思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

「変身」した梅原猛さんにエールを贈るー靖国と愛国教育について

2005-04-26 | その他

私は、もう30年以上前-「地獄の思想」の頃からずっと梅原猛の思想には、批判的でした。しかし、ここ最近の梅原さんは大きく様変わりして、私の思想と重なるようになってきました。親鸞の捉え方も大分本質をつくような論説に変化したのにはビックリ!です。高齢になり「変身」できるのは、大変素晴らしいことです。エールを贈ります。

昨日の東京新聞夕刊7面に、梅原さんの「思うままにー国家より人間を愛してこそ」という主張が載りましたが、これは、私の昔からの主張―この「ブログ」でも昨年来掲載している「靖国」「国家」「教育基本法」などーの考えとほぼ一致します。ただし、愛国教育についての批判の論拠は、まだ上滑りで、昔の彼のままなのは残念ですが。さらに掘り下げる努力をぜひ!


以下にその一部を抜粋して載せます。

「たしかドストエフスキーの小説であると思うが、愛国者というものは、国という観念のみを愛し、その国の人間を少しも愛さないものだという文章を読んだことがある。東条英機も観念としての国を愛したかもしれないが、そこに住む日本人を真に愛してはいなかったであろう。

日本の神道は、味方とともに、戦争で犠牲となった敵方を祀ることを重んじる神道であり、靖国神社のように味方だけを祀るのは日本の神道の伝統に反すると再三批判したが、小泉首相は得意げに靖国神社を参拝した。今の中国や韓国における反日運動の原因の一端が小泉首相の靖国参拝にあることは明白であろう。

日本の過去を考えると、中国や韓国との外交には細心の注意が必要であろう。小泉首相には隣国の人たちの苦しみを思いやる心が全くなく、隣国との親善関係を壊し、日本の経済的繁栄にまでも暗い影をなげかけるような原因をつくった。

東条首相や小泉首相が愛国者であるかどうかを自由に議論することを許すような愛国教育であれば私は賛成であるが、真に人間を愛せない権力者のいうことに無条件で従えというのが愛国教育であるとすれば、私は絶対に反対である。」


こうやって抜粋してみると、残念ながらやはり梅原さんはジャーナリストであり、哲学者ではないな、と思います。イデオロギーとしては私と多く共通なのですが、論拠が甘く、思考が表層的です。あまり掘り下げずに次々と新しい知識を導入するのが「成功」する秘訣なのでしょうが。私はもっと欲張りなのかもしれません。「意味論」としての追求が乏しい世界にはエロースを感じないのです。哲学とは、横に流れるような思考ではなく、穿(うが)つことです。
梅原さん、上げたり下げたりで御免なさい。


「なぜ?」が人間をつくるのシリーズをご覧下さい。クリック ? ? ?

2005.4.26 武田康弘





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