さて、第965回は、
タイトル:ガールズ・ブルー
著者:あさのあつこ
出版社:ポプラ社 ポプラ文庫(初版:'08)
であります。
あさのあつこ、と言えば「バッテリー」がベストセラーになって、ドラマ化までされたり(されてるはず)と、いわゆる時のひとって感じだろうか。
だいたい、そういうベストセラー作家ってのは読まないほうなんだけど、いまいち探すのがめんどくさかったので手に取ったわけなんだけど……。
こういういい加減な選び方をしたときほど、いい作品だったりする確率は高かったり……(^_^;
ともあれ、ストーリーは。
『高校なのに、中学並みの授業をして、それでも毎年進級できない脱落者が出る、地元でも有数のダメ学校、稲野原高校に通う2年生の理穂。
夏も間近の6月、バイト先で知り合った彼氏に振られたりはしたものの、幼馴染みの美咲や如月、友人のスウちゃんたちとともに、誰かの誕生日には必ずやるゲームをしていた。
携帯を取り出し、最後まで鳴らなかったひとがその場の食事代を支払う、というゲームをしながらお喋りに花を咲かせる。
学校のレベルは低いけれど、高校生活を謳歌する少年少女たち。
優秀な兄弟、連続して起きた猫殺しの事件、夏祭り、友人たちと老いた飼い犬の染子と行った海……。
日常の中で、それぞれが様々な思いを抱えながら、けれど理穂たちは元気に、いつものように毎日を過ごしていく。』
……短っ!(笑)
と言うか、ストーリー紹介するような話じゃないよなぁ、これ。
100%、主人公の理穂と幼馴染みの友人、美咲を中心として描かれる少年少女たちの「日常」でしかないし。
とは言え、この作品、理穂や美咲、如月と言ったメインキャラたちがとても生き生きしていて、キャラもしっかりしているから、単に日常を描いているだけで大きな事件とか、出来事がないにもかかわらず、読んでいて飽きない。
解説にも理穂と美咲、このふたりの魅力のことを述べているが確かにそのとおり。(解説なんてほとんど信用しないんだけど、これは納得)
優秀だがやや不登校気味の弟の真央を持つが、ふつうの少女である理穂。
超虚弱児で生まれ、入院が定例行事になっているが、歯に衣着せぬ言動と強固な意志とプライドを持つ美咲。
また、理穂とおなじように野球でプロも注目する兄、睦月がいるがマイペースで独特のキャラを持つ如月。
それぞれがしっかりとした個性と魅力を持っていて、それが行動や言動から十二分に感じられる。
だから、「単なる日常」だけど淡々とした印象がない。
むしろその逆の印象すら受けるくらいの作品になっている。
日常の中に事件を織り込んで話を作るより、日常に徹する話を書くほうがよほど難しいと思うのだが、それをきっちりと描ききる著者の力量はすごい、としか言いようがない。
ベストセラーになった「バッテリー」のほうは知らないが、これだけのものを書けるのであれば、ベストセラー作家になるのも頷ける。
文句なし……とまでは言わないけど、読むひとを限定せずにオススメできる小説と言うのはかなり久々ではないだろうか。
様々な事件や社会の歪みを抱える現代に生きる少年少女たちの、生き生きとした日常を是非とも感じてもらいたい一品だろう。
と言うわけで、かなり久々、総評、良品。
2巻も出てるみたいだし、早速買ってくるかな。
タイトル:ガールズ・ブルー
著者:あさのあつこ
出版社:ポプラ社 ポプラ文庫(初版:'08)
であります。
あさのあつこ、と言えば「バッテリー」がベストセラーになって、ドラマ化までされたり(されてるはず)と、いわゆる時のひとって感じだろうか。
だいたい、そういうベストセラー作家ってのは読まないほうなんだけど、いまいち探すのがめんどくさかったので手に取ったわけなんだけど……。
こういういい加減な選び方をしたときほど、いい作品だったりする確率は高かったり……(^_^;
ともあれ、ストーリーは。
『高校なのに、中学並みの授業をして、それでも毎年進級できない脱落者が出る、地元でも有数のダメ学校、稲野原高校に通う2年生の理穂。
夏も間近の6月、バイト先で知り合った彼氏に振られたりはしたものの、幼馴染みの美咲や如月、友人のスウちゃんたちとともに、誰かの誕生日には必ずやるゲームをしていた。
携帯を取り出し、最後まで鳴らなかったひとがその場の食事代を支払う、というゲームをしながらお喋りに花を咲かせる。
学校のレベルは低いけれど、高校生活を謳歌する少年少女たち。
優秀な兄弟、連続して起きた猫殺しの事件、夏祭り、友人たちと老いた飼い犬の染子と行った海……。
日常の中で、それぞれが様々な思いを抱えながら、けれど理穂たちは元気に、いつものように毎日を過ごしていく。』
……短っ!(笑)
と言うか、ストーリー紹介するような話じゃないよなぁ、これ。
100%、主人公の理穂と幼馴染みの友人、美咲を中心として描かれる少年少女たちの「日常」でしかないし。
とは言え、この作品、理穂や美咲、如月と言ったメインキャラたちがとても生き生きしていて、キャラもしっかりしているから、単に日常を描いているだけで大きな事件とか、出来事がないにもかかわらず、読んでいて飽きない。
解説にも理穂と美咲、このふたりの魅力のことを述べているが確かにそのとおり。(解説なんてほとんど信用しないんだけど、これは納得)
優秀だがやや不登校気味の弟の真央を持つが、ふつうの少女である理穂。
超虚弱児で生まれ、入院が定例行事になっているが、歯に衣着せぬ言動と強固な意志とプライドを持つ美咲。
また、理穂とおなじように野球でプロも注目する兄、睦月がいるがマイペースで独特のキャラを持つ如月。
それぞれがしっかりとした個性と魅力を持っていて、それが行動や言動から十二分に感じられる。
だから、「単なる日常」だけど淡々とした印象がない。
むしろその逆の印象すら受けるくらいの作品になっている。
日常の中に事件を織り込んで話を作るより、日常に徹する話を書くほうがよほど難しいと思うのだが、それをきっちりと描ききる著者の力量はすごい、としか言いようがない。
ベストセラーになった「バッテリー」のほうは知らないが、これだけのものを書けるのであれば、ベストセラー作家になるのも頷ける。
文句なし……とまでは言わないけど、読むひとを限定せずにオススメできる小説と言うのはかなり久々ではないだろうか。
様々な事件や社会の歪みを抱える現代に生きる少年少女たちの、生き生きとした日常を是非とも感じてもらいたい一品だろう。
と言うわけで、かなり久々、総評、良品。
2巻も出てるみたいだし、早速買ってくるかな。