さて、「りかさん」の次はやはりこれでしょうの第207回は、
タイトル:からくりからくさ
著者:梨木香歩
出版社:新潮文庫
であります。
まず、お断りを。
今回は、書評と言うよりは感想と言ったほうがいいかもしれないので、あしからずご了承くださいませ。
さて、私は読んでいるときにはだいたい考えていると言うより、作品世界の中に浸って読んでいるので、読みながら考えることはあまりしない。
とても感覚的にストーリーやキャラが頭の中で進んで動いてくれるわけだけど、だから、ときどき、あまりにも感覚が作品世界に深く入りすぎてしまうときがある。
この作品は、かなり久しぶりにその傾向が強すぎた。
話は、「りかさん」の主人公であった蓉子が、大好きだったおばあちゃんが亡くなってから。
染織工房の外弟子として生活している蓉子は、おばあちゃんの家で、紀久、与希子、マーガレットという同年代の女性たちと同居生活を始める。
始めは蓉子たち4人の生活のことで、その中心にはなぜかまったく話さない、けれど存在感が際立っている「りかさん」がいた。
そうした生活の中から、最初は小さな謎みたいなものだった。
それは、いま思うと一枚の紬のような感じかもしれない。
それからりかさんを作ったと言う澄月という人形師のことや、お蔦さんという奥女中のことがまた1枚。
与希子や紀久の祖先の話がまた1枚。
4人の生活の中での神崎と言う男性を縁にした紀久とマーガレットの話。
唐草模様。
蛇と竜。
連続。
与希子の父の死とマーガレットの出産。
……など。
他にもいろんな要素があるのだけど、読み進めるごとに、何枚も何枚も折り重なって、だんだん重厚さを増してくる作品世界にどっぷりと沈み込んでいく感じ。
ここまで来ると、もう読み終わるまで抜け出せないので読む。
けど、この話は4人の女性の生々しいくらいの心理描写や姿が描かれているので、蓉子が本来使わない媒染剤で染織し、それを織っていく紀久の姿のところなんかは、かなり痛かった。
だいたい、この感覚になると数日間はこれを引きずってしまうので、ラストはかなり重要。
蓉子、紀久、与希子のりかさんを中心にした合作、燃えていく作品、与希子の父の死、マーガレットの出産……そして最後の小さなりかさんの軽やかな笑い声。
幾重にも折り重なったものが、ふわっと軽くなるような感じがして、やっぱりこのひとのラストは心地よい。
と、ひとしきり、感覚的なことを言っておいて、と……。
結局のところ、おもしろいのかと言われれば、とてもおもしろかったのであります(笑)
でも、この作品、かなり重い作品で、思うに、「西の魔女が死んだ」のような雰囲気の作品がすごい好き、っていうひとには、かなりつらいと思う。
ぜんぜん作品世界が違うし、ああいう優しい雰囲気に包まれた話ではないし、どうやら賛否両論あるみたい。
「西の魔女が死んだ」は好きだけど、私は「賛」のほうだなぁ。
理解力がないので、1回や2回読んだくらいじゃ、まだまだ自分の言葉でこうと言えるくらいにはなっていないけど……。
なので、また読み返して、何かわかったような感じになったら、また書こうっと。
(いっぺんやっといてまたかい、と言う苦情は受け付けません(笑))
☆クロスレビュー!☆
この記事はLINNが書いたものです。
SENの書いた同書のレビューはこちら。
タイトル:からくりからくさ
著者:梨木香歩
出版社:新潮文庫
であります。
まず、お断りを。
今回は、書評と言うよりは感想と言ったほうがいいかもしれないので、あしからずご了承くださいませ。
さて、私は読んでいるときにはだいたい考えていると言うより、作品世界の中に浸って読んでいるので、読みながら考えることはあまりしない。
とても感覚的にストーリーやキャラが頭の中で進んで動いてくれるわけだけど、だから、ときどき、あまりにも感覚が作品世界に深く入りすぎてしまうときがある。
この作品は、かなり久しぶりにその傾向が強すぎた。
話は、「りかさん」の主人公であった蓉子が、大好きだったおばあちゃんが亡くなってから。
染織工房の外弟子として生活している蓉子は、おばあちゃんの家で、紀久、与希子、マーガレットという同年代の女性たちと同居生活を始める。
始めは蓉子たち4人の生活のことで、その中心にはなぜかまったく話さない、けれど存在感が際立っている「りかさん」がいた。
そうした生活の中から、最初は小さな謎みたいなものだった。
それは、いま思うと一枚の紬のような感じかもしれない。
それからりかさんを作ったと言う澄月という人形師のことや、お蔦さんという奥女中のことがまた1枚。
与希子や紀久の祖先の話がまた1枚。
4人の生活の中での神崎と言う男性を縁にした紀久とマーガレットの話。
唐草模様。
蛇と竜。
連続。
与希子の父の死とマーガレットの出産。
……など。
他にもいろんな要素があるのだけど、読み進めるごとに、何枚も何枚も折り重なって、だんだん重厚さを増してくる作品世界にどっぷりと沈み込んでいく感じ。
ここまで来ると、もう読み終わるまで抜け出せないので読む。
けど、この話は4人の女性の生々しいくらいの心理描写や姿が描かれているので、蓉子が本来使わない媒染剤で染織し、それを織っていく紀久の姿のところなんかは、かなり痛かった。
だいたい、この感覚になると数日間はこれを引きずってしまうので、ラストはかなり重要。
蓉子、紀久、与希子のりかさんを中心にした合作、燃えていく作品、与希子の父の死、マーガレットの出産……そして最後の小さなりかさんの軽やかな笑い声。
幾重にも折り重なったものが、ふわっと軽くなるような感じがして、やっぱりこのひとのラストは心地よい。
と、ひとしきり、感覚的なことを言っておいて、と……。
結局のところ、おもしろいのかと言われれば、とてもおもしろかったのであります(笑)
でも、この作品、かなり重い作品で、思うに、「西の魔女が死んだ」のような雰囲気の作品がすごい好き、っていうひとには、かなりつらいと思う。
ぜんぜん作品世界が違うし、ああいう優しい雰囲気に包まれた話ではないし、どうやら賛否両論あるみたい。
「西の魔女が死んだ」は好きだけど、私は「賛」のほうだなぁ。
理解力がないので、1回や2回読んだくらいじゃ、まだまだ自分の言葉でこうと言えるくらいにはなっていないけど……。
なので、また読み返して、何かわかったような感じになったら、また書こうっと。
(いっぺんやっといてまたかい、と言う苦情は受け付けません(笑))
☆クロスレビュー!☆
この記事はLINNが書いたものです。
SENの書いた同書のレビューはこちら。
血液型A型のくせに、細かいことにこだわらない性格なのさっ。
どっぷりと浸って読むって、快感ですよね。
でも、そこから抜け出すのが大変で、しばらく魂がさまよってたりして。
「からくりからくさ」のラストはとても印象深いし、昇華されていく感じだったので、読後感もよい後味だけが残ったように思います。
どっぷり浸かりすぎてたぶんだけ、なんかこっちまでほんとうに昇華されているような感じがしてました。
でも、どっぷり浸かるのも善し悪しかも……(^^;
なんせ、あの後、寝ようと思ってもまだあの感覚が残ってて、しばらく寝付けなかったもので(遠足前の子供じゃあるまいし(爆))
くろにゃんこさんはA型なのですか。
私はO型ですが、そのまんまの大雑把なほうなので誤字は頻繁にありますよ。
たいていそのときは、相棒が指摘してくれるか、直してから知らせてくれるかしていますので、楽です(笑)
(相棒が見たら怒るかな?(笑))