つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

このあたりでシリーズもの

2005-02-01 20:46:50 | ホラー
さて、皆勤賞続けて第63回は、

タイトル:悪霊がいっぱい!?
著者:小野不由美
出版社:講談社X文庫ティーンズハート

であります。

少女小説のブランドだけど、「十二国記」シリーズを書いた小野さんの比較的初期のシリーズ。

タイトルからもわかるようにホラーであります。

少女小説のホラー、と言うと、「うーむ」という感じではあるけど、やはり十二国記や屍鬼の作者だけあって、しっかりしてる。

悪霊シリーズの第1作目。

まぁ、ホラーと言うと超常現象の一言で終わらせるもの(かなり偏見)だし、ホラーやミステリーというと人間を蔑ろにして、怖さとかを売りにするもの(これまた偏見)だけど、これはそうじゃない。

話は主人公の麻衣が通う学校の旧校舎で不可思議なことが起きる、と言うことで調査を依頼されたSPR(渋谷サイキックリサーチ)の所長の渋谷一也(通称ナル)が調査中、麻衣が旧校舎を覗いて、そこで助手のリンさんを負傷させてしまう。

そこでリンさんの代わりに麻衣が助手としてナルとともに旧校舎の謎を解く、と言うもの。

ホラーと言いながら、事件は地盤沈下が原因のもので、超常現象は麻衣たちに突っかかってくる少女の無意識のESP。

ホラー、と言うには原因ははっきりしてるし、主人公のひとり、ナルは霊媒者の類ではない、と言いきる。

確かにごくごく科学的に調査するし、拝み屋や巫女さんなどなど、その手の人たちは出てくるけど、今回は役立たず。

このあたりのメインキャラの活躍の場はあとに出てくるけどね。

さすがに怖いだけで中身のないホラーと違って、しっかりと納得させられるだけのネタとオチでまとめられてる。

ただ、この小説、いま現在だと手に入れるためには少し、努力が必要かも。

十二国記が売れたから増刷したかもしれないけど、そう多くはないと思う。
Amazon.co.jpではいくつか在庫切れ。
つか、この「悪霊がいっぱい!?」はユーズドで2940円!
私が持ってる第6刷の値段は420円だからやはり手に入りにくいんだろうなぁ。

とは言うものの、これより前のホラーが絶版になってて、手に入れたいと思う今日このごろであーる。