つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

甘々です(代理)

2007-12-30 18:41:22 | マンガ(少女漫画)
さて、代理とはいかに? の第933回は、

タイトル:告白倶楽部1
著者:山本修世
出版社:白泉社 花とゆめコミックス(初版:'04)

であります。

代理です。
ほんとうは、某所で森生まさみさんの話をしていて「夢限宇宙で恋をしよう」が読みてぇ! と思って探してみたのですが……ない……。
そんなわけで最近の作品で甘々で好きな作品、と言うことで選出。

最初に言っておきます。
タイトルからもわかるとおり、ベッタベタの甘々な短編集なので、さぶいぼ症候群の方は読まれないほうがいいでしょう(笑)

では、各話から。

○告白倶楽部
『読書部に所属する上田友來は、借りた本を忘れたことに気がついて図書室へ戻った。まだ開いていた図書室には、おなじ読書部で友來が好きな相手……真霜現の意外な姿が。
そんな姿を見てしまった友來は、現に口止めを要求される最中、現が好きな相手のはずの読書部の先輩に告白するための練習台になろうかと持ちかける。
告白倶楽部と名付けたそれにより、友來は現の練習台を勤めることになるのだが……』

ベタです。
と言うか、ストーリーは完全お約束。
身長176センチで見た目は凛々しく、お姉さまな雰囲気の友來だが、中身は少女小説大好きの女の子らしい女の子と言う設定だし、思わず口走ってしまった練習台で浮き沈みしたりと定番ネタはきっちりと押さえている。

まぁ、タイトルらしいお話で、ベタで甘々が好きなひとにはたまらないとは思うものの、これが読めなければこの後の話は読めないでせう(笑)

○Please tell me if you love me
『学校の理事長の孫で物腰柔らかく、人当たりがよくて人気者の花敷が好きな松宮雛子は、いつか告白したいと思っても出来ないでいた。
それは高校生になっても直らない幼児語。「さしすせそ」がまともに言えないからだった。
きちんと「好き」だと言いたい雛子が、放課後誰もいない教室で練習していたところにいつもの優等生とは違う花敷が現れ、幼児語のことを知られてしまうと同時に、花敷の意外な姿を見てしまう。
秘密を守るために出した花敷が出した交換条件。それは雛子の幼児語を矯正してやる、と言うものだった。』

幼児語が直らないと言うトラウマ、ってシチュエーションは初めてかも。
これはけっこう単純にヒロインの雛子の頑張る姿がかわいらしい作品。

○カウントダウン
『師走。突然、両親が福引きで当てた温泉旅行に行くことになり、美音子は同い年の弟、史郎とふたりで留守番をすることに。
受験間近というこの時期、そんな状況に置かれるとは夢にも思わなかった美音子は焦っていた。
史郎は両親の友人が事故で亡くなったことで引き取った血のつながらない弟で、ずっと好きだったから。
けれど、家族だからずっと一緒にいられると思っていた美音子だったが、史郎は全寮制の高校に推薦ですでに合格していた。
全寮制と言うことをそのとき初めて知った美音子は、この二日間をどう過ごせばいいのか、悩んでしまう。』

これは定番、血のつながらない姉弟もの。
内容も定番なので、さして見るべきところなし。
5編中、いちばんふつうの話でいまいちおもしろみに欠ける。

○空耳天国
『中学卒業も間近。伊藤綺沙は突然、彼氏から別れを宣告されてしまう。
問答無用のそれに愕然とするとき、元彼のいちばん好きだった声とよく似た芝に告白され、なし崩し的に付き合うことに。
派手めな容姿に似合わないおっとりした性格の綺沙は、いつその声にほだされただけの誤解だと言おうとしたが、見た目ではなくおっとりした性格をきちんと見てくれていた芝に次第に……』

これは1話目の告白倶楽部と同タイプのお話。
インパクトとしては初手の告白倶楽部があるので、どうしても二番煎じっぽい感じで見劣りしてしまうのが残念。

○少女眼鏡
『湖池春季は、1年生の中で最も怖いと評判の小野塚愁の眼鏡を踏んで割ってしまう。
極度の近眼でセミオーダーの眼鏡だったそれを割ってしまったことで、眼鏡が出来るまでの5日間、眼鏡代わりにさせられることとなった春季は、容赦なくあれこれとこき使われる日々を送ることになったのだが……』

う~む、これも定番、見た目怖いが中身は……と言うタイプの小野塚と天然で幼児体型の春季と言う凸凹カップルのお話。
ただ、それまでの4話と違ってヒロインの春季が見た目よりもしっかりしているのが特徴かな。
あと、目が悪くてむしろ手の感触から得る形とかを重要視する小野塚のクセがうまい具合に使われているところがいい。

……と言うわけで、久しぶりのマンガ。
つか、よくまぁ、私もこんなベタ甘のを平気で読めるもんだとしみじみ……(笑)
でも、定番好きで、甘い恋愛ものが好き、さらにハッピーエンドが好きなひとにはオススメできる短編集でしょう。
そういうのが苦手なひとは手に取らないことをオススメ(爆)

と言うわけで、個人的には好きな短編集になるんだけど、さぶいぼ症候群には向かないと言う時点で、良品の総評が勝ち取れるはずもなく、当然、及第ってとこで。



――【つれづれナビ!】――
 ◆ 『コミックス一覧表(紅組)』へ
 ◇ 『つれづれ総合案内所』へ