思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

人から学ぶ、ということ

2007-01-28 | 恋知(哲学)

人から学ぶ、ということが、広い意味で言われるならば、これほど大事なこと・必要なことはありません。独我論へ陥る不幸、不遜になる愚かさから人を救ってくれるからです。
しかし、「人から学ぶ」ということを狭く捉えて、既存の権威者、有名人から学ぶ、という意味で言われるならば疑問です。学ぶということが、既成の序列に深く組み込まれる=自己馴致になってしまいますから。
学ぶとは、固定観念から自由になることです。学ぶことは、ある特定の傾向に自分を閉じ込めること(例えそれが理念としてはどんなに「進歩的」と思われることにしても)ではありません。それでは、学ぶことの意味がなくなります。
自分の言動をより楽しいもの、より悦ばしいもの、より面白いもの、より伸びやかなもの・・・にしていけるから、学ぶことには大きなエロースがあるのです。そういう学びは、何よりも子どもたちから多くもたらされます。固い発想を打ち破るヒントは、子どもたちからやってきます。
大人でも、女性や、体を使って現実の仕事をしている人からは、多くのよき学びが来ます。
特定の知識や技術を学ぶ、というならば、その道の専門家に学べばいいわけですが、「人から学ぶ」ということのほんらいの意味は、そういうことではないはずです。
私がみるところ、どうも「学」があると言われる人ほど、過去や既成の権威に囚われて狭い世界でしか生きていないようです。民知の実践が何より大切です。小さき者にこそ学べ、です。



武田康弘




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