑張ってくれ」「姉も風邪声」に、
 表現の工夫が感じられ、さらに悲壮感に陥らず、風邪に負けない
 前向きな姿勢と、意気のこもった力強い歌と考えます。
 なお、立春寒波に続く、第二波寒波で体調を崩す方が続出している
 ようですが、作者も、お姉様もお風邪をめされた様子でお見舞い
 申し上げます。くれぐれもご自愛の程をお祈り致します。

☆艶めきし香りに遠きつましさよ 沈丁の花浅き春呼ぶ
                         ポエット・M
【解説】
 雨水を過ぎても相次ぐ寒波に襲われ列島も冷え切ってしまいましたが、
 ようやく寒波を凌ぎ少し春らしい温かさが戻ってきました。そんな日の
 夕闇の底から微かな沈丁花の香りが漂ってきました。寒波のせいか
 例年より少し開花が遅れましたが、甘やかで官能的でもある確かな
 沈丁花の香りでした。
 濃い紅のつぼみが一転して白い花となる沈丁花。どんな厳しい冬の季節
 にも必ず春が来ることを、いち早く香り立ち慎ましくも確かに告げる花。
 そんな凛とした花の姿と香り立つ様を詠んでみました。


     「咲き初める 沈丁花」

「一握の砂」石川啄木 鑑賞(7)

 「一握の砂」から、三首づつ短歌を抄出し紹介させて頂きます。
  抒情短歌の原点を味わいつつ、学んで参りたいと思います。
  なお、私の師でありました野村泰三、冷水茂太両氏の師、土岐善麿
  (土岐哀果)は、石川啄木の遺稿刊行に尽力するなど、啄木の才を
  認め、お互いにリスペクトするなかでした。
  三行分かち書きのスタイルは、土岐哀果のローマ字歌集『NAKIWARAI』
  をヒントにしたとされています。

   いと暗き
     穴に心を吸はれゆくごとく思ひて
       つかれて眠る

   こころよく 
     我にはたらく仕事あれ
       それを仕遂げて死なむと思ふ

   こみ合へる電車の隅に
     ちぢこまる
       ゆふべゆふべの我のいとしさ

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】

 fumiel-shimaさん へのポェット・Mの返答コメント
 いつも、水曜サロンと、そのメンバーへの温かな励ましを篭めた
 コメントを頂きありがとうございます。今回のコメントもサロンに
 集う皆さんへの大いなるエールのコメントとなります。
 なお、fumiel-shimaさんは「歌は詠めない」と謙遜なされますが、
 私達より歌を深く鑑賞され、その真髄を正確に把握されていると
 常々感じてきました。
 また、「ひたひたとさざ波が岸辺を打つように静かに、また時には
 大きなうねりとなって」等の表現に触れますと、まさにそのまま、
 散文詩のフレーズとも感じ、私達もさらに表現を磨かねばとの
 想いにさせられます。

 「絵合(うたあわせ)」に触れて頂きました。Kenさんへの解説の
 中で書かせて頂きましたが、この雅な「競技」は源氏物語で初めて
 出てきたもので紫式部の「発明」とも言われています。絵が堪能な
 光源氏が、人生後半の巻き返しを図る起点ともなった競技が紫式部の
 発明であったことは興味深くもあり、物語作家としての紫式部の
 アイデアのひらめきと、凄さを感じます。

 なお、それぞれの方の歌と、私の拙い解説まで熟読して頂き恐縮して
 います。このような方がおられることは心強い限りです。
 私にとっても皆さんの歌に学びながら、歌の世界が作者も含めて
 多くの方に、こんな視点からも味わったらいかがでしょうかとの、
 ご案内が出来ればと思いつつ拙い文を書かせて頂いています。
 時には作者の意図を十分理解できないまま申し上げることもあり、
 作者の方にも申し訳ない思いもありますが…。
 ただ、古今集から整ってきたと言われる「やまとことば」の繊細さと、
 優美さ、それゆえのしなやかさの持つ強さ。これは時代の荒波の中
 でも、磨かれ日本語の底流をなし、かつ支える言語のいしずえを
 築いてきたと思っています。その一翼を短歌は間違いなく担って
 きたとも考えています。
 これからも、このようなコメントをお寄せ頂ければ嬉しいかぎりです。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                    了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その169 ネット歌会)

2025年02月26日 05時49分28秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その169 ネット歌会)
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「ネット歌会」の「返歌」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中で自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。飛び入り歓迎です。


     「咲き初める 河津桜」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆インフルとコロナの両方陽性に 君三週目ようやく完治す
                         西BOOさん
★全快の病の後の楽しみは 花咲く春の待たれるものを
                         夕庵さん

☆雨水とて第二寒波が到来す 能登に大雪心が痛む
                         西BOOさん
★豪雪に悩まされつもこの土地を 捨てることなどさらさらないと
                         夕庵さん

☆スーパーの値引きタイムを狙ってる 手慣れたカートのサラリーマンも 
                         夕庵さん
★スーパーの値引きタイムの前日は 朝一番の天気をチェック 
                         西BOOさん
★値引きなら楽しみにして今夜こそ 海鮮丼の材料を買う
                         夕庵さん
★ご近所で6時値引きと聞くけれど 最後頼みは生協宅配
                         西BOOさん
★ありがたき生協宅配値上がるも 雨にも風にも届く確かさ
                         夕庵さん

☆夕照の丘に登れば くれなゐの雲流れゆく春の瀬戸内
                         みっちっちさん
★瀬戸内の小島も潮の流れかも 浅蜊も昆布も獲れなくなりぬ
                         夕庵さん
★春風に吹かれランナー駆け抜ける 瀬戸内めぐるマラソンロード
                         みっちっちさん
★瀬戸内の島巡りする春の日の 波はきららに光清かに 
                         夕庵さん
★さざ波の光のかけら くれなゐに 春夕の海 飽かず眺めむ
                         みっちっちさん
★立ち尽くす春夕の海父と子の 夢を語りて影絵のごとし
                         夕庵さん
★晴れやかにキャッチボールの父と子の 掛け声響く春夕の原
                         みっちっちさん
★寝る前に何でもないことラインする キャッチボールのスタンプばかり
                         夕庵さん
★次々に会話弾みて長電話 楽しきもまた 疲れしもあり
                         みっちっちさん
★会えずともビデオ電話で知るひ孫 食べた・歩いた・もう走ってる
                         夕庵さん

     「如月に咲く 白梅」

☆手鏡のうすき埃のそと拭けど 朝の我が顔ぼうとして春
                         みっちっちさん
★手に取りて鏡かざせば嘘のない 女の年輪刻む哀しさ
                         夕庵さん
★わくわくと楽しき時は笑ひ皺 なんて構はず わははと笑はむ
                         みっちっちさん
★笑い皺多い人ほどしあわせと 三面鏡に数えてみたり
                         夕庵さん
★三面鏡 右は泣き顔 左には 幾つの顔や春昼の夢
                         みっちっちさん
★春昼の夢楽しきよ花いちもんめ あの子もこの子も息災なるや
                         夕庵さん
★夕照の下校道にて初恋や 夢を語りし友の笑顔よ
                         みっちっちさん
★ランドセルの色も鮮やか子供らの 夢を育てる個性の光る
                         夕庵さん
★三叉路に別れて友のランドセル 角曲がるまで ちさく弾みて
                         みっちっちさん
★宝物いっぱいにした鞄あり 岐路に迷いしは夢のごとしよ
                         夕庵さん
★少年は数多の夢をリュックへと詰めて都会へ旅立つ春日
                         みっちっちさん
★非常用リュックの中身を点検す 消費期限の切れた缶詰 
                         夕庵さん

☆移り香の気配まとうか蝋梅の 梢のはてに スノームーン浮く
                         ポエット・M
★香木の残り香ほのと漂わせ 姿よき女(ひと)楚々と行きすぐ
                         夕庵さん
★焚き込めし香木の香よ そこはかと 漂いくるも もてなしと受く
                         ポエット・M
★香木の観音像に朝夕の 祈りの時は 心無にして
                         夕庵さん
★暁闇の祈りの場にも漂うや 観音像の香木の香よ
                         ポエット・M
★仏像を彫ってみようと白檀を 求めしままに幾年も過ぐ
                         夕庵さん
★木像は彫りたる己映すがに 姿おもざし露わに晒す
                         ポエット・M
★ほの暗き御堂に立てば真達羅は われを諭すか背を強く打つ
                         夕庵さん
★真達羅(しんだら)は薬師如来の守り神 武器を持たずに「専守」を旨と
                         ポエット・M
★真達羅はわが寅年の守り神 新薬師寺に 御朱印を受く
                         夕庵さん
★御朱印の墨跡すがし薬師寺の 仏の教え 帰依促すや 
                         ポエット・M
★過ぎ去りし新薬師寺での同期会 十二神将にみな会いたしと
                         夕庵さん
★いきりたつ十二神将のかんばせに 深き哀しみ 滲むかに浮く
                         ポエット・M
★拉致された子の歳数える毎日よ 深き哀しみ母は老いたり 
                         夕庵さん
★国の闇 ここにも覗く拉致被害 母のみ胸に いつ帰れるや
                         ポエット・M
★哀れ母 少女の頃の写真抱き 待ち焦がれつつ いつか白髪
                         夕庵さん
★焦がれつつ未だ帰えりを待つ母の 温きみ胸に 帰して欲しい 
                         ポエット・M
★夢ならば覚めてもほしき拉致憎し 年月ばかりが無為に流れぬ
                         夕庵さん
★拉致と言う国策憎し かの国の 犯罪未だ糺されぬまま
                         ポエット・M
★拉致しかり領土侵害許せない 平和はかくも尊きものを 
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------


     「咲き盛る 河津桜」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その168)

2025年02月19日 06時53分08秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その168) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致して
     いますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める 白梅」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【短歌説明】浅間山明鏡止水さんご自身の説明です。
 「光る君へ」は昨年12月15日を持って終了致しました。昨年1年間
 源氏物語贈答歌の返歌をやって来ましたが、まだ「明石の帖」まで
 しか到達していません。旬を過ぎて行くテーマに、続けるかどうか
 悩みましたが最後の帖まで続けようと思いました。
「23.松風(まつかぜ)明石の君」
 かねてより造営中であった二条東院が完成し、源氏は西の対に花散里を
 住まわせた。明石の君を東の対にと考える源氏だが、明石の君は身の程を
 思い決心できない。そこで明石の入道は大堰川のほとりに娘を住まわせる
 ための家を用意した。明石の君は、入道と涙ながらに今生の別れをし、
 娘とともに移り住んだ。口実をつくり紫の上の不満をかわした源氏が
 明石の君を訪れる。三年ぶりに再会したふたりだが、源氏は成長した
 我が子の将来を思い描く。二条院に戻った源氏は紫の上に明石の君との
 娘の養育を持ちかける。子どもが好きな紫の上は満更でもない様子だった。
〇契りしに 変はらぬ琴の 調べにて 絶えぬ心の ほどは知りきや 光源氏
註)約束したとおり、音色が変わらない琴の調べのような心変わりしない私の
  気持ちをお分かりいただけましたか
〇変はらじと契りしことを頼みにて 松の響きに音を添えしかな  明石の君
註)変わらないと約束なさったことを信じて 松風の音に泣き声を添えて
  待っていました
(返歌)
☆永久に 離れることは できないと 美しくなった 明石の君を
☆光源氏 心残りの 宴会に 明石の君と 別れを惜しむ
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「松風」の帖は、作者の説明にもありますように、明石の君が京都に戻り、
 光源氏と再会し、二人の関係が深まっていく様子、さらに二人の間に
 生まれた、娘「明石の姫君」の成長と、その美しさが都中に知れ渡る様子が
 描かれています。
 また、自然の風景や、貴族社会の風習、人物の心理描写、特に明石の君や
 紫の上の心の揺れ、光源氏への思いが詩情豊かに描かれています。この章は
 源氏物語全体の中でも特に印象的な一章で、紫式部の筆の冴えが特に
 感じられます。
 大堰邸で再開した明石の君は、明石時代よりも美しさに光彩が加わり光源氏に
 とっても離れがたい人になっていたと考えます。
 これらの背景をを踏まえて、作者の返歌を鑑賞させて頂きました。二首の歌は
 いずれも光源氏の立場から明石の君への思いが詠まれています。さらに一歩
 踏み込んで光源氏、明石の君の立場から詠ってみましたが…。
【ご参考】
★再びにまみえし君は艶やかに 離さぬことを永遠に誓いし
★松風の音色寂しく ひびくとも 君と契りし 想い秘めもつ

【詞書】ニュースで福島県の大内宿の雪まつりを見て詠ませて頂きました。
   (参考)https://photonavi-shimogo.jp/pickup/1771
☆吹雪けども 大内宿の雪まつり どか雪の中のライトアップ
【詞書】ホームセンターで寒梅を買った事を詠ませて頂きました。
☆庭の梅ふふむも開花の気配なし 待てずにコメリで寒梅を買う
【詞書】八潮市の事故で詠ませて頂きました。否(いな)は
  何故なかったかという疑問の意味で詠ませて頂きました。
☆八潮市の陥没事故で運転手 事故の直後の救出や否
                         西BOOさん
【解説】
 今回も「大内宿の雪まつり」「寒梅」「八潮市の陥没事故」と最新の
 時事も含めて三首の歌を詠んで頂きました。
 一首目の歌、福島県大内宿の冬の風物詩、第39回大内宿雪まつりは
 令和7年2月8日、9日に開催されました。昨年の4倍近い雪が積もり
 いくつかのイベントの変更を余儀なくされたとのこと。それでも
 約50基の雪灯籠に灯がともされ、雪の中に幻想的な光景が浮かび
 上がりライトアップと相まって詠まれているように、多くの人々の
 感動を誘ったとのことです。「どか雪の中」の祭りの様子が素敵に
 詠まれ、共感を誘います。
 三首目の歌、今、全国の自治体で直面している、インフラの老朽化
 対策と、その財政措置と言う構造的な問題もありますが…。下の句の
 「事故の直後の救出や否」の表現に、静かな告発の想いが込められて
 います。このような冷静な詠みに込められた「怒り」の想いを、
 私達も共感をもって見つめていきたいと思います。

【詞書】「早春」で三首、出詠いたします。
☆日のかけら探し集めて早春の 賀茂川べりに君と語りぬ
☆早春の朝日へ窓を開け放ち 卓に広げる花柄クロス
☆早春の光集めて砂の城 作り上げむと 暮るるまで子ら
                         みっちっちさん
【解説】
 「早春」は喜びの季節とも言われていますが、俳句では「浅き春」等の語も
 よく見かけます。春の訪れとともに散りばめられた光の美しさを三首の歌に
 詠みこんで頂きました。
 一首目の歌は、自然と作者の想いがうまく融合し、シンプルでありながら
 情趣深い情景を表現しています。先ず、上の句の「日のかけら探し集めて」
 という表現がとても詩的です。日の光を「かけら」として捉えることで、
 春の訪れとともに散りばめられた光の美しさを感じさせます。また、下の句の
 「早春の賀茂川べり」というフレーズが、場所の特定と季節を明確に示して
 います。春の訪れを感じさせるこの場所は、心の安らぎや新たな始まりを
 象徴しているように感じられます。さらに、「君と語りぬ」という結句が、
 会話の温かみを暗示し、賀茂川べりでの君との語らいが、歌全体に深い
 想いと、二人の緊密な関係性を醸し出しています。
 二首目の「早春の朝日」と「花柄クロス」の響き合いが素敵です。

【詞書】難しい時事詠に挑戦しました。
☆突然に落とし穴へと車ごと 天地異変に言葉をなくす
☆夜を徹しドローン、カメラの捜索も なす術もなく断念したり
☆キャビンには人の姿確認すも 命のことは黙して語らず
                         夕庵さん
【解説】
 八潮市の陥没事故は今まさに現在進行形ですが、このホットな事象について
 斬新な視点から、時事詠として三首詠んで頂きました。
 三首目の歌は、重い現実を鮮明な映像として描き出しています。キャビンに
 人がいる姿を確認するものの、命の有無については黙して語られない状況に
 悲しみとともに、静かな怒りも滲んでいるかに感じます。
 八潮市の陥没事故の緊迫した状況と、その後の経緯を冷静にみつめ描写して
 います。目の前にあるリアルな状況と、その裏に隠された深い想いや無力感を
 対比させる
ことで、事故の実態の深刻さや、絶望感を改めて浮き彫りにして
 います。
この詠み方は、事故や災害の現実とその背後にある人々の想いを
 巧みに捉えて
おり、印象的な歌になっています。

 なお、上の句は「キャビンには 人を確認するものの」との表現ではいかが
 でしょうか。原作に比べリズム感に欠けますが‥・。
 一首目と、二首目の歌の、緊迫感に満ちた事故の写生が見事です。


     「咲き初める サクラソウ」

【詞書】タクシー数
☆1729
 女神が舞い降りた時
   花も風も数字となる
                         自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 インドの天才数学者シュリニヴァーサ・ラマヌジャンの伝記映画
 「奇蹟がくれた数式」(2015年イギリス)という映画を、いつもblogを拝見
 している方が紹介していました。
 ラマヌジャンは、高校では全科目で成績が悪く、高等数学の正式な教育は
 受けていなかったが、ある受験用参考書を読んで、数字に興味を持ち、数学に
 没頭したそうです。大学でも成績は悪く中途退学してしまったが、やっと
 就職した港湾事務所の上司の理解も得て独学で数学の研究を続け、その
 研究成果をイギリスの高名な数学者達に送り、ケンブリッジ大学の
 ゴドフリー・ハーディの目に止まり、彼をケンブリッジ大学に招聘したが、
 イギリスでの生活に馴染むことができず、やがて身体的な衰弱を来たして
 病気を患い、インドへ帰国後、32歳の若さで病死したそうです。
 タクシー数とは、ラマヌジャンが入院していた時、見舞に行ったハーディが
 乗って来たタクシーのナンバーで、ハディは、「乗ってきたタクシーの
 ナンバーは1729だった。さして特徴のない数字だったよ」これを聞いた
 ラマヌジャンは、すぐさま「そんなことはありません。とても興味深い
 数字です。それは2通りの2つの立方数の和で表せる最小の数です」
 1729 = 12^3 + 1^3 = 10^3 + 9^3
 このタクシー数の説明を何度も読んだが理解出来ず、世の中には、天才って
 いるんだなあ?と言う事だけ理解出来ました。たぶん電卓を持っていても、
 小生には無理😰。
【解説】
 シュリニヴァーサ・ラマヌジャンは、その短い生涯の間に「分割式」
 「ラマヌジャン素数」をはじめ、独自に3,900近くの方程式等の結果を
 まとめ上げ、数学の分野で数多くの今日につながる重要な業績を残して
 います。これらの業績は彼の直感的な発見を含めて、今でも多くの
 数学者に多大な影響を与えているとのことです。
 詠われている「1729」は、「タクシー数」と呼ばれ、彼の優れた直感的な
 発見の事例となるものです。作者の歌は、数学的な概念と詩的な表現を
 巧みに組み合わせ、深い印象を
与えとてくれます。
 上の句の「女神が舞い降りた時」で、「女神」が登場することで、短歌に
 神秘的な雰囲気が加わり、女神が現れる瞬間には、何か特別なことが
 起こる予兆を感じさせます。さらに、下の句の「花も風も数字となる」
 では、自然と数学が融合する美しいイメージを描き、花と風が数字に
 変わる瞬間を描写することで、歌全体に詩的な情緒をもたらしています。
 今回も作者は、数論における興味深い性質の一つを詩的に表現し、短歌に
 結実させました。この手腕を讃えるとともに、作者の短歌表現における
 挑戦的な試みに拍手を送りたいと思います。

【詞書】2月16日(日曜日)、米メジャーリーグ大谷選手所属のドジャースVS
  今永選手所属のカブスの、日本(東京ドーム)での開幕戦のチケットの
  一般発売が、12時からチケットぴあ、ローソンチケットなどであったとの
  事で、その顛末がニュース番組やらでやっていました。家族で…という方々
  も多く、中には
「お祖父ちゃんお祖母ちゃんにも頼んでます」と、なるべく
  人数を増やして
…なんていう方も…。いやはや、お疲れさまでした。回線が
  繋がったけど
〇〇万人待ちとかべらぼうな人数のキャンセル待ちだったり
  して、テレビ
見ていて「ひゃああ~😅」しかなかったです。皆様本当に
  お疲れさまでした。そして当たった方はどうぞ、日本人選手が5人も
揃い、
  各チームのスター選手が活躍する(であろう)ボールゲームを存分に
楽しんで
  来て下さい。

☆狭き門メジャーリーグの開幕戦
    チケット争奪
      悲喜こもごもなり
【詞書】2月15日に、北朝鮮による拉致被害者である有本恵子さんのお父様の
  有本明弘さんが96歳で亡くなられたそうです。
  16日には、拉致被害者家族の「家族会」と支援団体の「救う会」との合同会議が
  有り、横田めぐみさんのお母様の早紀江さん、めぐみさんの弟さんで
  「家族会」の代表者の拓也さんが出席されていました。「家族会」に所属する
  拉致被害者の親ごさんは、横田早紀江さん唯一人になられたということです。
  昨日17日のニュースで、有本明弘さんの訃報を嘆く横田早紀江さんを見ました。
  (私はめぐみさんと同世代ですが)母は早紀江さんと同じ年齢なのでその
  肉体的な負担などは何となくでも推し量れます。気力も体力も削られて
  ゆく日々で、哀しみを同じくする“同志”を喪ったのはお辛い事だと
  お察しします。16日の合同会議でも、「親世代が存命中に帰国」という文言を
  入れた署名用紙で5月に署名運動をすると決定したそうです。
  どうか、引き離された家族が再び会えて拉致された方々の帰国が実現します
  ように…。…心から有本明弘さんのご冥福をお祈り致します…。
☆我が子との 再会願いて闘いし
     拉致被害者の親また一人逝く…
【詞書】2月17日のとっ…ぷりと日が暮れた7時前あたり。買い物に行った帰りに
  西の空を見ると少なくとも30~40度位(もうちょいあるかも…)の高さに、
  金星がめちゃ
めちゃ明るく光っていました。
  何でも今頃は最大級の光度なんだとか。金星も月のように満ち欠けする
  とかで、かなり今は丸に近いんでしょうか…。(その辺、NHKの土曜日深夜帯の
  アニメ「チ。-地球の運動について-」の中でオグジーという青年が金星を
  見て言った台詞「満ちてろ!」を思い出しました)ここんとこ、金,木,火星が
  見られます。星座に光るお馴染みの一等星達も素敵ですが、地球にとっては
  “太陽系の家族”の惑星さん達をみるのも楽しいものです。
(惑星と月や惑星
  同志の接近もあったりして)。

☆金星が夕暮れの空に明るくて
     胸に留(とど)まるその輝きが
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回は、「開幕戦 チケット争奪」「有本明弘さん」「金星の耀き」について、
 作者らしい独特の切り口から味わいに満ちた歌を詠んで頂きました。
 一首目の歌、米メジャーリーグの開幕戦が日本(東京ドーム)で行われますが、
 そのチケットの一般発売が2月16日正午から始まりました。詠まれているように
 「チケット争奪」戦が始まり、「狭き門」にアクセスが集中しました。
 この熱狂にも似た争奪戦の状況を冷静に表現し「悲喜こもごもなり」の結句に
 収斂させた手並みは見事と考えます。ただ、このチケットが何十倍もの値段で
 転売されている事実と、今の日本の現状を憂えるものです。
 二首目の歌、「拉致被害者の親」として我が子を取り戻す運動に、自らの
 半生をかけて取り組んできた有本明弘さん。その悲願の達成をみることなく
 身罷りました。その無念さは「家族会」の方々はもとより、支援された方、
 さらには私達共通の想いとも感じます。
 拉致被害者の親ごさんは、横田早紀江さん唯一人になられた今、「親世代が
 存命中」に、拉致された家族の帰国を勝ち取る取べく、取組みを強め、早める
 行動を政府にも促していくことが必須と考えます。
 改めて、有本明弘さんのご冥福をお祈り申し上げます。
 三首目の歌、詠まれていますように、2月15日に金星は-4.9等級という非常に
 明るい光度に達し、夕方の西の空で「宵の明星」として輝いていますね。
 金星は地球の内側を公転する「内惑星」であり、作者の詞書にもありますように
 地球との位置関係によって太陽の光が当たっている面の見え方が変わります。
 そのため、地球から見ると金星は月のように満ち欠けを繰り返しますが、
 2月中旬の最大光度の頃の金星は、4分の3程度欠けた三日月のような形をして
 居るとのことです。作者のように、明るさを増した金星を眺めながら
 「胸に留(とど)まるその輝きが」と詠ってみるのもロマンチックですね。

☆移り香の気配まとうか蝋梅の 梢の果てに スノームーン浮く
                         ポエット・M
【解説】
 今月は2月12日に満月を迎えました。2月の満月は「スノームーン」とも
 呼ばれます。先月から咲き始めた蝋梅も咲き満ちて、いよいよ散り時を
 迎えていますが、未だ咲き初める枝もあり、残り香とも感じる微かな
 芳香を漂わせています。その蝋梅の梢の果てに、2月の満月が浮かび
 煌々と輝いていましたが、その光景を詠んでみました。
 ただ、雪のないこの地では「スノームーン」の名称にちょっぴり違和感も
 感じます。しかし、未だ豪雪に悩まされている皆さんにとって、この
 満月の冷たい輝きはどのように移ったでしょうか…。


     「咲き満ちる 蝋梅」

「一握の砂」石川啄木 鑑賞(6)

 「一握の砂」から、三首づつ短歌を抄出し紹介させて頂きます。
  抒情短歌の原点を味わいつつ、学んで参りたいと思います。
  なお、私の師でありました野村泰三、冷水茂太両氏の師、土岐善麿
  (土岐哀果)は、石川啄木の遺稿刊行に尽力するなど、啄木の才を
  認め、お互いにリスペクトするなかでした。
  三行分かち書きのスタイルは、土岐哀果のローマ字歌集『NAKIWARAI』
  をヒントにしたとされています。

    ふるさとの父の咳する度に斯(か)く
      咳の出づるや
        病めばはかなし

    わが泣くを少女等きかば
      病犬の
        月に吠ゆるに似たりといふらむ

    何処やらむかすかに虫のなくごとき
      こころ細さを
        今日もおぼゆる

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】

 ―今回も感嘆、感激、感動の渦の中に・・・ ―
 fumiel-shimaさんからのコメントです
 冗長なコメントで申し訳ありませんが・・・
 「水曜サロン」の皆さんの詠まれた短歌に接し、短歌の詠めない私が
 その感想などを軽々しく口にするのはおこがましいと思いながらも
 思わず『あっ』と気づくことや『共感』、『自分では言い表せない言葉』、
 『心振るえるような・・また心揺さぶられるような思い』などが時には
 ひたひたとさざ波が岸辺を打つように静かに、また時には大きなうねりと
 なって私の胸に打ち寄せるのです。
 これらの大小さまざまな感動は「何が?」「どうして?」「どこから?」
 などといつも考えさせられます。
 そして皆さんが詠われた歌の言葉や文字の表記が視覚で伝えるもの、
 その音の響きから感じ取れるものなどを思うと私自身もいつしか
 その場にいるような感覚になるのです。

 そして・・皆さんの歌とポエットMさんの解説でいつも日本語の美しさを
 あらためて知る思いになります。
 一つの言葉にいくつもの表記や言い方があり、それが短歌のわからない
 私にも少しは理解出来て、その光景や情景が頭の中に描かれ、瞼に浮かんで
 くると本当に幸せな気持ちになるのです。
 今回も「絵合」という言葉から発想がその情景と内に秘めたる心情の
 ようなものへ飛んでその気持ちまでもを感じさせられたような気が
 しましたし、ポエットMさんの「流謫」という普段はあまり使われない
 ような言葉もこの情景にはぴったりだと感じました。

 ポエットMさんの解説にもありました「日暮れまで」の「まで」の
 持つ意味や伝統の色でもある薄紅(うすくれない)という言葉と
 そのかなを「くれなゐ」と表記されたことにも感動を覚えました。
 さらに「寒空」と「凍空」の使い分けや「密やかな匂い零して」の
 「ひそやか」や「こぼして」を漢字表記にすることによる緻密で
 繊細な感性には本当に学ぶべきものが多いと感じ入りました。

 今回も皆さんにそれぞれジグソーパズルのピースを順序良く、
 しかるべきところに綺麗にピッタリと納める技を見せて頂いたような
 驚きと幸せ感に浸ることが出来ました。

 fumiel-shimaさん への返答コメント。
 このコメントは本ブログの字数制限のため、次週に掲載させて頂きます。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
  なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
  なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
  場合もありますのでご容赦願います。 詞書は一首200文字以内にまとめて
  頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
  仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。 皆様から感想等頂ければ
   幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                    了

コメント (19)
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