思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

残念ながら、日本の検察官および裁判官は、おそろしく歪んだ精神の持ち主と言わざるをえません。

2020-01-10 | 社会批評

 公正・公平な裁判、人権思想に基づく裁判による判決が出ないのに、
検察官の判断一つで(勾留延長をほとんど自動的に行う裁判官も)、長期間の拘束が行われているのが日本という国の現実ですが、これは、ほんらい民主主義国ではあってはならないことなのです。

 日本国憲法34条は、以下です。

何人も,理由を直ちに告げられ,且つ,直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ,抑留又は拘禁されない。 又,何人も,正当な理由がなければ,拘束されず,要求があれば,その理由は,直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない

抑留は一時的な身体の自由の拘束のことで、,拘禁は継続的に自由を拘束することですが、憲法34条ではその双方を言っています。

この憲法34条に明白に違反する行為を日常的に行っているのが日本の検察庁であり、それを許しているのが裁判所です。憲法に反する行為が日常化している日本国は法治国家とは言えません。


 刑事事件で警察に拘束されるのは最長でも48時間、次の検事調べの限度は24時間です。勾留が決められてしまうと、最長10日間ですが、現実にはそれが自動延長され20日間となっています。これだけでも拘束されてから23日となり、国際的にはその長さは人権侵害に当たると見なされますが、日本の場合は、その後、検察から裁判所への拘留延長請求がほとんどの場合自動的に認められてしまいますので(検察庁と裁判所の癒着※)、政府に批判的な被告や罪を認めない被告の場合は、独裁国家以外には例がない異常な長期抑留となるのです。籠家夫妻の300日の勾留など、民主国家ではありえない異常事態です。

 ゴーン被告の場合は、保釈中にまた別件という言い訳をつくり逮捕したのですから、日本の検察庁(特捜部)の異常さは、世界を驚かせるのです。

 日本ではどれほど常軌を逸した司法行為が行われているのか、まずは、その認識を主権者であるわたしたちが明晰に意識しないと、元ニューヨークタイムス東京支局長の言う「これほど異常な民主主義国は見たことがない」という事態を正すことができません。

※検察庁と裁判所の癒着は、法務省の人事と組織の問題です。法務省の課長級以上は、全員が検察庁出身者という事実は、恐ろしいものです。裁判官の人事を行う法務省が、検察の人間により行われるのでは、有罪率99パーセントとなり、冤罪が絶えないのは必然です。

 また、人権思想は、民主主義の中身・内容であるのに、それを知らない安倍グループ(全員が右翼団体「日本会議のメンバー)は、人権思想を軽視し、国連からの度重なる改善要請も無視していますが、それを支えるイデオロギー(思想)をつくっているのが、安倍首相の友人の麗澤大学教授で「反人権宣言」(ちくま新書)を出している八木秀次です。彼は、教育改革と皇室問題で政府の諮問委員を務めています。「われわれ日本人は、欧米のつくった『人権』という言葉に怯える必要はない。日本の伝統に戻り、国民の常識につくべきだ」と主張しています。


 なお、参議院の行政監視委員会を大幅に拡大し、検察庁を含む行政機関に対して改善を勧告する権限を与える制度の改革も必須です。

 

 これをお読みの検察官や判事、および、法務省関係者の方は、自分自身の思想と行為を静かに見直し、どのようにして自分の思想(あるいはそれ以前の想念)が形成されてきたのかを反省してみることが必要です。人権思想を内実とする主権在民の民主主義とは何か、を知る(哲学する)努力を始めないと、日々の仕事は、その根を張る場所をもちません。それでは根源的不幸の人生となってしまいます。人権侵害をする法律の専門家では、レーゾンデートル(存在理由)がありません。



武田康弘(元参議院行政監視委員会調査室・客員調査員ー哲学と日本国憲法の哲学的土台について、国会所属の官僚に講義)

 

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