今日は病院から電話が掛かってきて
親父がおかしなことを言い始めたと
「茨城に居る妹が面倒看てくれると約束してある」「せがれは役に立たない」と何度も何度も言いだし
看護師さんがなだめても聞く耳もたない状態でのヘルプコール
先週の月曜日に面会に行ったときはまだ普通だったが1週間でボケが進んだか?
ここにきて面会のスパンが2週間から1週間に変わったとのことで、明日様子を見に行くことにした。
どうなることやら
通常車検整備(24カ月点検)CB400F
今回の依頼事項は前後タイヤの交換
2021年製のTT100GPが付いていてフロントタイヤにわずかにクラックが入っている
そのため前後交換したいとのこと
レーシングキャブが付いていて、スロットルケーブルを合わせるのに皆苦労する
この車両の場合(当店での取り付けではない)
戻し側にはカラーを入れ、引き側はねじ山の端でロックし
スロットル側で最低限ねじ山を掛けてロックし、アジャスト部でケーブル調整
またはこんな部品もある
ワイヤーをちょうど良い長さにカットして穴に通して横からイモネジで締めるもの、半田で埋めるものもある
この車両は以前に点検整備で1週間預かるには空きが無いため
何回かに分けてお待ちいただいて作業しましょうと
前回は3月に差し当たり優先順位の高いものを作業した。
次の作業は双方の都合がなかなか合わず6月になってしまった。
お待ちいただいて焦って作業するより1泊で預かったほうが、慌てての作業ミスを避けれるし精神的にも楽なので代車で帰っていただいた。
3カ月の間はフロントフォークのオイル漏れはダストシールの中に仕込んだティッシュを都度交換して凌いでもらっていた
今回はフロント周りを重点的に作業します。
早速フロント周りをバラしましょう
フロントエンブレムを外す「パリッ!」ん!?違和感を感じた
見るとフロントエンブレムが接着剤で貼り付けてあった。
本来この穴にはゴムのグロメットが付いて、エンブレム側のカリが引っ掛かるもの
グロメットは何処に行ったかと思ったら
居ました、エンブレムステーとステムの間
なんじゃこれは!!ラバーマウントのつもり?こんなところにあり得ないだろう
相変らずハチャメチャな車両です。
ん?ヘッドライトステーボルトにワッシャー、スプリングワッシャーが入っていない
ヘッドライトケース内は左、スプリングワッシャーと6カクナット
右は更にアース線が共締め
どうせカラーも入っていないのでは?と危惧したが珍しく入っていた。
正規はアース線付きの「ケースワッシャー」なるナットが付くので組むときはすべて正規に戻しましょう
裏側にはゴム板が張り付けてありヘッドライトステーボルトを締めこむとヘッドライトケースを圧迫しライトケースが動かないようにする
フロントアクスルホルダー部、ワッシャーが平ワッシャーとスプリングワッシャーの組み方が逆(前方)
ホイールを外した状態でステムベアリングを確認すると引っ掛かる
せっかくフォークまで外すならステムベアリングも交換しましょう
メータークッションも潰れています
外した際には必ずバルブ切れのチェック
両メーターとも1個切れていました。
ステムベアリングの交換完了
メインスイッチでハンドルロックを使うためのステーが後付けされていますが美しくないですね
ただしハンドルを右に切ればヘッドパイプのロックとダブルでロックが出来ます。
前回の記事でトップスレッドからステムシャフトのねじ山が出ちゃっていたのがありましたが
これは正規の状態でねじ山は見えません
外したホイール、オゾンクラックが酷いのでタイヤ交換
TT100と思いきや「K82」国内では流通していません
それもそのはず「おフランス製」
とにかくクラックが酷くもっと早く交換したかった
製造年も分からない
次にフロントブレーキ
マスターシリンダー、レバーブッシュが入っていない為レバーがカタカタ遊んでいた
組む際にレバーブッシュとセッティングプレートを補充
すでに凄い汚れの予感
ブレーキパーツは全バラして、水+中性洗剤で洗浄のと完全乾燥
オイルボルトは真っ白
ブレーキホースのバンジョー部内部が真っ白
おのずとホースの中も想像できますね
パイプ内部もこの通り
オイルボルト、ホース、パイプなどの新品部品が使えるものは交換し、他の部品は清掃して使用します。
キャリパーのシール溝にも白い結晶がびっちり
専用工具で除去します、ミラーを使って裏側もきれいに除去できているか確認しながらです。
うわぁ出る出る、ブリーダーボルトのねじ山も掃除します。
こんなに出ました
仕上がりは
きれいになりましたね
スリーウエイジョイントもねじ山と内部通路のクリーニング
ワイヤーブラシで仕上げ、内部通路の汚れは様々なブラシを使用して除去
マスターシリンダー、奥に錆の付着が見られます
これも様々なツールで可能な限り除去します
シリンダー内に傷をつけられないので慎重に作業します。
キャリパーB、パッドグリスなのか?普通のグリスに見えるが......
熱で溶けて流れてしまうので必ず専用のグリスを使ってくださいね
前回の作業でクラッチケーブルは交換したが他は手付かず
スロットルケーブルの潤滑
メーターケーブルの潤滑を行う
タコメーターケーブルのインナーケーブルを外してグリスUPするがエンジン側のビスの頭が舐めている
かつタガネで叩いた痕(外せなかった?外せてれば交換するよな)
この場合はピンドライバーの太いサイズのものでど真ん中を叩き頭を潰す
⧺の貫通ドライバーを合わせて叩くと
叩いたショックと潰れた頭の+溝がわずかに再生されドライバーのエッジが引っ掛かるようになる
無論先端の舐めた使い古したドライバではダメ、エッジの効いたドライバーを使用する
ほら、簡単に外れました
前回の記事にも書きましたがビスの頭が舐めかけた場合には酷くなる前に交換してください
安いものなのでケチらない!!
あれぇシフトペダルワッシャーがなぜか奥に居る
ポンチマークも合っていないし
(※シフトスピンドルが捻じれている場合もあるので合わせて組んで1速に落とした時にピロボール部がケースに当たるようなら元に戻してください)
シフトペダル外すとグリスっ気無し(萎)
グリスを充填し、シフトペダルの外側にワッシャー、サークリップと組み立てます。
サークリップはエッジがあるほうが外側です。(角が丸い方が内側ね)
サイドスタンドも動きが悪い
裏側のナットも不在
外してみるとやはりドライ
グリスを塗布して組み立て、裏側にはロックナットを使用し緩んでも外れないようにした。
ドレンボルトにオイルが溜まっている
オイルパンが補修してありそこから漏れているようだ
オイルパンの溶接補修って結構漏れちゃいます。
油がしみ込んだアルミは溶接がきれいにできません
キャブレタードレンボルトからガソリン漏れ
Oリングの劣化によるものだが穴が詰まっているというか汚れも酷い
こんなツールを使用
こんなにきれいになりました
コックからも出ているがこれはホース径が合っていない
ストレーナーからも出ているのでホースと合わせて交換
キャブレターは試乗で内部の摩耗があると思われ
将来的にはキャブレターのO/Hをしたいところ
まだまだやるところがたくさん残っている