思索の日記 (クリックで全体が表示されます)

武田康弘の思索の日記です。「恋知」の生を提唱し、実践しています。白樺教育館ホームと共に

ビクトリア・ムローヴァ =「雪の女王」を聴く。シベリウスとバッハ。

2016-05-30 | 学芸





昨日、池袋の国際劇場で、ビクトリア・ムローヴァを聴く。

ひんやりとした空気、凜とした美しさに息を飲んだ。
http://yomikyo.or.jp/2015/11/187-1.php
ムローヴァのシベリウスのヴァイオリン協奏曲は、ピンと張り詰めた実に美しい音。一歩も引かぬ意思に打たれた。
21世紀の天才・イブラギモヴァとはどこも似ていないが、共に得難い強烈な個性で、痺れる。
アンコールのバッハの無伴奏1番、ムローヴァは、まるで氷の女王エルザ(アナと雪の女王)のように、美しく透明な音と音楽で会場を凍らせた。弓を下げてもまだ誰も拍手しない。感動で2000人を支配した。

読売日響は、相変わらず太いというか、上質さのないのが特徴(失礼)。今度は、彼女の独奏だけの演奏会に行こう。
蛇足だが、ムローヴァの水平に腕を上げた弾き方=姿勢に、レオニード・コーガンを想った。
いつか最高の音響をもつ所沢ミューズの中ホール(マーキーホール)でやらないかな~~~?  浜離宮でのバッハは逃したので。

明日、池袋の国際劇場よりも音響の美しいサントリーホールに行かれる方は、楽しみに~~~~~


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




バッハ無伴奏の双璧、イブラギモヴァとは異なる透明な美を放つムローヴァ。
人生経験からくる味わいの深さではムローヴァに軍配が上がり、主観性の豊穣ー革新性ではイブラギモヴァです。
しかし、両者(静・直線的と動・曲線的)を比較することは、実は不可能です。あまりにも異なり、共に「我独り尊い」を実現していますので。
世代の違う二人のロシア人、共通するところはどこにもありません。あえて言えば、個性への徹底だけが共通。
ビクトリア・ムローヴァ と アリーナ・イブラギモヴァ。二人を聴くことのできるのは、なんという幸せ。

(20世紀の名盤ーシェリングや、それを範としたのであろうヒラリー・ハーンは、ああ、古いな、と時代を感じます。)



武田康弘



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする