私が住むイートンから車30分ほどの街、デイトン市は、ライト兄弟が生まれ育ち(但し兄の方のウィルバーはインディアナ州で生誕)、自転車屋さんを営みながら飛行機開発の研究を続け、何度も飛行実験を行った米国航空史における重要な地です。現在も郊外に大きな空軍基地があり、その敷地内に、National Museum of the United States Air Force(国立アメリカ空軍博物館)があります。ワシントンD.C.のスミソニアン航空宇宙博物館と肩を並べる広大な展示面積と展示数を誇りますが、「米国空軍」の博物館なので、展示は空軍機に焦点が置かれています。ハンガー3ヶ所に貴重な飛行機がところ狭しと並べられていますが、実はこの横に4つ目のハンガーを建造して、今は特別ツアーでしか見学できない大統領機(エア・フォーズ・ワン)や試作機、実験機を格納する計画が立てられています。
最初のハンガーはライト兄弟のライトフライヤーのレプリカはじめ、航空飛行の黎明期の飛行機や第一次世界大戦時代の戦闘機を集めたEarly Years Galleryと、第二次世界大戦のWorld War II Gallery、第二のハンガーは朝鮮戦争とベトナム戦争で活躍した機が展示されています。なぜか「ベトナム戦争」じゃなくて、Southeast Asia War、と、なってるけど、正式にはそういうのかな?第三のハンガーは冷戦時代とミサイル、そしてスペースシャトルのモジュール模型も。建物の外は、メモリアルパークと大型飛行機の展示、そして第二次世界大戦次の管制塔と兵舎がありますが、蒸し暑いんで見に行く気力はありませんでした…w 秋になったら。特別ツアーに参加して、今回見なかった屋外展示を見るためにまた来ようかなと思います。かっこいい飛行機がいっぱいなので、一眼を持ってきて写真も撮りたい。スミソニアン同様、国立博物館なので、入場料無料なのがも嬉しいところ。
かつては極秘中の極秘だったミグも15、21、29が展示されていましたし、戦闘機のエンジンやミサイルモジュールの展示も。時代が変わったんだなぁ…と、60年代生まれの私はしみじみ感慨でした。ミサイルの部屋は、巨大なミサイルが林立し、圧巻。こんなシロモノを飛ばして敵を破壊しようという恐ろしさがひしひしを感じられます。やはり日本人として興味深かったのは、第二次世界大戦の展示。ゼロや紫電改、そして人間爆弾、桜花の練習機も… 桜花の横では、当時の映像が小さなモニターで流されていました。観れるかっ、そんなもんっ!(号泣)
ライトフライヤーや気球、飛行船の模型もある、航空飛行黎明期の展示
ひっそりと佇むMitsubishi A62M ゼロとKawanishi N1K2-紫電改(ジョージ)
日本の誇る紫電改とゼロの展示は、何故か大型米軍機の翼の下に…
帝国空軍パイロットの遺品と朝鮮争時に米軍を後方支援した板付空港のタワーの一部
「エリア88」世代に嬉しいベトナム戦争時の戦闘機の展示。ミグもあります
アポロ15モジュール「エンデバー」も間近に。コックピットに搭乗してみることも出来ます。これはF-16のシミュレーター
一日ではとてもじっくりと見て回ることの不可能な展示数。今日は先ず一通り見て回り、説明も興味のあるものをざっと読んだだけ。私のように、あまり前知識がなくても圧倒されましたから、ミリタリーや飛行機のファンなら垂涎の博物館でしょう。フライトシミュレーションや3Dシアターもあり、丸一日、十分に楽しめる博物館ですが、わに親子は半日で退散。しかし、ここで家に帰るわけではなく、まだ数カ所、行くところがあります。実は、この博物館の入口にあったパンフで、14ヶ所有る指定航空飛行関連の施設のうち7ヶ所を周ってスタンプを集めると、記念に航空ジャケットを着た特性のテディーベアを貰える事を知ったのです。スタンプラリー、ただで貰える、ぬいぐるみのクマ… 大好物の三連発で、俄然張り切る若息子とわたくし。
取り敢えずは、近場のライト州立大学の図書館と、ライト兄弟が飛行実験を繰り返した「世界最初の空港」ハフマンプレーリーの望む記念塔とインタープリティブ・センターへ。国定史跡になっているハフマンプレーリーのセンターでは、シミュレーションでライトフライヤーを飛ばすこともできます。これが中々に難しい!3分以上、墜落したり、障害物に激突せずに飛ばし続けることが出来ると、証明書がもらえるよ。私は無難に飛んで証明書を貰ったけど、若息子はデイトン市街地で派手にクラッシュしましたw
いっぱい歩いたので疲れてしまいましたが、楽しい一日でした。上息子も来ればよかったのにねぇ…