つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

日輪の力を拝借して……

2005-02-16 15:21:29 | SF(海外)
さて、ストックが尽きた時のことを考え中な第78回は、

タイトル:はだかの太陽
著者:アイザック・アシモフ
文庫名:ハヤカワ文庫

であります。

舞台は、とんでもない数のロボットが少数の人間を世話している奇妙な星ソラリア。
その星で起こった密室殺人事件の担当としてベイリは選ばれ、宇宙に飛びます。
隔離された安全な地球を飛び出し、宇宙人の待つソラリアへと向かうベイリ。その心の中にには不安と孤独しかありません。

しかし、強力なパートナー――ダニールが再登場し、彼を助けます。
再会を喜びつつも、ダニールがロボットであることに葛藤するベイリ。
そんなベイリの気持ちをよそに、献身的に尽くすダニール。
異郷の地で再結成された名コンビは再び事件を解決できるのか?

というわけで、第76回で紹介したイライジャ・ベイリ・シリーズの第二弾です。
前作よりもミステリ色がアップしており、SFミステリの名に恥じない作品に仕上がっています。

『鋼鉄都市』が地球に閉じこめられた地球人の特異性を扱っていたように、この『はだかの太陽』では数多くのロボットに保護されたソラリア人の生活がストーリーの核となっています。
ベイリの状況はそのまま作品世界と照らし合わせになっており、ダニール(ロボット)に保護されるという立場から、彼は少しずつ事件の背後にあるものを読み取っていきます。
社会派ミステリーの基本ですね。

ちなみに前作は刑事物のノリでしたが今回は探偵物に近くなり、それに伴ってベイリ=探偵、ダニール=助手の図式が濃くなっています。
もっともそれが一層二人のキャラクターを引き立てていますので、ダニール・ファンの方はご安心を。

話のネタを全部しゃべってしまいそうなので、このへんで。
第80回では『夜明けのロボット』について語ります。



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