静岡空港利用者数(搭乗者数)の推移
(注)開港初年については月ごとの発表のなかった上海便各月推計データを加味した上で4か年を比較したグラフです。
以下、開港4年目の最終月となる5月実績に基づき傾向を概観する。
<傾向等>
開港からはや4年間を経過した静岡空港。
1年目の実績は県が空港建設の根拠とした需要予測138万人を大きく下回る63万人。
これをごまかすかし県民の幻想を持続させようと県が吹聴したのが航空の自由化の波に乗って過去別の空港で開港から大きく伸びた事例を引き合いに出しての「年々増加の幻想」。
しかし、2年目には51万人と下降、3年目には震災の影響で43万人の底を打ち、4年目こそはV字回復かという中で結果は45万人と微増に留まり幻想は早くも現実によって打ち消された。
ここで民間企業ならば方針転換もあってしかるべき、少なくとも再精査があるべきところであるが、税金という政治家や県に役人らにとっては痛くもかゆくもない、むしろ2代連続で県職員OB(国なら禁止されている関連企業への天下り)が社長となって天下った富士山静岡空港株式会社を初めとする利権に資するとばかり、梼Y企業が陥る失敗事業への追い銭に似て、ターミナルビル増築などという規模拡大に走り始めたのが静岡県である。
しかも、今回は費用対効果の検証も省き、一時期流行の行政経営という理念もかなぐり捨て、昔ながらのお役所仕事路線に回帰してしまったのである。
さて、ここでこの4年目の最終月を飾った5月実績から個別路線の状況を見てみよう。
国内線は、前年同月比で減少したのは鹿児島線のみ。
福岡線と沖縄線にあっては30%以上の増となって、ピークの初年の同月と比較してもほぼ同じレベルとなっている。
ただし、沖縄線は5月としては最高の旅客数となって、一見すると順風満帆のように見えるが、搭乗率は機材の大型化が災いして49.0%と5月としては過去最低となっており、経営的には厳しくなっている。
このことから、沖縄線の路線需要はこのレベルで均衡点を迎えたとみられる。福岡線にあっても初年の壁を越えられずにいることからやはり初年の実績が限界とみられる。
なお、鹿児島線は昨年同月とほぼ同様の利用者数と搭乗率(しかも8割近い)であり、初年の約半分で均衡を得た状況である。
路線の増が見込めない中、トータルで見て国内路線が初年の壁を超えることは困難であり、県が目標としている年間70万人(この数字には費用便益上の根拠等はない)に国内路線が貢献するとは考えにくい状況である。
では国際線はどうかというと、
台北線が利用者数にして対前年同月比124.6%、搭乗率は下がったとはいえ69.8%と高率を維持し好調に見える。増便の効果であるが、便を増やせば旅客はいくらか増えても搭乗率が下がるという今回の傾向から、限界は近いと見込まれる。
一方、上海線は対前年同月比44.7%、搭乗率にあっては30.9%、利用者が917人しかおらず、県の税金投入がなければ撤退は確実な路線である。
運行時間を変更して臨んだソウル線にあっては、大きく時間を変えた大韓航空が搭乗率を前年同月に比べ20ャCント近くも下げ、1.5ャCントしか下げなかったアシアナとの差は大きく開いた。
このままなら大韓は撤退も考えられるところだ。
鹿児島県では上海便の不振を受け、県職員1000人を研修名目で上海線利用させる予算が県議会に上程され議論を呼んでいる。
かつては、本県においても3776人の上海訪中をぶち上げたが、これは県職員だけでなく一般県民の自費訪中や羽田からの県職員訪中も含んでの計算であり、鹿児島の手法は常軌を逸している。
「必要があるもの」と「あったらいいもの」の区別もつかなくなっているのであろう。
限られた財源の中で何を成し何を成さずにおくか、政治家や役人よりも一般県民の方がよく分かっている。
では、以下に今月の実績を記す。
<平成25年4月の実績:対前年同月比>
路線:搭乗者数対前年同月比(H25.5/H24.5):搭乗率[H25.5;H24.5]
札幌線:107.9%(6,189人/5,737人):[45.5%;57.7%]
福岡線:130.7%(9,631人/7,369人):[69.1%;78.8%]
沖縄線:132.3%(5,313人/4,016人):[49.0%;54.6%]
鹿児島線:91.5%(1,547人/1,690人):[79.4%;78.3%]
国内定期便計:120.6%(22,680人/18,812人):[56.2%;65.4%]
国内線チャーター便計:0.0%(0人/139人):[-%;92.7%]
国内線計:119.7%(22,680人/18,951人):[56.2%;65.5%]
ソウル線:93.2%(9,787人/10,503人):[47.4%;58.0%]
上海線:44.7%(917人/2,050人):[30.9%;48.3%]
台北線:124.6%(3,970人/3,186人):[69.8%;72.0%]
国際線定期便計:93.2%(14,674人/15,739人):[50.1%;58.8%]
国際線チャーター便計:62.9%(611人/972人):[96.7%;56.5%]
国際線計:91.5%(15,285人/16,711人):[51.1%;58.7%]
全路線計:106.5%(37,965人/35,662人):[54.0%;62.1%)]
(注)開港初年については月ごとの発表のなかった上海便各月推計データを加味した上で4か年を比較したグラフです。
以下、開港4年目の最終月となる5月実績に基づき傾向を概観する。
<傾向等>
開港からはや4年間を経過した静岡空港。
1年目の実績は県が空港建設の根拠とした需要予測138万人を大きく下回る63万人。
これをごまかすかし県民の幻想を持続させようと県が吹聴したのが航空の自由化の波に乗って過去別の空港で開港から大きく伸びた事例を引き合いに出しての「年々増加の幻想」。
しかし、2年目には51万人と下降、3年目には震災の影響で43万人の底を打ち、4年目こそはV字回復かという中で結果は45万人と微増に留まり幻想は早くも現実によって打ち消された。
ここで民間企業ならば方針転換もあってしかるべき、少なくとも再精査があるべきところであるが、税金という政治家や県に役人らにとっては痛くもかゆくもない、むしろ2代連続で県職員OB(国なら禁止されている関連企業への天下り)が社長となって天下った富士山静岡空港株式会社を初めとする利権に資するとばかり、梼Y企業が陥る失敗事業への追い銭に似て、ターミナルビル増築などという規模拡大に走り始めたのが静岡県である。
しかも、今回は費用対効果の検証も省き、一時期流行の行政経営という理念もかなぐり捨て、昔ながらのお役所仕事路線に回帰してしまったのである。
さて、ここでこの4年目の最終月を飾った5月実績から個別路線の状況を見てみよう。
国内線は、前年同月比で減少したのは鹿児島線のみ。
福岡線と沖縄線にあっては30%以上の増となって、ピークの初年の同月と比較してもほぼ同じレベルとなっている。
ただし、沖縄線は5月としては最高の旅客数となって、一見すると順風満帆のように見えるが、搭乗率は機材の大型化が災いして49.0%と5月としては過去最低となっており、経営的には厳しくなっている。
このことから、沖縄線の路線需要はこのレベルで均衡点を迎えたとみられる。福岡線にあっても初年の壁を越えられずにいることからやはり初年の実績が限界とみられる。
なお、鹿児島線は昨年同月とほぼ同様の利用者数と搭乗率(しかも8割近い)であり、初年の約半分で均衡を得た状況である。
路線の増が見込めない中、トータルで見て国内路線が初年の壁を超えることは困難であり、県が目標としている年間70万人(この数字には費用便益上の根拠等はない)に国内路線が貢献するとは考えにくい状況である。
では国際線はどうかというと、
台北線が利用者数にして対前年同月比124.6%、搭乗率は下がったとはいえ69.8%と高率を維持し好調に見える。増便の効果であるが、便を増やせば旅客はいくらか増えても搭乗率が下がるという今回の傾向から、限界は近いと見込まれる。
一方、上海線は対前年同月比44.7%、搭乗率にあっては30.9%、利用者が917人しかおらず、県の税金投入がなければ撤退は確実な路線である。
運行時間を変更して臨んだソウル線にあっては、大きく時間を変えた大韓航空が搭乗率を前年同月に比べ20ャCント近くも下げ、1.5ャCントしか下げなかったアシアナとの差は大きく開いた。
このままなら大韓は撤退も考えられるところだ。
鹿児島県では上海便の不振を受け、県職員1000人を研修名目で上海線利用させる予算が県議会に上程され議論を呼んでいる。
かつては、本県においても3776人の上海訪中をぶち上げたが、これは県職員だけでなく一般県民の自費訪中や羽田からの県職員訪中も含んでの計算であり、鹿児島の手法は常軌を逸している。
「必要があるもの」と「あったらいいもの」の区別もつかなくなっているのであろう。
限られた財源の中で何を成し何を成さずにおくか、政治家や役人よりも一般県民の方がよく分かっている。
では、以下に今月の実績を記す。
<平成25年4月の実績:対前年同月比>
路線:搭乗者数対前年同月比(H25.5/H24.5):搭乗率[H25.5;H24.5]
札幌線:107.9%(6,189人/5,737人):[45.5%;57.7%]
福岡線:130.7%(9,631人/7,369人):[69.1%;78.8%]
沖縄線:132.3%(5,313人/4,016人):[49.0%;54.6%]
鹿児島線:91.5%(1,547人/1,690人):[79.4%;78.3%]
国内定期便計:120.6%(22,680人/18,812人):[56.2%;65.4%]
国内線チャーター便計:0.0%(0人/139人):[-%;92.7%]
国内線計:119.7%(22,680人/18,951人):[56.2%;65.5%]
ソウル線:93.2%(9,787人/10,503人):[47.4%;58.0%]
上海線:44.7%(917人/2,050人):[30.9%;48.3%]
台北線:124.6%(3,970人/3,186人):[69.8%;72.0%]
国際線定期便計:93.2%(14,674人/15,739人):[50.1%;58.8%]
国際線チャーター便計:62.9%(611人/972人):[96.7%;56.5%]
国際線計:91.5%(15,285人/16,711人):[51.1%;58.7%]
全路線計:106.5%(37,965人/35,662人):[54.0%;62.1%)]
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます