さて、これも紹介してなかったなぁ、の第512回は、
タイトル:カムイ外伝(全十二巻)
著者:白土三平
文庫名:小学館文庫
であります。
階級社会からの脱却をはかり忍びとなったものの、そこにも厳然と存在する支配の構図を知り、抜け忍となってさすらう天才忍者カムイの戦いを描く娯楽大作。
本編である『カムイ伝』の物語がカムイの個人的闘争から社会全体の戦いにシフトしていったため、出番の減った主人公を描くために出来た作品です。(たぶん)
内容的には初期の作品に近く、思う存分忍者戦を堪能できます。
主人公のカムイが格好良い、これに尽きます。
超一流の忍者で、常に追われる身のアウトローで、そんな境遇にありながら他人の命を尊重してしまうとゆー、出来杉君のようなキャラクター。(笑)
左右のフェイントから変形居合い斬りをかます『変移抜刀霞斬り』、バックドロップにしか見えない『飯綱落とし』等の秘技は、作品読んでなくても知ってる方は多いはず。
しかし、どんなに人格ができてよーが、どんなに強かろうが、カムイが安息の日を迎えることはありません。
追忍(組織を抜けた奴を始末しにくる連中)はどこにいても襲ってきます。時には真正面から、時には友好的な人物のふりをして、しかも全員異常に鼻がきく。
まれに、同じ抜け忍が現れて協力関係を結んだり、損得なしに親切な人物と出会ったりもしますが、彼らはカムイの巻き添え食って100%死にます……悲惨。
追忍相手に説得を試みることもあるカムイですが、大抵の場合一蹴されます。
何もせずに帰れば処分されるし、カムイと同じ立場になっても生き延びる自信はないし――という事情が追忍にもあるからです。
もっとも、自分の強さを鼻にかけ、カムイを仕留めて名を上げてやろうという輩も多数登場します。ま、そういう奴等ってロクな死に方しませんけど。
(ちなみに、序盤こそ人命尊重してたカムイですが、絵が変わった第二部からはうってかわって追忍を殺しまくるようになりました、スレたのかも……)
バトルフィールドの多くが自然の中であることも大きな特徴です。
森、山、川、そこに生きる動物達の姿が細かく描かれており、また、それを利用した戦術や、それが生む偶然によって勝敗が決することも多いです。
人の領域を訪れる場合、そこに住む人々の生活、支配体制などが描かれるのが殆どです。無論、カムイはその度に自分の孤独を再確認することになるのですが。
ちなみにこのカムイ外伝、一度完結した後、十数年経ってから続きが描かれたという経緯があります。(文庫版では第一部、第二部となっている)
話が忍者戦から人間ドラマにシフトしたほか、絵も昔の白土作品と同じシンプルなようで結構細かいものから、墨と細い線を多用する劇画調のものになりました。
個人的には、カムイが妙に悟ってしまった第二部よりも、迷い続けている第一部の方が好きです。短編として秀逸な作品が多いし。
思いっきり好みだけで挙げると、人の心を読む強敵と戦う『木耳』、どう考えてもカムイが破れた『九の一』、カムイが疑心暗鬼に陥る『暗鬼』、でしょうか。
これらの作品はアニメ『忍風カムイ外伝』でもいい出来してました。
(『しのびのテーマ』だけでも、私はかなり燃えるが……)
忍者漫画としては、『伊賀の影丸』と双璧を為す名作です、読むべし。
多くの漫画家に影響を与えた作品であり、今の作品と読み比べると「あ~、これってひょっとして……」という箇所がいくつも見つかります。
逆にツッコミ所も多いのですが(特に飯綱落とし……飯綱返しで腕斬られたら負けじゃないのか?)、そのへんは気にしないで下さい。(爆)
タイトル:カムイ外伝(全十二巻)
著者:白土三平
文庫名:小学館文庫
であります。
階級社会からの脱却をはかり忍びとなったものの、そこにも厳然と存在する支配の構図を知り、抜け忍となってさすらう天才忍者カムイの戦いを描く娯楽大作。
本編である『カムイ伝』の物語がカムイの個人的闘争から社会全体の戦いにシフトしていったため、出番の減った主人公を描くために出来た作品です。(たぶん)
内容的には初期の作品に近く、思う存分忍者戦を堪能できます。
主人公のカムイが格好良い、これに尽きます。
超一流の忍者で、常に追われる身のアウトローで、そんな境遇にありながら他人の命を尊重してしまうとゆー、出来杉君のようなキャラクター。(笑)
左右のフェイントから変形居合い斬りをかます『変移抜刀霞斬り』、バックドロップにしか見えない『飯綱落とし』等の秘技は、作品読んでなくても知ってる方は多いはず。
しかし、どんなに人格ができてよーが、どんなに強かろうが、カムイが安息の日を迎えることはありません。
追忍(組織を抜けた奴を始末しにくる連中)はどこにいても襲ってきます。時には真正面から、時には友好的な人物のふりをして、しかも全員異常に鼻がきく。
まれに、同じ抜け忍が現れて協力関係を結んだり、損得なしに親切な人物と出会ったりもしますが、彼らはカムイの巻き添え食って100%死にます……悲惨。
追忍相手に説得を試みることもあるカムイですが、大抵の場合一蹴されます。
何もせずに帰れば処分されるし、カムイと同じ立場になっても生き延びる自信はないし――という事情が追忍にもあるからです。
もっとも、自分の強さを鼻にかけ、カムイを仕留めて名を上げてやろうという輩も多数登場します。ま、そういう奴等ってロクな死に方しませんけど。
(ちなみに、序盤こそ人命尊重してたカムイですが、絵が変わった第二部からはうってかわって追忍を殺しまくるようになりました、スレたのかも……)
バトルフィールドの多くが自然の中であることも大きな特徴です。
森、山、川、そこに生きる動物達の姿が細かく描かれており、また、それを利用した戦術や、それが生む偶然によって勝敗が決することも多いです。
人の領域を訪れる場合、そこに住む人々の生活、支配体制などが描かれるのが殆どです。無論、カムイはその度に自分の孤独を再確認することになるのですが。
ちなみにこのカムイ外伝、一度完結した後、十数年経ってから続きが描かれたという経緯があります。(文庫版では第一部、第二部となっている)
話が忍者戦から人間ドラマにシフトしたほか、絵も昔の白土作品と同じシンプルなようで結構細かいものから、墨と細い線を多用する劇画調のものになりました。
個人的には、カムイが妙に悟ってしまった第二部よりも、迷い続けている第一部の方が好きです。短編として秀逸な作品が多いし。
思いっきり好みだけで挙げると、人の心を読む強敵と戦う『木耳』、どう考えてもカムイが破れた『九の一』、カムイが疑心暗鬼に陥る『暗鬼』、でしょうか。
これらの作品はアニメ『忍風カムイ外伝』でもいい出来してました。
(『しのびのテーマ』だけでも、私はかなり燃えるが……)
忍者漫画としては、『伊賀の影丸』と双璧を為す名作です、読むべし。
多くの漫画家に影響を与えた作品であり、今の作品と読み比べると「あ~、これってひょっとして……」という箇所がいくつも見つかります。
逆にツッコミ所も多いのですが(特に飯綱落とし……飯綱返しで腕斬られたら負けじゃないのか?)、そのへんは気にしないで下さい。(爆)
なるでしょうね。
これに『忍者武芸帳』、『サスケ』まで加えると凄い
ことに……。(笑)
ここは、『忍者龍剣伝』を買って誤魔化すしか!
(余計怒られそう……)
奥様に怒られそうで買えないのが、
「カムイ」「カムイ外伝」「伊賀の影丸」の
忍者名作…うぅ…悩む…
いっその事「伊賀のカバ丸」でも一緒に買って誤魔化すか…
(誤魔化せません)