さて、最近突貫やなぁの第740回は、
タイトル:家族狂
著者:中村うさぎ
出版社:角川書店 角川文庫(初版:H11 単行本初版:H9)
であります。
「ゴクドーくん漫遊記」やその浪費生活エッセイなどで有名になった著者の、毛色の違う作品。
「ゴクドーくん~」シリーズはまったく読む気はしないのだが、サイコホラーと言う裏表紙にちょいと惹かれ、さらに本の薄さ(←重要(爆))から手に取ってみたもの。
ストーリーは……、
ハードボイルド作家の北村は、作品の信念そのままに反オカルト主義者だった。
しかし、ある日、家から帰ってきたら宅配便が置いてあった。ひとり暮らしの北村に、受け取りのはんこを押す人物がいるはずもない。
さらに留守電を設定し忘れたある日、編集者からの電話に伝言が残っていることも。
不可思議な出来事に、反オカルトを標榜する世界観が崩れる危機に見舞われそうになったそのとき、トイレに向かった北村は、トイレに堂々と居座る50絡みの男に出会う。
北村に自分の家だと言い張る中年男の登場に加え、風呂場に現れた10代の女性。
自分たちは家族で、父親の無理心中で死んだ幽霊だと告げてから、北村のマンションには一家4人の幽霊家族が住み着くようになった……。
と書いてみると、なんか単なる幽霊もの、と言う感じではあるけれど、この幽霊家族とは別に、主人公の北村が描くハードボイルド小説の偏執的なファンのストーカーや、そこから発生する事件、北村の過去が絡んでホラーと言うにふさわしい物語になっている。
展開も、北村の軽快な一人称で始まり、北村と幽霊家族とのやりとりなど、可笑しさのある序盤を見せ、中盤から次第にファンのストーカーや事件などからじわじわとホラー色が強くなり、終盤はきちんとサイコホラーをしている。
流れに無理はなく、文章量も適度にあって読み進めやすさがあるが、紙面が白いと言うこともなくバランスがいい。
う~む、初めてこのひとのを読んでみたが、意外におもしろかった。
ラストがちょっと間延びした感があるが、それを考慮に入れても十分楽しめる作品であろう。
タイトル:家族狂
著者:中村うさぎ
出版社:角川書店 角川文庫(初版:H11 単行本初版:H9)
であります。
「ゴクドーくん漫遊記」やその浪費生活エッセイなどで有名になった著者の、毛色の違う作品。
「ゴクドーくん~」シリーズはまったく読む気はしないのだが、サイコホラーと言う裏表紙にちょいと惹かれ、さらに本の薄さ(←重要(爆))から手に取ってみたもの。
ストーリーは……、
ハードボイルド作家の北村は、作品の信念そのままに反オカルト主義者だった。
しかし、ある日、家から帰ってきたら宅配便が置いてあった。ひとり暮らしの北村に、受け取りのはんこを押す人物がいるはずもない。
さらに留守電を設定し忘れたある日、編集者からの電話に伝言が残っていることも。
不可思議な出来事に、反オカルトを標榜する世界観が崩れる危機に見舞われそうになったそのとき、トイレに向かった北村は、トイレに堂々と居座る50絡みの男に出会う。
北村に自分の家だと言い張る中年男の登場に加え、風呂場に現れた10代の女性。
自分たちは家族で、父親の無理心中で死んだ幽霊だと告げてから、北村のマンションには一家4人の幽霊家族が住み着くようになった……。
と書いてみると、なんか単なる幽霊もの、と言う感じではあるけれど、この幽霊家族とは別に、主人公の北村が描くハードボイルド小説の偏執的なファンのストーカーや、そこから発生する事件、北村の過去が絡んでホラーと言うにふさわしい物語になっている。
展開も、北村の軽快な一人称で始まり、北村と幽霊家族とのやりとりなど、可笑しさのある序盤を見せ、中盤から次第にファンのストーカーや事件などからじわじわとホラー色が強くなり、終盤はきちんとサイコホラーをしている。
流れに無理はなく、文章量も適度にあって読み進めやすさがあるが、紙面が白いと言うこともなくバランスがいい。
う~む、初めてこのひとのを読んでみたが、意外におもしろかった。
ラストがちょっと間延びした感があるが、それを考慮に入れても十分楽しめる作品であろう。