Maintenance SHIOHOUSE

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「店主の独断と偏見でつづる個人的な日誌」

12月分作業車両 #1

2024-01-10 23:29:21 | 懐かしいモノ

今日は1月10日

冬季休業を7日取りどうせほとんど店に居ることだしゆっくりとこのブログも書いたりしようと思っていたが

とてもとてもそんなに甘くはなかった。

親父からの呼び出しも増えてしまい「トイレに行く」「布団かけてくれないか」「体が痛いから薬塗ってくれ」とか小間使いのように呼ばれる

手が離れないですぐに2階に上がらないと連打で鳴らして来る

1月分の車検車両に着手し始めてこの状態が続くようなら仕事どころではなくなってしまう

デイサービスやショートステイに出せばよいのだが本人は性に合わないのか行きたがらない

こうなる前に戦闘員の養成をすべきだったと後悔

 

12月分の作業車両

〇12/2 久々にお客様が多数来訪

完成引き取り x1

タイヤ交換 x1

部品購入 x2

車検車両預かり x1

道路に出ているのはお帰り用の代車

 

タイヤ交換は車検リピーターさん

フロントタイヤのセンター溝が限界になるまでクラックが入ったまま我慢して乗っていた

2021年11週、約3年でこの有様

井上のRS310を所望していたがメーカー欠品中で納期未定

そんな状況なのでアマゾンで買って持ち込んでも良いよと云ったが律儀なお客様は「同じTT100GPで良いですよ」と

空気圧を下げないようにちょいちょいチェックするようアドバイス、屋内保管で空気圧高めの方がクラックが入りにくいように思える

 

この日完成引き取りのCB400Fもクラックによりこちらは前後タイヤ交換

BS BT46F/BT46Rをチョイス

 

次は車検フルメンテナンスのCB400F

まずエアクリーナーのチェック、6500kmとは頑張りましたね

頑張りすぎたかな

 

バッテリーは直前にお客様自身で交換したもの

 

点火時期調整前にスパークアドバンサーのグリス充填

アームのダンパーが剥がれて落ちていました

再生して

グリスを塗布、当店では高温部に使えるグリスを使用します。普通のマルチパーパスグリスだと熱で流れ出てしまう可能性があり点検のスパンが短くなる

出来れば4年ごとのフルメンテナンス時にチェックしたいのでグリスも吟味

これはNDのスパークアドバンサーグリス溜まり(溝)が軸にある、TECの場合はカム側に溝がある

充分に塗布してはみ出した余分なグリスは拭き取れば良い、足りないよりはマシ

カムを被せる時に向きがあるので注意する

カム上面のケガキが#2.3側を向くように組む(TECはポンチマーク、同様に#2.3側へ)

次にポイント接点の点検

接点はどうしても凸と凹になってしまう、修正するのだが

凹まで痕が無くなるまで磨くとやたら減ってしまう

自分の場合は凸の方をダイヤモンドやすりで修正し最後に両側を耐水ペーパーで磨いて仕上げる

この作業はプレートごと外れていたほうが作業しやすい

接点の表面に油分が付着しているとトラブルの原因となるので脱脂する

洗うのは先端だけでポイントの軸部分は避けること油分が無くなるとかじって動きが悪くなりトラブルの原因となる

また磨いて出た鉄粉が残っても不調の原因なのでエアブローすること

組んでから調整するが取説、マニュアル通りにはなかなかいかない

ポイントギャップを0.3mmにしてプレートを動かして調整なんてまず無理

程々のところでタイミングライトで合わせるしかないかなと思う

点火時期の調整とキャブレターの同調調整、充電量の測定を行う

この後で工場内に入れてコンプレッションの測定

 

車体に着手、ディスクを見ると嫌な模様

これってフルードじゃん!?

あらまぁ~びっしょり!!

ピストンもこの有様

抜いてみましょう

これですね、交換します。

前後ホイールを外して指でベアリングの状態を確認

ドライブチェーンの点検、これはこれはずいぶん伸びていますね

さて、お馴染みのスタイルに

フロントブレーキは全バラ洗浄

完全乾燥後堆積物のチェック

居ますねぇ白い結晶が........メンテナンスツールでホジホジします。

これだけ出ました

ブリーダーボルト穴もタップを通して清掃

さらに増えましたね

全体的にきれいに磨きます

キャリパーA清掃完了

他のパーツ類も洗浄完了

組み立てに入ります。

パッドAは濡れたので交換します。

社外品のパッドが付いていましたが既存のパッドBは濡れていないしまだ山もあり良い塩梅に当たりも出ている

パッドAのみ純正品に交換...と思ったらキャリパーに入らない4「なぜ?」

パッドの位置決めのピンがパッド側に出てきちゃっている

無理に入れたらパッドが動かなくなる

仕方ないパッド側の溝を拡大しよう

エアリューターで拡大

入って、スムーズに動きます

パッドB側は問題ない

ピンとキャリパーボディの隙間に注目

 

リアブレーキ側も分解洗浄

ブレーキシューのマジック印は向きが分かるように裏表間違えると当たりが変わり効きに影響する

 

Lカバー下にオイルの流れた痕を発見

トランスミッションのオイルシールから漏れている

経年と熱でゴムが硬化して隙間が出来て漏れてしまう、厄介なことにメインシャフトオイルシール内側、カウンターシャフト外周にはミッション潤滑用のオイルラインがあり

油圧が掛かっているので漏れやすい

液状ガスケットで外周をコーキングするがあくまでもお茶濁し、経年で漏れ始まる

この車両も以前コーキングして今回再コーキング

ただ塗れば良いわけではなく考えてやらないと意味が無くなる

これまではノウハウとしてコーキング画像は載せていなかったが今回は処置後の画像のみ公開

何に気を付ければ良いかは熟考のうえ自己責任で作業されたい

 

新品のスプロケットを組むがカウンターシャフトのスプラインには焼き付き防止グリスを塗布

これは普段の点検でも行っていること、ドライブスプロケットの軸部分の潤滑とドリブンスプロケットの軸部分の潤滑

何故やるかは無論摩耗させない為

金属同士がドライで擦れあったら摩耗してしまう、新品部品が手に入らない部位は摩耗する一方

昔から云ってることだが

大事なことです

フィキシングプレートも外側のカウンターシャフトのスプラインに擦れる部分は摩耗する

内径部分の出っ張っている部分が段付き摩耗しているの分かります?

反対側の方が若干良さそう、こちらを外向きに使いましょう

 

ドライブチェーンも交換

新旧比較、一目瞭然ですな

固着部分もあるので良い時期だったようです

ドライブチェーンはRK SV530UW-R 幅が狭いシールチェーンのためクランクケースを削ったり、ドライブスプロケットの皿を攻撃しない

ドライブスプロケットはお客様のご指定のBRC製、皿の表面処理がBRC製=黒クロメートメッキ、アゲイン製=全ツヤ黒塗装

ブレーキペダルを踏み込むとマフラーと干渉する

よろしくないので調整

 

シムを入れて幾分外側に移動

わずかだが外側に移動して干渉は避けられた

 

 

 

テールライトがおかしなことに

接触不良か点かなくなってしまった

社外品なら多分そこだろう箇所があるがこれは純正品

アース線はソケットに直接刺すタイプ

バルブが当たる接点も変な摩耗も無いし、ソケットに錆も無い

ベースパッキンAを外してみたら

裏金が動いている

ソケットと裏金は別部品で内部でかしめてある

奥で円周上に潰してあるのが分かります?

ソケット部の径に合わせた治具を作成しプレスで潰します

無事完成

作業完了し車検を通して引き渡し

 

とりあえず今日はここで限界

つづきはまた今度

 

 

 

 

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